cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

世界遺産

パンテオン3 その構造

ローマ帝政初期に誕生し、やがてキリスト教と共にあったことで2千年の時を生き抜いたパンテオンは、古代ローマの技術の高さを今でも世界に伝え続けています。今回はパンテオンの構造について綴ります。 パンテオンの内部空間は 直径43.3m、高さ43.3mの広…

パンテオン2 宮大工の心意気

パンテオンの正面にはラテン語の碑文があります。 M·AGRIPPA·L·F·COS·TERTIVM·FECIT 意味は「ルキウスの息子マルクス・アグリッパが3度目の執政官のときに建てた」であり、パンテオンにはアグリッパがパンテオンを建てたことが大きく刻まれているのです。し…

パンテオン1 全ての神々に捧げる神殿の中へ

パンテオンはローマ帝政初期に誕生し、その形をほぼそのまま維持している貴重な建物です。古代ローマの遺跡はほぼどれも半壊または全壊のような状態であることを考えると奇跡ともいえなくもない。コロッセオでも触れたように、本来ローマンコンクリートを使…

パンテオン0 二千年の時を超える

ローマの石畳の道を行くと、その先に神殿のファサードが現れました。太陽の光を反射する石畳のその向こう、何やらギリシアの神殿のような建物が目に飛び込んできます。二千年形を変えることなくこの場所にあり続ける建物「パンテオン (Pantheon)」です。いま…

コロッセオ4 その材料

72年にヴェスパシアヌス帝によって始められたコロッセオの建設工事は、その長男ティトゥス帝に継承され、80年にほぼ完成し落成式が行われました。その後、次男ドミティアヌス帝が行った工事は最上層の座席の整備と、天幕システムなので、実質的にコロッセオ…

コロッセオ3 その構造

2000年前のローマ市民になったつもりでコロッセオの中に入ります。 とはいえ、2000年の時の流れは想像力では隠しきれず、かつてはピカピカだったであろう壁面はすっかり風化して、通路にはどこに使われていたのかもわからない石材が無造作に転がる、なかなか…

コロッセオ2 そのデザイン

コロッセオを実際に間近でみると、その巨大さの割に重々しさや野暮ったさが感じられません。あれだけ見上げるような巨大な建物であっても、見た目の印象は重厚というよりむしろ軽やかですらあります。 ◾️デザインの妙 その理由は大きく2つに分かれる(と僕は…

コロッセオ1 なぜコロッセオか

イタリア語:コロッセオ(Colosseo),ラテン語 :コロッセウム / Colosseum)。 学生時代の歴史の教科書に出てくる2000年前の、5万人を収容する円形闘技場です。などという説明など不要な、おそらく世界でもっとも有名な古代建築の一つ。古代ローマのことは知らな…

コロッセオ0 圧倒される

ある夏の暑い日、僕が初めてローマを訪れたとき、まず最初にカンピドリオの丘に登りました。麓から、美しい階段のような坂道「コルドナータ(Cordonata)」を登って、ミケランジェロがデザインした広場に入り、さらにルネサンスの建物の間を抜けた時、視界が…

コロッセオ 目次

学校で歴史の教科書に必ず載っていた古代ローマの遺跡。だれもが知っているであろう有名な遺跡は、巨大で、美しく、そしてローマの技術の粋を集めた逸品でした。コロッセオを初めて見た時の衝撃から、コロッセオにまつわる様々を綴っていきます。 cmn.hatena…

ちょっとローマ史3 リキニウス法〜共和政期

紀元前509年にエトルリア出身の王タルクィニウスを追放し共和政への舵を切ったローマでしたが、周辺諸民族との戦いや内紛など、なかなかすんなり安定運行とはなりません。アテネに調査団を送って、「十二表法」を作るも逆効果、貴族と平民の溝は深まるばかり…

真実の口 マルケルス劇場界隈4

ローマきっての観光名所となっている真実の口( Bocca della Verita)。 フォロ・ボアリオから通りを挟んだ向こう側には、かつてヘラクレスための大きな祭壇があったといいます。昔ここに出没した牛泥棒を退治したのがヘラクレスである(ということになっている…

フォロ・ボアリオ マルケルス劇場界隈3

フォロ・ボアリオ(イタリア語: Foro Boario / ラテン語: Forum Boarium) 真実の口広場に面しテヴェレ川のほとりに位置するフォロ・ボアリオ。ここには共和政ローマ時代の古い二つの小さな神殿が残された、静かで小さなフォロです。 パラティノ、カピトリーノ…

マルケルス劇場 マルケルス劇場界隈2

B.C.3世紀頃からローマで「ギリシアの演劇」が上演されるようになって、半円形劇場はギリシアにならって古代ローマの都市において、フォロ、円形闘技場、公共浴場とセットで整備される重要なインフラとなりました。 ラテン語でマルケルス劇場(Theatrum Marce…

チルコ・マッシモ マルケルス劇場界隈1

チルコ・マッシモ(イタリア語: Circo Massimo) キルクス・マクシムス(ラテン語: Circus Maximus)はフォロ・ロマーノとはパラティノの丘をはさんだ反対側にある、その名の通りローマ最大(Maximuus)の戦車競技場(Circus)でした。 王政ローマの第5代王タルクィ…

