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旅行の記憶と何気ない日常を

シエナ9 小話〜パリオの話

f:id:fukarinka:20211030112525j:plainパリオ(Palio di Siena)の話

毎年7月と8月、このカンポ広場で「パリオ」が開催される。

パリオとはシエナの地区対抗で行われるの伝統的競馬のこと。開催日7月は聖母マリアシエナに現れたとされる7月2日、8月は聖母昇天の次の日8月16日。この二日はカンポ広場のレンガの上に砂が敷かれ、にわか競馬場に変身するのです。12世紀から開催され今に至るのですが、大2次世界大戦の1940年〜1945年の期間だけは開催できなかったそうです。

*シエナで買った絵葉書

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シエナのにわか馬場1周300mを3周して勝負が決まります。

シエナの17の地区(コントラーダ)のうち毎年出場するのは10地区。騎手は鞍も鎧も使わず、そのまま馬にまたがり、手綱だけで馬を操り、ホタテ貝型のいびつな競馬場の急カーブを乗り切らねばなりません。また、相手に対する妨害OKの何でもありのルール。おまけにもし、騎手が振り落とされても、馬だけがゴールすればそれでも勝ちという実に剛胆なレース。

これが800年続きいてきたシエナパリオです。

この模様はヨーロッパ中に放送され、シエナ市民だけでなくヨーロッパ中が熱狂するのだとか。

上の絵葉書は馬場の内側に人がぎゅうぎゅう詰まっているけど、内側の人は馬の走る姿なんて全然見えないだろうに。。。でもその場にいるっていうだけで良いのだろう。。。

 

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Merry Christmas!

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ちょっと遅れましたが。。。。今年はほとんどクリスマス気分を味わえず。

でも子供たちが書いてくれた「サンタへの手紙」が少しほんわかした気持ちにしてくれました。

世界中に良いクリスマスが訪れますように。そして奇跡があちこちで起こりますように。

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シエナ8 風景〜街を切り取る

f:id:fukarinka:20211103151918j:plain誇り高き美しい古都シエナを切り取ります



カンポ広場のマンジャの塔を見上げる

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太陽を背にして聳えるマンジャの塔

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プッブリコ宮殿の中庭から空を見上げる。箱庭ならぬ箱空。

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シエナのドゥオモから白い筋が空に走る

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街角の何気ない街灯。

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シエナの街は近隣のトスカーナの街とはまた違った表情を見せてくれました。

シエナが誇り高き街であることはこの風景と無縁ではないのです。

 

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シエナ6 風景〜路地とマンジャの塔

f:id:fukarinka:20211103151918j:plainシエナの風景。路地から顔を出すマンジャの塔を。

カンポ広場のマンジャの塔を中心にしていくつもの路地が放射状に配置されています。なので、カンポ広場周辺を歩いていると、いろいろな角度からマンジャの塔のあのひょろっと高い姿を路地の先に垣間見ることになるのです。

塔に向かって右の路地から、この細い路地から細い塔が見えます。こちらの路地の寂しさとカンポ広場の賑わいのコントラストによって、いい味が出ています。

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こちらマンジャの塔左側の路地。比較的ひろい路地で両脇の建物もすこし豪華。この景色はすこしフィレンツェを思わせるところあります。

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直接つながる路地ではないけど、シエナを歩いていると時々あのノッポな塔の鐘撞堂が顔を出すのです。

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カンポ広場に一番ドラマチックにつながる道。

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カンポ広場とマンジャの塔。一番輝いていたシエナを今に伝える、優しい風景。

 

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シエナ7 風景〜カンポ広場の子供たち

f:id:fukarinka:20211103151918j:plainカンポ広場は優しい。誰にでも、老若男女に優しい広場。

緩やかな傾斜を持った柔らかな煉瓦の床は子供達にも優しい。

 

同じ何かに釘付け。

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今後の人生について相談中。

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拝啓、孤独について

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ちっちゃな子がハイハイの特訓中。

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見慣れない東洋人を見つけて愛想振りまきながらこっちに爆進中。

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この子は僕のところに届く前に、ママに抱えられて行ってしまいました。

子供が自由に過ごせる広場。とても心地よいです。

 

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シエナ 5 シエナのドゥオモ 内部

f:id:fukarinka:20211031125122j:plain白と深緑の大理石が織りなす装飾はトスカーナ地方独特のもの。

シエナのドゥオモはそれがさらに強調されているように思えます。前にも書いたように白と黒(深緑)の色はシエナの歴史の中で生まれてきた希望と苦悩だと言われています。シエナのドゥオモに代表されるトスカーナの聖堂はイタリアに数ある聖堂の中でも異彩を放つ存在です。

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床は「壁眼(象嵌)造り」と呼ばれる14~16世紀に用いられた方法で装飾され、幾何学模様や聖書の物語が見事に表現されています。

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とにかく内部装飾はすばらしく、床、壁、天井、ステンドグラスすべてに見とれてしまいます。僕が今まで訪れてきた様々な聖堂とくらべて、シエナのドゥオモの個性が最も現れるのが、天井です。

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クーポラの12角形の円蓋にも、身廊の天井にも星が表現されている。大理石の縞模様と合わさってとても不思議な空間をつくっています。

 

下は正面ファサードのステンドグラス。描かれているのは「最後の晩餐」の場面ですね。

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おまけ:

1339年からシエナのドゥオモはライバル・フィレンツェのドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)をしのぐ「世界最大の聖堂」へ改築を行うべく工事を行っていました。ところが、その直後にシエナをおそったペストの流行によってシエナは国としての勢いを失い、結局工事は中断することとなったのです。

シエナのドゥオモ広場には不自然なアーケードとやたら高く大きな壁、城壁ではなく壁があります。これらはこの時の聖堂改築工事の名残「世界最大の聖堂の壁」としてみることができるのです。

 

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シエナ 4 シエナのドゥオモ

f:id:fukarinka:20211031125122j:plainシエナのドゥオモ(Duomo di Siena)はシエナでもっとも高い丘の上にたっている。それもあってシエナのくすんだオレンジ色の街にあって、白いドゥオモはとてもよく目立ちます。

マンジャの塔から眺めた時は白亜の聖堂に見えたのだけど、近くで見るドゥオモは白黒のストライプ(正確には白と深緑)。シエナの長い歴史の中で生まれた希望と不安がこの白黒の大理石に込められているといいます。

そしてドゥオモのファサードゴシック様式の特徴を備え、無数の彫像があふれています。

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ラテン十字の聖堂として1229年に着工され、15世紀末まで約200年間工事が進められました。その200年の時間を映し出すように、正面下層部はロマネスク様式、上部はゴシック様式ファサードは多彩です。ロマネスク様式の部分は三つのアーチと門、ジョバンニ・ピサーノによる彫刻群によってシエナの人々の平穏と苦悩を表現されています。

上部はジョバンニ・ディ・チェッコによる最盛期のゴシック様式。三つの見事なモザイクはヴェネツィアのカステラーニによって1877年に加えられました。

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正面脇の円柱の上には、ここにも「ローマ誕生の伝説」であり「シエナ建国の伝説」でもある、ロムルスとレムスを育てる雌狼の像があります。

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ドゥオモはシエナでもっとも高い丘の上に建っています。

白亜の聖堂は、くすんだオレンジ色の街にあってとてもよく目立ち、シエナのシンボルとしての役割を今に至るまで果たし続けているのです。

 

次は聖堂の中に入ってみます。

 

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