cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

小話

ローマ小話 朝のローマ散歩

ミラノ経由の飛行機でローマ入りした時、ローマのホテルに到着したのは夜の10時頃。この年は雨と雷と時差ボケとローマについた期待感と興奮でなかなか眠れず、その夜は一睡もできませんでした。 ずーっと続いていた雷と雨音の轟音が徐々に収まってきて、静け…

古代ローマ小話 奴隷の話

タイトルはとても後ろ向きですが、内容はそうでもないのでご安心ください。 「奴隷」という言葉を見ると、アフリカから強制的に拉致されて、ひどい環境で生活しながら強制的に労働させられる人々をイメージします。「奴隷」という言葉には良いイメージはあり…

ローマ小話 紀元前100年

マリウスとスッラが台頭したこの時期、紀元前100年7月13日に、ローマの未来、そして現代に、特にヨーロッパ世界の運命に大きく関わる人物が誕生します。 ガイウス・ユリウス・カエサル(Gaius Iulius Caesar B.C. 100 - B.C.44) カエサルは、たどればローマ建…

ローマ小話 ハンニバルとスキピオ

寛容を旨とするローマ人が唯一完膚無きまで叩き潰した国があります。当時強大な経済大国として地中海に君臨したカルタゴ(現在のチュニジア)です。 歴史上ポエニ戦役と言われるローマとカルタゴの戦争では先の2度の戦役でローマがカルタゴに勝ち、講和を結ん…

ローマ小話 S.P.Q.R.

現在のローマの街を歩くと、あちらこちらで目にする「S.P.Q.R」の文字。何かのお知らせのチラシの最初に、看板の頭に、街灯に、マンホールの蓋に、そして古代ローマの遺跡に、このS.P.Q.R.の文字が並びます。 S.P.Q.R.とはラテン語で”Senatus Populus Que Ro…

ローマ小話 ローマ人とは

多民族、多宗教、多文化をとりこみ1000年ものあいだ地中海世界を治め、いまだに多くの人々の興味を集めるローマ。そのローマを作り上げたローマ人とは一体どんな人々だったのだろうか? 僕の人生の指南書といえる「ローマ人の物語」第一巻の冒頭、著者である…

ローマ小話 折衷の粋

ローマを歩いていくと、ところどころでちょっと不思議な建物に出逢います。初めて目にしたあれは、今ではもう、どこの何かもわからない。歩きながらふと道端の建物に目をやると、外壁がなんだか不自然に凹んでることに気づきました。少しずつ視線を下の方に…

ローマ小話 ローマ建国の物語

紀元前753年4月21日、ローマが誕生しました(ということになっています)。 ローマ人のルーツはトロイの木馬の物語で知られるトロイア人(とローマ人が言っています)。あの有名な「トロイの木馬」として現代に伝わる物語がローマの始まり(ということになってい…

ローマ小話 ローマへ

アリタリア航空でミラノを経由してローマにはいると、フィウミチーノ空港に到着するのは夜の8時頃。そこから入国手続きをしてから電車でローマのテルミニ駅へ向かうともう外は真っ暗です。 空港からローマ市街の中心まで約30分ほどの電車の旅になるのだけど…

ローマ小話 初めての古代のコイン

随分前のことになりますが、ゴールデンウィークに豪勢な長期休暇をとってヨーロッパに旅行に行く友達に、ちょっとお願い事をしてみました。「古代ローマのコインを買ってきて」と。 当時聞いた話では「古代ローマのコインは遺跡からザックザック出てくるので…

小話 ユリウス・カエサル

これから"cafe mare nostrum"は「ローマ」へ進んでいくのだけど、そこで触れたい人物がいます。それは、 ユリウス・カエサル(Gaius Iulius Caesar)。 古代ローマ(ヨーロッパ世界)の英雄であると同時に、歴史的にも地勢的にも広く長く人類史に影響を及ぼし…

小話 地中海について

僕は「地中海」という場所そのものと、その言葉の響きがとても、たまらなく好きなのです。 日本語でいう「地中海」を表す各国語は "Mediterranean Sea(英語)" "Mar Mediterraneo(イタリア語)" "Mer Méditerranée(フランス語)" "Μεσόγειος Θάλασσα(ギリシア語…

オルヴィエト小話 雨と光と

この日は朝から雨が降ったりやんだりでした。それもかなりの大粒の雨がザーっと降ったかと思うと、スカッと日が差す。 傘を差すとまもなく雨が過ぎ、たたむとすぐに次の雨が落ちる、それを何度も繰り返すとても気まぐれ空でした。僕はこの日一日、雨と傘と格…

小話 もう一つの5月4日 

今日5月4日はオードリーヘプバーンの誕生日。 1929年5月4日にベルギーのブリュッセルで生まれたオードリーは子供の頃に第二次世界大戦で凄惨な戦争体験をしています。ナチスドイツに街が占領され、地下に隠れて殺戮の恐怖と飢えと戦い、目の前で友達がなくな…

小話 5月4日

May the force be with you. 5月4日は"May the Fourth"にからんでスターウォーズの日とされています。スターウォーズといえば善と悪、光と闇の間で葛藤しながら銀河宇宙の平和のために戦ったスカイウォーカー一族の物語。僕は子供の時1作目から全てリアルタ…

