Sagrada Familia
時期◼️1883- ? ガウディ31- 73歳
場所◼️ マリョルカ通り401 Carrer de Mallorca, 401, 08013 Barcelona
現在◼️建設中
カトリック教会建築にはいくつかの決まりがあのですが、一見独創的なフォルムを持つサグラダファミリアもその決まりを踏襲しています。ガウディの構想ではサグラダファミリアの基本プランは五身廊、三袖廊のラテン十字平面を構成するバシリカ形式の聖堂となる予定で、中央身廊と後陣含めて全長95m、全幅45mの大きさ。
そして大小合わせ18の塔(放物線形ドーム)が林立する壮大な聖堂となる予定。
中央にはキリストを象徴する170mの放物線形の塔を中心に、寄り添うように聖母マリアの塔、その周りに四福音書家の名前の四本の塔が取り巻き、更にその外側を三つのファサードが囲む。
■誕生のファサード(東、日が昇る側、キリスト誕生の祝福を表す 最初に建設)
■受難のファサード(西、日が沈む側、処刑の悲しみを表す ほぼ完成)
■栄光のファサード(南側、キリストの昇天を表す 未着工)
誕生のファサード
誕生のファサードには鍾乳洞のようなアーチの中にキリスト誕生の場面を伝える様々な彫刻があふれています。その中央に聖家族が。
サグラダファミリアは日本人が主任彫刻家を勤めています。単身スペインに渡り1978年からサグラダファミリアに携わり、現在までガウディの意思をたどって建設を続けている人。この生誕の門には、外尾悦郎さんが出がけた彫刻がたくさん置かれている。
サグラダファミリアにはカタルーニャの自然がそのまま表現されています。後陣の塔の先には成長する植物が表現されているたり、そのほかにもサグラダファミリアには有りとあらゆる所にカタルーニャの動植物が彫刻されています。
例えば、サグラダファミリア誕生のファサードの中央の柱を支える亀。
例えば、ファサードの稜線を伝ったトカゲ。
その他聖堂にはカタツムリ、蛇など探し出すときりがないほどいろいろな生物がいます。
そして、誕生のファサード中央の白い鳩がとまる樹。
その樹の付け根の部分は蛙の足にも見える。破砕タイルで覆われたその形はとても生々しい。
よく見ると木の幹の部分は石ではなく本物の樹のようにも見える。実際ここに木を使うことはないだろうけど。
ガウディの凄さはサグラダファミリアの全体の独創的なフォルムと共に緻密で詳細な装飾から伝わってきます。キリスト教会は石の聖書と言われるように、文盲の人々にも聖書を理解できるように作られる。なのでサグラダファミリアにも聖家族の物語がたくさんの彫刻で語られています。そして、カタルーニャの動植物がいたるところに散りばめられることが、この建築の個性は別次元のものとなって、単なる教会でなくカタルーニャの、バルセロナの象徴になったのでした。
サグラダファミリアで日本人彫刻家が活躍しているということはそれだけで、日本人としてとても誇りに思えます。設計図が残されていないサグラダファミリアでガウディの考えを少ない手がかりから再現していく。途方もない作業だけど、この手法を続けることは、これからのサグラダファミリアをガウディのオリジナルに近づけるための大切な手続きなのだと思う。
サグラダファミリアの主任彫刻家 外尾悦郎氏の著作
外尾悦郎、ガウディに挑む 解き明かされる「生誕の門」の謎 (NHK出版新書)
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