シエナのドゥオモ(Duomo di Siena)はシエナでもっとも高い丘の上にたっている。それもあってシエナのくすんだオレンジ色の街にあって、白いドゥオモはとてもよく目立ちます。
マンジャの塔から眺めた時は白亜の聖堂に見えたのだけど、近くで見るドゥオモは白黒のストライプ(正確には白と深緑)。シエナの長い歴史の中で生まれた希望と不安がこの白黒の大理石に込められているといいます。
そしてドゥオモのファサードはゴシック様式の特徴を備え、無数の彫像があふれています。
ラテン十字の聖堂として1229年に着工され、15世紀末まで約200年間工事が進められました。その200年の時間を映し出すように、正面下層部はロマネスク様式、上部はゴシック様式とファサードは多彩です。ロマネスク様式の部分は三つのアーチと門、ジョバンニ・ピサーノによる彫刻群によってシエナの人々の平穏と苦悩を表現されています。
上部はジョバンニ・ディ・チェッコによる最盛期のゴシック様式。三つの見事なモザイクはヴェネツィアのカステラーニによって1877年に加えられました。
正面脇の円柱の上には、ここにも「ローマ誕生の伝説」であり「シエナ建国の伝説」でもある、ロムルスとレムスを育てる雌狼の像があります。
ドゥオモはシエナでもっとも高い丘の上に建っています。
白亜の聖堂は、くすんだオレンジ色の街にあってとてもよく目立ち、シエナのシンボルとしての役割を今に至るまで果たし続けているのです。
次は聖堂の中に入ってみます。