この年のパリは、親子3世代の旅行で、なかなか自分のペースで街歩きができなかったこともあって、ある朝早く一人でパリの街を闊歩することにした。
まだ薄暗いうちにサン・ドニのアパルトマンを出発、人も車も少しだけという静かな街に出ました。建物を出てすぐ、かつてパリの街の出入り口だったサン・ドニ門の方へ。
薄暗い街に赤信号のランプが綺麗に光ります。
パリの街の街灯は消えて朝を迎えるわけだけど、僕はこのパリの郊外の街並みと、この空が透けて見えるパリの街灯が好きなんですよね。
こういう路地も大好きなのだけど、この手の景色はパリの中ではモンマルトルが一番絵になると思うんですよね。でもヨーロッパでいうとやはり路地ナンバーワンはイタリアだと思う。人それぞれ好みによるけど、僕の中では。でもこの路地もかなりいけてます。
ヨーロッパの街は石畳の道が今でも多い。このごつごつ凸凹した感じが足の裏に伝わってくるのがまたたまらない。この整然と、ではないでも規則的な石の並びが絶妙というか。いつからこの形が存在するのだろう?
空が明るくなってきた。雲が朝日に輝き始めた。
街はまだ眠ったままだけど。
開店前のパン屋。照明がとてもきれいだったのでつい。
レ・アルに到着。
新しくなったレ・アル。20年前も今回もだれもいない。まあ、朝だから。
ポンピドゥセンターもここから見るとちょっと異様な佇まい。
ずいぶん明るくなってきて、街が動き出しました。
道の向こうにルーブルの建物、だと思っていたけど、違いますね。なんだろ?
僕はパリに限らず ヨーロッパの街のこのくらいの時間がとても好きなんです。なぜかというとこの時間は街が徐々に動き出して、静けさから徐々に喧騒が増していく。まだ少ない車の往来、清掃車の音が、カフェの道路側のテーブルや椅子を並べる音が、時折聞こえる街の人の声が響き、ひんやりした街の空気が肌を包む。これから1日が始まる。街全体がそういう空気になっている。そんな中を歩くのがとても心地よいのです。