イタリア小話 長い時間

もう随分前のことになりますが、初めてイタリアを旅行したときのこと。 ローマの街やミラノの大聖堂、素朴な小さな街と初めてのイタリアに感銘受けつつ、僕もまだ10代だったこともあってか「イタリア人のいい加減さったら酷い」と辟易したことをよく覚えてい…

フィレンツェ小話 普通の日

昨夜ゆったりと贅沢に夜を過ごして、この年フィレンツェはこのまま綺麗に終わる予定でした。でも昼前にヴェネツィアへの列車が出発するまでの時間、ひさしぶりに明るいフィレンツェを散策することにしたのです。今回滞在中は早朝と夜以外は別の街で過ごして…

フィレンツェ小話 最後の夜

僕にとってこの年のフィレンツェ最後の夜は、これといって特別な出来事があったわけではなく、淡々と、しかしとても贅沢に過ぎていきました。自由気ままにすごしたあの時間をのんびりつづります。 ☆ 最後の夜の始まり ☆ その日、朝から一日シエナを歩きまわ…

フィレンツェ小話 ルネサンスの黄昏

長い歴史の中では、ある時期ある場所に「天才」と呼ばれる人々が集中的に現れることがあります。紀元前5世紀のアテネ、15世紀のフィレンツェがそれにあたります。紀元前1世紀のローマもそうかもしれません。 アテネでは「天才政治家」ペリクレスの治世に未…

フィレンツェとメディチ家

フィレンツェの歴史はほぼメディチ家の歴史。三百年にわたるメディチ家の栄枯盛衰を、傑出した人物と一緒に簡単に。 メディチ家は古くからの名門一族ではありませんでした。 13世紀に毛織物業が発展して貿易が盛んになったころ、金融業が急激に発展しました…

フィレンツェとラファエロ

37歳で他界したラファエロはルネサンスの3大巨匠と言われるレオナルドやミケランジェロと比べて、若くとても短命でした。その短い生涯の中でフィレンツェで過ごした時間もまた短かった。でも、その短い間におそらく一生分の財産を手に入れた、ラファエロに…

フィレンツェとミケランジェロ

Firenze e Michelangelo Buonalotti 「神のごとき」ミケランジェロ ローマ、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造」を描きあげたあと、人々は彼のことをこう賞賛しました。その「神のごとき」手から数多くの彫刻、絵画、建築を世に残し、レオナ…

フィレンツェとレオナルド

"Uomo universale" 「万能の人」 人々は彼のことをこう呼びました。天文学、地質学、光学、力学、解剖学、数学、土木建築を極め、後世の様々な分野に影響を及ぼした「万能の人」はここフィレンツェで生まれ育ちました。 生涯のうち29歳までをフィレンツェで…

フィレンツェ小話 ルネサンスのはじまり

ルネサンス(Renaissance)。 学校の歴史の授業では「文芸復興」と言葉だけ教えられた。教科書に載っていたボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」がかすかに記憶にあるだけでその意味するところはまったく記憶に残っていない。 大人になって実際にイタリアを旅…

フィレンツェ小話 天国の門と地獄の門

フィレンツェのサン・ジョバンニ洗礼堂の東の扉にあるのは1492年完成のロレンツォ・ギベルティ(Lorenzo Ghiberti 1378-1455)による初期ルネサンスの傑作。以降のミケランジェロ初め以降の芸術家にたくさんのインスピレーションを与えてきました。 この扉は…

フィレンツェ小話 レオナルドとS.M.N.

レオナルドは「モナリザ」をここサンタ・マリア・ノヴェッラの法皇の間で描き始めます。後に人類の至宝と呼ばれる「モナリザ」が、なぜここサンタ・マリア・ノヴェッラで描かれることになったのか、モナリザ誕生の舞台を辿ってみます。 法皇の間 1431年にロ…

欧州列車の小話 フィレンツェへ

初めてのフィレンツェへはローマから電車利用しました。 ローマのテルミに駅からフィレンツェS.M.N.駅まで約1時間40分の距離です。 このフィレンツェの「S.M.N.」ってなんだよと思いながら列車に乗り込みガラガラのコンパートメントに入る。朝早かったのも…

シエナ10 小史

トスカーナのこの一帯はどこの街もほぼエトルリア人の集落が起源といえるようです。シエナも同じでやはり最初にこの場所に集落を開き、街に発展させていったのはエトルリア人であることは、どうも間違いない。でも、古代エジプトやギリシア、ローマの人々と…

シエナ9 小話〜パリオの話

パリオ(Palio di Siena)の話 毎年7月と8月、このカンポ広場で「パリオ」が開催される。 パリオとはシエナの地区対抗で行われるの伝統的競馬のこと。開催日7月は聖母マリアがシエナに現れたとされる7月2日、8月は聖母昇天の次の日8月16日。この二日はカンポ…

ピサ小話 気持ちはわかるけど

Capisco i tuoi sentimenti, però.... この奇跡の広場には、奇跡の斜塔を見るために国籍年齢問わず大勢の人が来る。大抵の人は節度を持って奇跡の広場保護のためのルールは守るのですが、中にはそのルールを無視する人たちがいるのです。 この広場の特徴の一…