ちょっとローマ史1 王政期

Regnum Romanum「王政ローマ」と聞いて、僕は初めてそれを知った時とても「意外」な印象を持ちました。「ローマ」と聞いて一番連想するのが、多分「ローマ帝国」次に「共和制ローマ」。でも建国から約200年、ローマには王様がいたのです。そしてその王政も実…

ローマ小話 折衷の粋

ローマを歩いていくと、ところどころでちょっと不思議な建物に出逢います。初めて目にしたあれは、今ではもう、どこの何かもわからない。歩きながらふと道端の建物に目をやると、外壁がなんだか不自然に凹んでることに気づきました。少しずつ視線を下の方に…

V,エマニュエレ2世記念堂 〜フォロ・ロマーノ界隈8

V,エマニュエレ2世記念堂 / Monuumento a Vittoriano Emanuele Ⅱ フォリ・インペリアリ通りの北の果てに、ヴェネツィア広場があります。そこには白亜の巨大な建物が聳えています。 これは1885年のイタリア統一を祝し、その立役者となったヴィットリオ・エマ…

フォリ・インペリアリ通り 〜フォロ・ロマーノ界隈7

フォリインペリアリ通り(Via dei Fori Imperiali) フォリ・インペリアリ通りはヴェネツィア広場からコロッセオまで延びる大通りです。「フォリ・インペリアリ」とは「皇帝たちのフォロ」。その名のとおり、通りをはさんだ一帯はローマの皇帝たちが築いた多く…

皇帝たちのフォロ 〜フォロ・ロマーノ界隈6

「フォロ(イタリア語)」とはラテン語で「FORUM(フォルム )」となり、神殿や市場、図書館など様々な公共施設が集まる公共広場のことを指します。古代ローマでは街の大小に関わらずどこに行ってもフォロ(フォーラム)は存在して、沢山の公共施設が建ち並びま…

フォロ・ロマーノ 風景

フォロ・ロマーノの風景 ローマの景色はそれだけでも絵になりますが、カメラのファインダーから伝わってくる、長い長い歴史の深さは写す風景を一層深いものに仕上げてくれます。そんな気がします。 コロッセオからフォロ・ロマーノを眺める夫婦。 神殿の名残…

ローマ小話 ローマ建国の物語

紀元前753年4月21日、ローマが誕生しました(ということになっています)。 ローマ人のルーツはトロイの木馬の物語で知られるトロイア人(とローマ人が言っています)。あの有名な「トロイの木馬」として現代に伝わる物語がローマの始まり(ということになってい…

パラティノの丘 フォロ・ロマーノ界隈 5

パラティノの丘(Palatinus/Palatino) 古代ローマ7つの丘の中で、神聖なカピトリウムの丘と並んで重要な丘パラティノ。ここはローマ発祥の場所とされます。 フォロ・ロマーノの入り口あたりからはパラティノの丘は奥に緑に覆われた丘として見えます。この丘か…

フォロ・ロマーノ 神殿 フォロ・ロマーノ界隈4

フォロ・ロマーノにはたくさんの神殿や公共建造物があります。神殿やその他公共施設の円柱や基壇が残るほか、地面には円柱の一部や、柱頭、梁など実に様々な構造物が転がっています。ほとんどが原型をとどめておらず、今でもわずかに残る神殿の円柱が、無造…

フォロ・ロマーノ 聖なる道と凱旋門〜フォロ・ロマーノ界隈3

ローマの街でよく耳にする「フォロ」はラテン語で「フォルム(Forum)」と言い「公共広場」を意味します。そしてForumは「フォーラム」として現代日本でもよく使われる言葉です。ということでフォロ・ロマーノとは「ローマ市民の公共広場」を指すのです。 下は…

フォロ・ロマーノ 外縁 〜フォロ・ロマーノ界隈2

フォロ・ロマーノ/ Foro Romano カンピドリオ広場を抜けて、突然開けた視界に飛び込んできた僕がはじめて見たフォロ・ロマーノの姿。ローマ帝国の中心部、世界の首都(Caput Mundi)の姿です。 「レンガの街を受け継ぎ、大理石の街として残す」 初代皇帝アウグ…

カンピドリオの丘 〜フォロ・ロマーノ界隈1

カンピドリオ(カピトリーノ)の丘 (Monte Campidoglio / Capitorino)は僕がローマで最初に訪れた場所です。当時郊外のホテルから無料送迎バスに乗って最初に降りたのがカンピドリオ広場の下。ここから丘の頂上に向かう美しい階段のような坂道、コルドナータ(…

ローマ小話 ローマへ

アリタリア航空でミラノを経由してローマにはいると、フィウミチーノ空港に到着するのは夜の8時頃。そこから入国手続きをしてから電車でローマのテルミニ駅へ向かうともう外は真っ暗です。 空港からローマ市街の中心まで約30分ほどの電車の旅になるのだけど…

ちょっとローマ史 目次

もしローマの歴史を深く知りたいと思えば、たくさんの本とインターネットの世界がその欲求を十分かなえてくれるでしょう。現代人が書いた本、ルネサンス期のイタリア人が書いた本、そして古代ローマ人が自分の国について書いた本。いろいろな時代のいろいろ…

ヴァチカン界隈 目次

世界最小の国家ヴァチカン市国。東京ディズニーランドより狭いこの不思議な国の生い立ちはなんなのか。 テヴェレ川が屈曲するこの一帯には、かつてネロ帝の庭園やカリグラ帝の競技場、そしてコンスタンティヌス帝の霊廟がありました。しかし今ではこのあたり…