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パリ オペラ座界隈

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オペラ座(Opera)、マドレーヌ寺院、ヴァンドーム広場を結んだ三角地帯。この界隈は宝飾店、ブティックといった「超」がつく高級専門店、デパートなどが立ち並び、シャンゼリゼと肩を並べるパリ屈指の商業地域となっています。

この界隈は19世紀、ナポレオン3世によって行われたパリ大改造によって大きく生まれ変わった地域で、由緒あるヴァンドームとパリ改造によって整備された街並み、そこに現れたオペラ座によって生まれ変わったといっても良いでしょう。

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オペラ座

メトロの駅「OPERA」を出て目の前にそびえるのが1875年に完成したパリ国立歌劇場「オペラ座」。

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オペラ座はナポレオン3世のパリ改造の目玉、第2帝政期と呼ばれる時代を代表する豪華絢爛な建物です。「パレ・ガルニエ(Palais Garnier ガルニエ宮殿)」と呼ばれるように、劇場というより宮殿というほうがふさわしいかもしれない。

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■マドレーヌ寺院

現在の建物はナポレオン1世が「皇帝の軍隊の栄光の神殿」として建築を命じて建設されたもの。1842年に完成したギリシア・ローマの神殿(コリント様式)をコピーしたような建物です。

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 1807年着工後、ナポレオンが失脚したため未完成となっていたこの神殿でしたが、カトリック教会の聖マドレーヌ(マグダラのマリア)にささげる聖堂として工事が再開され1842年に完成。十字架も鐘楼もない不思議な珍しい教会となり現在に至る。

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ヴァンドーム広場

1702年、ルイ14世の栄光を讃えるために作られたのがこのヴァンドーム広場の起源。現在ヴァンドーム広場には超高級ホテル・リッツや超高級宝飾店・ブティックなどが並び、庶民はちょっと近づきがたい広場です。
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1720年頃には四角く囲む周囲の宮殿を思わせるような建物群が完成。革命時に広場にあったルイ14世の騎馬像は破壊されてしまったけど、広場を取り囲む建物の窓の手すりにルイ14世の紋章「アポロン」がそのまま残っていることで微かに、ここがルイ14世の広場だった名残を感じることができると言います。

広場の中央にはナポレオンが1810年アウステルリッツの戦勝を記念した円柱が立っています。古代ローマの皇帝トライアヌスの戦勝記念碑を真似て作られているのですが、円柱の上にはローマ皇帝の姿をしたナポレオンが立っています。

ナポレオンの去就や他国のとの戦争、権力闘争などを背景に、ナポレオン像が外されたり、付け直されたり、円柱自体解体されたり、復活したり、19世期〜20世紀にかけてヴァンドーム広場は忙しなく世情を反映していました。

 

  オペラ座ヴァンドーム広場へ通じるこのラ・ペ通り(Rue de la Paix)には超高級宝飾・時計ブランドが立ち並びます。ヴァンドーム広場を起点に名だたるブランドがここ一体に散らばっているのです。
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王政の時代からあった王を讃える広場と、19世紀のパリ大改造で街が清潔に、洗練されて、そんな中誕生したオペラ座。この王にまつわる広場と新しく誕生した宮殿のような建物、これらを軸にして綺麗な街となったこの界隈に、由緒ある場所と需要を見込んで名だたるブランドがここに集まってきた。こうしてパリの超高級商業地域が形成されて行くことになったのでしょう。

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僕は「オペラ座」を見るのが好きなのと、ギリシアやイタリアに行っても崩れた廃墟しか見ることができない古代神殿の、コピーであっても実物に近いものを見ることができるということが、この界隈の好きなところです。

オペラ座の豪奢な佇まいとそれに負けない周囲の街並みは、ナポレオン3世のパリ改造の凄さが感じられます。対象的にヴァンドーム広場はやたら静かで整然としていて、なるほどここに名だたる著名人が留まりたくなるというのもわかる。

紀元前から歴史のあるカルチェラタンとも、6世紀頃から発展したサンジェルマン・デ・プレともレアルとも全然違うパリがまたここにあって、パリはやっぱり奥深い。

 

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