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シエナ 5 シエナのドゥオモ 内部

f:id:fukarinka:20211031125122j:plain白と深緑の大理石が織りなす装飾はトスカーナ地方独特のもの。

シエナのドゥオモはそれがさらに強調されているように思えます。前にも書いたように白と黒(深緑)の色はシエナの歴史の中で生まれてきた希望と苦悩だと言われています。シエナのドゥオモに代表されるトスカーナの聖堂はイタリアに数ある聖堂の中でも異彩を放つ存在です。

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床は「壁眼(象嵌)造り」と呼ばれる14~16世紀に用いられた方法で装飾され、幾何学模様や聖書の物語が見事に表現されています。

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とにかく内部装飾はすばらしく、床、壁、天井、ステンドグラスすべてに見とれてしまいます。僕が今まで訪れてきた様々な聖堂とくらべて、シエナのドゥオモの個性が最も現れるのが、天井です。

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クーポラの12角形の円蓋にも、身廊の天井にも星が表現されている。大理石の縞模様と合わさってとても不思議な空間をつくっています。

 

下は正面ファサードのステンドグラス。描かれているのは「最後の晩餐」の場面ですね。

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おまけ:

1339年からシエナのドゥオモはライバル・フィレンツェのドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)をしのぐ「世界最大の聖堂」へ改築を行うべく工事を行っていました。ところが、その直後にシエナをおそったペストの流行によってシエナは国としての勢いを失い、結局工事は中断することとなったのです。

シエナのドゥオモ広場には不自然なアーケードとやたら高く大きな壁、城壁ではなく壁があります。これらはこの時の聖堂改築工事の名残「世界最大の聖堂の壁」としてみることができるのです。

 

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