cafe mare nostrum

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パラティノの丘 フォロ・ロマーノ界隈 5

パラティノの丘(Palatinus/Palatino)

古代ローマ7つの丘の中で、神聖なカピトリウムの丘と並んで重要な丘パラティノ。ここはローマ発祥の場所とされます。

 フォロ・ロマーノの入り口あたりからはパラティノの丘は奥に緑に覆われた丘として見えます。この丘から地中海をすっぽり包む大帝国が始まったのだと思うと、今は荒涼とした廃墟でも、見える景色もまた変わってきます。

王政時代は王が住み、共和制期は元老院議員などの名門貴族が、帝政では皇帝が住んだ場所。ローマの歴史を通してこの丘の上には有力者の私邸が構えられ、帝政期には歴代皇帝の家がここに並んだ、ローマ市民の誰もが憧れる、いわばローマの超一等地なのです。

整地された平坦な丘の上の現在の姿は、かつての家々の跡が点在していました。ほとんど建物が残っておらず、フォロ・ロマーノの、廃墟ではあるけど壮大な姿とは対照的に、とても静かで控えめな印象をうけます。寂しいのだけど何かホッとする。ここはそういう場所です。きっとローマの最盛期であってもここはこんな風に、フォロ・ロマーノの喧騒とは対照的な静かな高級住宅街だったのでしょう。

パラティノの丘にはフォロ・ロマーノを見渡すことができる場所が2箇所ほどあります。その一つからフォロ・ロマーノを見下ろした時、その壮観な眺めに言葉を失いました。

アウェンティヌス(アヴェンティーノ)、カピトリヌス(カンピドリオ)、カエリウス(チェリオ)、エスクィリウス(エスクリィーノ)、パラティヌス(パラティノ)、クイリナリス(クリリナーレ)、ウィミナリス(ヴィミナーレ)の、ローマの7つの丘(Septem Montes Romae)に囲まれ、それぞれの丘に部族が暮していました。そしてその7つの丘の真ん中の窪地に丘の上から降りて人が集うようになり、公共広場が生まれ、国家としての発展と共に豪華壮麗な建物が増えていきフォロ・ロマーノが形成されました。

2千年前、ここからの眺めは一体どんなだっただろう。この街の最盛期の姿をここから眺めてみたいと思わずにはいられませんでした。

 

 

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