cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パリ オペラ座とシャガール

僕はシャガール(Marc Chagall)の絵は好きだし、オペラ座の天井画「夢の花束」もとても好きだけど、バロック的であり古典主義的なネオバロックと呼ばれるオペラ座の空間にシャガールの絵は基本的には合わないと思う。合わないのだけど、パリのオペラ座だから…

パリ オペラ座

パリのオペラ座 / パレ・ガルニエ(Palais Garnier) 正式名称は「国立歌劇場」。オペラ座(Opera)というとパリの他にもあちこちに存在するので、このオペラ座は「パリの」としたり、「ガルニエ宮殿」と呼んだりして区別します。 ■背景1852年、ナポレオン3世が…

パリ オペラ座界隈〜マドレーヌ寺院

マドレーヌ寺院(Église de la Madeleine) この古代ギリシア風のコリント様式の神殿は、聖マドレーヌ(マグダラのマリア)を守護聖人とするカトリックの教会です。この外観はとても教会には見えません。 コンコルド広場からもこの現代に蘇ったコリント式神殿を…

パリ オペラ座界隈

オペラ座(Opera)、マドレーヌ寺院、ヴァンドーム広場を結んだ三角地帯。この界隈は宝飾店、ブティックといった「超」がつく高級専門店、デパートなどが立ち並び、シャンゼリゼと肩を並べるパリ屈指の商業地域となっています。 この界隈は19世紀、ナポレオン3…

パリ小話 〜聖人ドニとの縁?

フランスの守護聖人サン・ドニ(聖ドニ Saint Denis)とは何か縁のようなものを感じます。なぜか。 「パリおいてけぼり事件」 初めてのパリ、僕がまだ学生だった頃です。僕はいとこ家族のヨーロッパ縦断旅行にくっついて初めてパリに来ました。僕は初めて見る…

パリ レ・アル地区

「レ・アル(Les Halles)地区」は元々パリの生鮮食品の中央卸売市場でした。 レ・アルの起源は11世紀、乾物と両替を扱う市場からスタートします。12世紀に市場のための2つのホール(Halles)が建てられ、その後も市場が拡大するごとにホールが増えていきました…

パリ サン・ジェルマン・デ・プレ界隈

サン・ジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain-des-pres) 学問の街カルチェ・ラタンと並んでパリの左岸でサン・ジェルマン・デ・プレ教会を中心に古くから栄えた場所。パリの中でも高級住宅がひしめき古い街並みに高級ブティックなどが居並ぶ洗練された街です。…

パリ小話 自由の女神

自由の女神といえばアメリカはニューヨークですが、そもそもこの自由の女神像というのはフランスからアメリカへの贈り物。 1886年にアメリカ合衆国独立100周年を記念してフランスから寄贈されました。 フランスの彫刻家バルトルディによりデザインされ、建設…

パリ カルチェ・ラタン / クリュニー美術館

2000年前に建てられたローマの公衆浴場の遺跡に隣接し500年前に建てられたクリュニー修道院長の宿舎という、そんなカルチェ・ラタンらしい場所。それが現在のクリュニー美術館(Musée de Cluny)。正式には国立中世美術館(Musée national du Moyen âge)と言っ…

パリ カルチェ・ラタン界隈

カルチェ・ラタン(Quartier Latin)とは「ラテン区」を意味します。 紀元前1世紀にローマ人は、シテ島を中心にローマ都市を築きました。特に左岸のこの地区には、公共浴場や半円形劇場、広場といった公共施設を集められ早くから近代化がなされてたのです。カ…

シテ島界隈 風景

シテ島界隈の景色をいくつか コンシェルジュリーの時計塔のパリ最古の公共時計。 2011年に修復されて、こんなピカピカな時計に戻った。ほぼ600年間監獄の時計として過ごしていたけど、本当は王宮の時計として生まれたのだから、この姿がふさわしい。 サンジ…

シテ島界隈 ブキニスト

パリのシテ島周辺のセーヌ川沿いには古本市ブキニスト(Bouquiniste)が連なります。17世紀、ポン・ヌフが完成した当時、新しい橋を見ようと見物客が大勢集まりました。それを当て込んでここで本を売り始めたのがブキニストの起源と言われています。以来「世…

シテ島 ポン・ヌフ

ポン・ヌフ(Pont Neuf) ルーブルの側からセーヌ沿いに歩くと、シテ島にかかるポン・ヌフが最初に迎えてくれるます。ポン・ヌフ(新しい橋)という名前のパリ最古の橋は、1606年の完成以降ほぼ原型をとどめながらシテ島をパリの左岸と右岸を繋ぎます。 ポン・ヌ…

