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旅行の記憶と何気ない日常を

ガウディの足跡3 グエル別邸

Pabellones finca Guell

時期◼️1884-1887  ガウディ32-35歳

場所◼️ ペドラルベス通り7 Av. de Pedralbes, 7, 08034 Barcelona

現在◼️カタルーニャ工科大学 建築学部 本部

 

生涯のパトロンとなるエウセビオ・グエルとの最初の仕事。

繊維業で財をなした実業家エウセビオ・グエルはパリ万博でガウディのデザインした革手袋のショーケースに出会って以来、ガウディの才能に惚れこんでしまった。彼はガウディにいくつかの家具のデザイン(未完)を依頼した後、このグエル別邸の門と門番小屋、そして厩舎の建築を依頼しました。

 

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この写真ではほんの一部しか写っていないけれど、ガウディはこのグエル別邸の厩舎をカサ・ビセンスの時と同じくムデハル様式を基調として極彩色のタイルを使ったデザインとしている。カサ・ビセンスの時と異なるのは一部で「破砕タイル」を試みていることです。タイルをくだいて曲面に張り付けて装飾する、今ではガウディの代名詞とでも言うべき手法がこのころから始まったと言えます。

またムデハル様式の影響濃い、複雑な外観とは対照的に、厩舎の内部はとてもシンプルで、天井は放物線アーチが用いられており、この放物線アーチも破砕タイルと並んでガウディが生涯こだわりを持ち続けた手法でした。

 

僕がグエル別邸で一番惹かれ、圧倒されるのは「鉄の竜門」です。

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ガウディはこのグエル別邸の”鉄の竜門”で二つのテーマを表した。一つはギリシア神話に登場する「ヘスペリデスの園を守る龍」。もう一つは「雨を降らせ幸いをもたらす」東洋型の龍。これらのテーマはガウディの施主であるグエルに対する敬意によるものでした。

完成後、まず施主であるグエルを驚かせたこの門は、バルセロナ市民も驚かせ、新聞でも取り上げられるほどの評判となりました。 

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実際、目の前に立つと、この門の迫力はすさまじい。正直周囲のムデハル様式の建物がまるで目に入ってこないくらいのインパクトがあります。鉄でできた門なんだけど、まるで生きているよう。決して大げさではなくそういうエネルギーがこの鉄の龍から感じられる。

 

 

***ガウディと僕

ガウディが鉄龍を完成させた時、ガウディは35歳。

35歳の僕はその時勤めていた会社を良くしようと、エンジニアをやりながら、やったこともない風土改革を取り組み始めた。日本の大企業によくある「自分が良ければそれで良い」、裏付けのない「俺様一番」な文化は性に合わないし、あの時の会社の浮かれた空気はいずれ自滅へ転落させると予見したから。

何年もかけて色々頑張って形にはなったけど、本質的な一番変えたいところは結局変えられなかったな。あれから10年経って、僕の感性は間違っていなかったと実感する。ガウディとは方向は違うけど、多方面で創造的な仕事をしていたと思う。。

 

 

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