cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

空と雲と 月と惑星

2月22日は月と木星と金星が同時に見ることができる日でした。 夕暮れ時、西の空に徐々に細くて素敵な三日月が現れました。そして空が暗くなるにつれて、まず遠くに金星が、やがて月と金星の間に木星が現れる。 夕焼け残る空に月と木星と金星が一直線に並ぶ姿…

空と雲と 幻の日

今日は面白い空を見ることができました。 太陽を中心に幻想的な光の輪。そして横に若干の虹色を帯びた光の鏃(やじり)。 これは太陽の前に雲のような層がある時に起こる現象で、 光の輪は「22度Halo」、光の輝点は「幻日」という名前が付けられています。22度…

カエサル16 ガリア戦役 暗転

紀元前54年の冬 例年戦闘のできない冬の時期、軍団は一箇所の冬営地に集まりガリアの地で越冬します。その間カエサル自身は南仏属州あたりの、本国との境目付近にもどって首都ローマに対して様々な指示をだしていたのでした。ところがB.C.54年の冬に差し掛か…

空と雲 となりの朝の空

ヨーロッパの素晴らしい街や遺跡、自然の絶景は現地に行かないと見ることはできないんですが、空の景色に関しては遠くに行かずとも、気付きさえすれば、その素晴らしい景色を堪能することができるんです。 ただ、僕の住んでいる場所は住宅街で、電柱・電線が…

カエサル15 母の死、娘の死

B.C.55年7月ガリア戦役の最中にカエサルは母を亡くし、翌B.C.54年8月に娘を亡くします。ガリア戦役の最中、カエサルはローマに戻ることもできず、カエサルは二人の死に目に遭うことも、弔ってあげることもできなかった。公私を明確に切り分けていたカエサル…

カエサル14 ガリア戦役 イギリス〜ドーヴァー海峡横断

B.C.55年、カエサルがもう一つ行った大事業とは、ドーヴァー海峡を渡りブリタニア(イギリス)に上陸したこと。これもまたローマ人初の出来事でした。 ゲルマンの地でゲルマン人や北部ガリアの諸部族に反ローマの支援を行っているのがブリタニアにいる民族であ…

カエサル13 ガリア戦役 ドイツ 〜ライン渡河

ガリア戦役4年目(B.C.55年 カエサル45歳) カエサルはこの年、二つの大きな仕事を成します。 一つは対ゲルマンでの出来事。 前年のルッカ会談で合意したであろう通りに首都ローマでポンペイウスとクラッススが執政官になり、それぞれのプロコンスルとしての任…

古代ローマ小話 人質の話

ローマは周辺諸国との戦争に勝利すると、敗者である国や部族から人質(ラテン語 obses)をとってきました。人質というのは奴隷と違い、国のトップ、有力者の子息である必要があります。一般的な意味合いとしては敗者の有力者の子供達を勝者の地に置くことで、…

カエサル12 ガリア戦役 フランス大西洋岸

ガリア戦役3年目(B.C.56年 カエサル44歳) 現フランス北西部ブルターニュ地方にはヴェネティ族がいました。ヴェネティ族は大西洋岸一帯では最も勢力のあるガリア部族で、優れた海軍をもち、ブリタニアとの親交もあった。一度ローマに対して恭順の意を示したも…

カエサル11 ガリア戦役 ベルギー

ヘルヴェティ族(スイス人)の移動による混乱を防いだあと、ガリアの部族長によってゲルマン問題の詳細を知ったカエサルはB.C.58年に冬営に入る前にゲルマン人と対峙して、現在のライン河をローマ世界とゲルマン人の境界とすることに決めます。 ガリア戦役2年…

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます 2023年、平和に安心して生きていける世界になりますように。 cmn.hatenablog.com

Merry Christmas! 2022

これは火事で焼ける前のパリのノートルダム大聖堂です。1日も早い大聖堂の復活と今世界中で起こっている争い事がなくなることを祈ります。 cmn.hatenablog.com

カエサル10 ガリア戦役 スイス

ガリア戦役 1年目(B.C. 58年 カエサル42歳) ガリア戦役は今でいうところのドイツ人がスイスに侵入してきたことをきっかけに始まります。ガリア戦役一年目のこの年、現在のスイス人との争いが主な出来事でした。 当時トランサルピーナ(アルプスの向こう側)と…

カエサル9 ガリアへ

前執政官(pro-consul)となったカエサルの任地ガリアとは、現在でいえばスイス、フランス、ベルギーといった地域を指し、100を超える部族が乱立し広大な湿地帯の広がる未開の地域でした。ガリア戦役とはカエサルとローマ軍団による8年に及ぶガリアの征服行で…

カエサル8 はじめての執政官

「執政官(Consul)」とは共和政ローマにおける最高官職。任期は1年、毎年2名の執政官がローマの政治を取り仕切っていました。 B.C.754年、王国ローマが誕生したときに建国の王ロムルスは国の政体を「王、元老院、平民集会」の3つにすることを決めました。ロ…

カエサル小話  ”見たいと思う現実しか見ていない”