シテ島 コンシェルジュリー

メトロ4号線シテ駅からは裁判所の横を歩いて徒歩1分程度の位置にコンシェルジュリー(La Conciergerie)があります。 元々は10世紀にシテ宮(Palais de Cite)と呼ばれる王宮として誕生したのだけど、14世期以降、20世紀初頭までの600年ほどを牢獄として使用さ…

シテ島 メトロ駅

メトロ4号線 シテ駅 1910年12月に開業したメトロ4号線の駅としては少し遅めにできました。 もう100年以上の歴史がある、趣深い駅です。 セーヌの下を通っているため、他の地下鉄に比べ地上から駅までがちょっと深い(約20m)。まるいトンネルの壁に白いタイ…

シテ島小話 パリとスズランの花

5月1日はフランスでは「スズランの日」 スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる(le retour de bonheur)」 16世紀、ヨーロッパでスズランの栽培が始まって間もないころ、1561年5月1日にフランス王シャルル9世がスズランの花束をプレゼントされました。幸せを…

シテ島 ノートル=ダムから眺めるパリ

ノートル=ダムの鐘楼に登ってパリを眺めます。 正面広場側。 真正面にあるのは警察署、その右側には裁判所。裁判所の前に地下鉄のシテ(CITE)駅と花市場があります。警察署の向こう側にサント・シャペルがあります。 セーヌ川沿いにオルセーとルーブルが、そ…

シテ島 ノートル=ダムのカフェ

ノートル=ダムの周辺には、ノートル=ダムの名前のついたカフェがあります。 ■LE NOTRE DAME 同名のホテルの1階にある、ノートル=ダムの広場の斜向かいにある、ノートル=ダムのファサードを眺めながら過ごせるカフェ。30年以上ここにある。 この時は朝、ノー…

シテ島 ノートル=ダム寺院4 景色

ノートル=ダムの景色(Gallery NotreーDame) パリの街灯はとても絵になる。ノートル=ダムを背景に。 パリの街灯とノートル=ダム。東から。 僕は建物のこの角度が好きで、気づくと色々な建築のこういう写真を残している。空に向かって佇む凛々しい様子が気持…

シテ島小話 ノートル=ダム 朝のすすめ

ここシテ島はパリ発祥の地であり、ここノートルダムはフランスの信仰の中心。当然観光客も大勢押し寄せ、下手をすると入るために広場に長い列をつくり、やっとの思いで中に入っても大勢の人にまみれながら見て回ることになってしまう。 そこで僕は朝、ノート…

シテ島 ノートル=ダム寺院3 魔物たち

パリのノートル=ダム(Notre-Dame de Paris) 時期◼️1163-1345 場所◼️ 6 Parvis Notre-Dame - Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス 魔除の魔物。 ノートル=ダムのあちこちにいて、色々な災厄からノートル=ダムを守っています。 この建物の側面からニョキ…

シテ島 ノートル=ダム寺院2 内部

パリのノートル=ダム(Notre-Dame de Paris) 時期◼️1163-1345 場所◼️ 6 Parvis Notre-Dame - Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス ノートル=ダムの内部へは3つの門のうち、右側の聖アンナの門か左側の聖母マリアの門のどちらかから入ることになります。…

シテ島 ノートル=ダム寺院 1 外観

パリのノートル=ダム(Notre-Dame de Paris) 時期◼️1163-1345 場所◼️ 6 Parvis Notre-Dame - Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス ■ファサード 正面(西側)ファサードは、地上から見ると、3つの門があり、その上に諸王の階があり、聖母子を抱く「西のバラ…

シテ島 ノートル=ダム寺院 0 Out line

ヨーロッパには聖母マリアに捧げる聖堂がたくさんあります。 イタリアでは「St.Maria del 〇〇(サンタ・マリア・〇〇聖堂)」 ドイツ語圏では「〇〇 Frauenkirche(〇〇・フラウエン教会)」 そしてフランス語圏では「Notre-Dame de 〇〇 (〇〇のノートル=ダ…

パリ 目次

パリの街をはじめて歩いたとき「街全体が美術館だ」と思った。以来、アントワープからの近さもあってパリはヨーロッパでもっとも多く訪ねた街、僕にとってとても身近な街になりました。芸術を育む都として、大好きなイタリアの街まちとはまた違った魅力を放…

目次 シテ島界隈

シテ島(Cite) ここはパリのルーツ。この場所に集落ができたのが紀元前3世紀。ガリア民族の「パリシイ」という部族がこのシテ島に住み着きました。そして紀元前1世紀に古代ローマのユリウス・カエサルがガリア遠征を行なって、ここにローマ軍の駐屯地として…