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旅行の記憶と何気ない日常を

シテ島 ノートル=ダム寺院 1 外観

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パリのノートル=ダム(Notre-Dame de Paris)

時期◼️1163-1345  

場所◼️ 6 Parvis Notre-Dame - Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス

 

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ファサード

正面(西側)ファサードは、地上から見ると、3つの門があり、その上に諸王の階があり、聖母子を抱く「西のバラ窓」の階があり、列柱の階と続き、その上に象徴的な高さ69mの2つの鐘楼と続きます。

全体的に水平と垂直の線を黄金比を用いたバランスで区画わけされているので、とても整った印象を与えます。バラ窓、尖塔アーチ、空間の抜きが、交差する直線の中にバランスよく配置されていてとても心地良い。

 

 

 

■横顔

これは南側のセーヌの対岸から眺めたノートル=ダム。

南のバラ窓を中心に左側(ファサード側)と右側(後陣側)で構造が違うのが分かります。

 

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 ファサード寄りの側面は側廊と呼ばれる、多くの人を収容するための天井の高い内部構造となっているため、それを支える壁も高く分厚く強度を保つための構造となっています。

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 一方で、バラ窓をすぎたあたりからは、中央部は祭壇がある空間となっており、その空間が強調されるように上部が絞られるような空間構成になっている。ので、外から見ると中央部だけが高く、それを支えるように「飛梁」と呼ばれる外部構造があります。空を突くような無数の尖塔と、この「飛梁」がゴシック建築の外観の最大の特徴だと思います。

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■後ろ姿

 ノートル=ダムを後ろ(東側)から眺めます。ゴシック建築特有の飛梁構造の魅力が満開です。

最初、正面ファサードの表情とは全く違う姿になってることに、なんだか教会の2面性みたいな物を感じてしまい最初はとても戸惑いました。でも、これこそがパリのノートル=ダムなのです。

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■石の聖書

パリのノートル=ダムに限らず、ゴシックの聖堂は「石の聖書」といわれます。
彫像やレリーフ、内部のステンドグラスが聖書にまつわる物語や聖人を刻んでいるので、文盲の人でも聖書を理解することができるようになっているのです。

「諸王の階」にはたくさんの彫像が並んでいますが、これは旧約聖書ダビデ王以来のキリストの先祖たち。その上に旧約聖書の世界を包み込むように、聖母子像が立ち、その後ろのバラ窓のフォルムは光輪のような表現になっている。

中央の門は「最後の審判の門」、左が「聖母マリアの門」、右が「聖アンナの門」です。

それぞれ意味があり彫像も構成も違ったものになっています。

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最後の審判の門(3つの門の中央)

 世界の終わりに全ての死者が蘇る。悪魔と大天使ミカエルが全ての者をその行いによって地獄行きと天国行きに割り振り、その厳しい審判をイエス・キリストが下す、というもの。そんな場面がこの門に表現されています。

ここで聖母マリアは審判を下すキリストの側で祈りを捧げ、人々への審判に慈悲を与えてくれるようとりなしてくれている。人々に寄り添う慈悲深い聖母マリア。各地にノートル=ダムという聖堂が多いのも理解できます。

後世のたくさんの芸術家たちが最後の審判を表現しましたが、僕は最後の審判と言うとミケランジェロの「最後の審判(システィーナ礼拝堂)」が真っ先に浮かびます。

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聖アンナの門(最後の審判の門の右側)

聖アンナとは聖母マリアの母で、ここには聖アンナの物語とキリスト誕生の物語が表現されています。

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 聖母マリアの門(右側)

この世の生を終えたマリアを天国でキリストが迎え、キリストからマリアへ冠を贈る場面が描かれている。

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 ■お気に入りの眺め

ノートル=ダムを外から眺めるのにお気に入りの場所が二つ。

一つは、サンミシェル橋(Pont Saint-Michel)からの眺め

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もう一つは、ここトゥールネル橋(Pont de la Tournelle)からの眺め。
静かに流れるセーヌ川に浮かぶノートルダムの姿が見事です。

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 *2019年ノートル=ダムは火災に遭い、この姿は拝めなくなってしまった。1日も早く、でも慌てず正確に下の姿を取り戻せることを祈るばかり。

 

 

cmn.hatenablog.com

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*2020編集のぼやき

以前からそもそも自分の記録ともし行ったことのない人が見たら、行ってみたくなるように作っているのだけど、以前は昔は自分で書いたメモを辿ったり、現地で買った資料をひっくり返したり、図書館行って補足したりと言う作業をして、なかなか手に入らない情報も公開しようとしたわけだけど、今ネット世界は情報の洪水。キーワードをググれば、ほぼ何でも、表も裏も関係ない詳細な情報とデジタル処理によるびっくりするくらい鮮明な画像がいとも簡単に手に入るんだよなあ。