昨日、パリのノートルダム寺院が焼けるニュースを見てとても辛かった。
僕にとって一番綺麗で心惹かれたノートルダム。フランス人にとっては心のような教会だろう。そのノートルダムが激しく焼け、屋根部分が完全に焼け落ちてしまった。
20年前何度もパリを訪れ、時間がない時でも必ず訪れた場所。昨年20年ぶりにパリを訪れてノートル・ダムにも行った。20年変わらない姿で迎えてくれたのに、こんなことが起こるとは。。。
でも、あれほどの災禍の中、堂内の文化財は大半が保護された。被害者も出なかった。近年、建築に関する詳細な3Dデータが残されていて、それを元にかつての姿に忠実に復元する道筋も残された。石材へのダメージが少なければ数年で元の姿になることもできるかもしれない。不幸な出来事ではあったけれど、前を見て1日も早く修復されることを祈りたい。
「FLVCTVAT NEC MERGITVR 〜たゆたえども沈まず」
パリの精神。パリの市章には古い帆船とともにラテン語でこう記されている。
フランス語では il est battu par les flots mais ne sombre pas .
〜どんな荒波に揺られようとも沈みはしない〜
もともとはセーヌ川水運組合の標語で、中世が明けてパリの街づくりを任された、船乗りたちが「どんな困難にも負けることのない街に」、という意思を示すのに、自分たちの組合の紋章をパリの市章に採用しました。
「たゆたえども沈まず」僕はこの言葉がとても好きです。
今フランスが、市民も国も企業も前を向いている。
起きてしまったことを嘆くより前に進もうと。
ヨーロッパでは5/1のメーデーに奥様へすずらんの花を贈る習慣がある。昨年メーデー近くにパリに行ったら、街のあちこちですずらんの花が売られていた。
たゆたえども沈まず。そして再び幸せが訪れる。
修復された後、僕は前よりも美しくなったノートル・ダムにまた会いに行きます。