~カエサルの言葉~ 「人間誰しもすべてが見えるわけではない。多くの人は自分が見たいと思うことしか見ていない」 ”Fere libenter homines id quod volunt creduunt”誰でも、都合の悪いこと(見たくない現実)には目をそむけてしまいます。無意識のうちに現…

カエサル7 三頭政治

昔歴史の教科書に載っていた三頭政治(Triumviratus)という言葉。歴史を学校で学んだ(はずの)当時、全く意味を理解していなかった。歴史とは組紐が如く、もつれて繋がりをもって時が過ぎ、さまざまな小さな出来事が因果応報重なって大きな出来事へ流れていく…

ローマ小話 朝のローマ散歩

ミラノ経由の飛行機でローマ入りした時、ローマのホテルに到着したのは夜の10時頃。この年は雨と雷と時差ボケとローマについた期待感と興奮でなかなか眠れず、その夜は一睡もできませんでした。 ずーっと続いていた雷と雨音の轟音が徐々に収まってきて、静け…

カエサル6 カティリーナの陰謀

紀元前63年のこの年、カエサルは37歳で最高神祀官(Pontifex Maximus)になります。「最高神祀官」はローマの宗教に関する最高責任者で、ローマの官職のなかで唯一定員がひとりだけ、しかも終身職で他の官職との兼務OKという特殊な位置付けがされている。カエ…

カエサルと "借金”

海賊に囚われた時には50タラント(約50億円)もの身代金を従者に借金に走らせたり、按察官時代に行った二つの大事業を自費で行ったり、この時期、35歳にしてカエサルの借金は既に膨大な額でした。さらに生涯かけてカエサルは天文学的な数字の借金をすることに…

カエサル5 民衆派として立つ

立つカエサルはB.C.65、35歳の時に按察官(エデイリス / aedilis)に就任します。按察官とはローマの公共施設の管理や祭儀の管理を行う官職でした。 カエサルはこの年、この官職を利用してローマ街道の補修と剣闘士試合開催という二つの大事業を行います。しか…

空と雲と 空の帯

この日、空にマジックアワーが訪れました。 これは夕日とは反対側の東の空です。 最初、全体的に雲が多く空一面グレーでした。奥の方水平線のあたりだけが少しオレンジ色になってきたと思ったら、空を覆う影が現れました。 だんだん空の夕焼けっぽい範囲が広…

カエサル4 海賊の人質

若い時期のカエサルを語る時、よく取り上げられるエピソードがあります。プルタルコス(Plutarchus A.D.46-119)の「対比列伝(Vitae Parallelae 英雄伝)」などに記される有名な話「カエサルが海賊に囚われた」を。 スッラの死後ローマに戻ったカエサルはいわゆ…

建築模型ー美術展小話

実は昨日、こんな展覧会を見てきました。天王洲の寺田倉庫WHAT MUSEUMでやってるのは知っていたのですが、忙しくてなかなか行けず、もうこの週末で会期終了。今年の春から職場が寺田倉庫まで歩いて8分の距離にあるため、最後のチャンス、先週末に思い切って…

カエサル3 カエサルから見たスッラの粛清

カエサル18歳の時、スッラはカエサルの命を奪おうとしていた。 カエサルの叔父にあたるマリウスは政敵スッラの関係者を一掃しようと粛正を行った。そしてマリウスが死んだ後、スッラは逆にマリウスの関係者を完全消滅をしようとした。半ば感情的に殺戮を行っ…

カエサル2 生涯

カエサルの略暦。カエサルの生涯は後半に行けば行くほど濃くなっていきます。人生の経歴としてはカエサルはとてもスロースターターです。20代で軍功を挙げて当時すでに最高の栄誉を受けた三頭政治の一角、ポンペイウスとは対照的です。 しかし、後世の人々は…

空と雲と マジックアワー

この日、朝のマジックアワー(Magic hour)は静かに始まりました。 日の出が近づくにつれて、奥は黄色からオレンジ、高い雲がピンクに色づき始まめます。手前の低い雲とのコントラストがとても綺麗です。 空の手前上空の雲はラクノサス(lacunosus)という雲。 …

カエサル1 3月15日 / Idus Martiae

ヨーロッパの人は3月15日(ラテン語でIdus Martiae)というと、それが何を意味するのかほとんどの人が知っているといいます。日本で3月15日といえば中学や高校の卒業式?と連想しますが、ヨーロッパで3月15日といえば、それはユリウス・カエサルが暗殺された日…

小話 誰かの生涯

このブログ"cafe mare nostrum"の中で何人か建築家や芸術家、政治家の生涯を辿ってきました。歴史に名を残した著名な方々の人生を辿るのは、大袈裟に言えばその一生を追体験しているようで感情も移入するし、単純に勉強にもなります。そして毎度、僕はその人…

古代ローマ小話 奴隷の話

タイトルはとても後ろ向きですが、内容はそうでもないのでご安心ください。 「奴隷」という言葉を見ると、アフリカから強制的に拉致されて、ひどい環境で生活しながら強制的に労働させられる人々をイメージします。「奴隷」という言葉には良いイメージはあり…