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旅行の記憶と何気ない日常を

ガウディの足跡8 カサ・バトリョ

Casa Batllo

時期◼️1904-1906  ガウディ52-54歳

場所◼️ グラシア通り43   Passeig de Gràcia, 43, 08007 Barcelona

現在◼️ガウディのカサ・バトリョとして公開

 

「隣に建つカサ・アマトレール(ジョゼップ・プーチ)より目立つ建物を!」

と新興ブルジョワであるホセ・バトリョから依頼を受けて、既存の集合住宅を改装したのがこのカサ・バトリョ

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ガウディはこの建物に”サン・ジョルディ(聖ゲオルギウス)と悪龍”を表現した。サン・ジョルディはカタルーニャ守護聖人で悪龍退治の伝説がある。

屋根は悪龍の背を、白い十字架はサン・ジョルディが龍と戦ったときに持っていた盾に刻まれた十字をしめす。当初この十字は建物の中心に置かれるはずであったが、となりのカサ・アマトレールのシンメトリ・デザインを損なうことの無いようにと、隣に配慮してややずらして配置されている。

 

もともと平坦だった壁は波状に削られ、タイルを埋め込み地中海が表現された。バルコニーは龍の頭蓋骨を、そしてファサードは龍の骨と内蔵が表現されている。

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このファサードは一見グロテスクなのだけど、不思議と人を包み込むような優しさも持っている。これはこの造形が地面に根を張るような表現がされているからとも言われているが、僕はガウディの建築からいつも感じるもの、生命力がそんな優しさを伝えてくると思っている。カサ・バトリョが完成したあと、このファサードの”まね”をした建築が建てられるけど、それらは”グロテスク”にとどまっているものが多い。ガウディはただ奇抜な造形にはしない。そこには血が通って息づいているような、そんな建物を創造しているのです。

だから、いわゆる”目立つ”建築がひしめく新市街にあっても、カサ・バトリョの存在感は揺るぎない。

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僕はバルセロナ滞在中に朝昼夜とここを訪れた。

朝日に地中海を表現した壁がきらきら輝く姿、ちょっとグロテスクだがとても優しいファサード、夜のライトアップに見せるまた別の輝き、この建物の魅力は尽きることがない。

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 ガウディの建築作品の中で、サグラダファミリアを除いて一番好きなのがこのカサ・バトリョカサ・バトリョの魅力は室内にも溢れかえっている。残念ながら、中には入れなかったけど。。。

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ガウディと僕

ガウディは53-54歳でこのカサ・バトリョを作っている。

僕がカサ・バトリョを見たのが25歳。そして今50歳になってこの文章を書いている。カサ・バトリョに対する思いや感じ方はまるで変わらない。今から2年後、僕は何を作り出すことができるだろうか?

 

 

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