cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

美術館

小話 新宿のゴッホ再会

「SNSでの拡散を期待して館内撮影を許可する美術館が増えた」とニュースで知りました。ふと思い返せば、僕がヨーロッパによく出かけていた頃から大英博物館もルーブルもオルセーも名だたるほとんどの美術館で、作品に悪影響を与えない限り(フラッシュとか)撮…

ヴァチカン美術館7 荒野の聖ヒエロニムス

ミケランジェロやラファエロのような華々しく圧倒的で、そして神々しい作品たちとは一線を画すようにレオナルドの作品はありました。ヴァチカン美術館の「荒野の聖ヒエロニムス」はピナコテーカの一室にガラスケースに守られながらひっそりと展示されていま…

ローマ小話 ローマの商魂

今日は朝から雨で、こんな日にはあの時のローマの街でみた土産物売りを思い出します。 ☆ みやげ物売り ☆ イタリアに限らず観光地と呼ばれる場所には多くの土産物屋があります。日本では大抵の場合、土産物のお店を思い浮かべますが、海外ではいわゆる店舗の…

ヴァチカン美術館6 システィーナ礼拝堂の修復

僕が1998年にシスティーナ礼拝堂を訪れたときはすでにミケランジェロの天井画、祭壇画は共に修復がおわっていて、ミケランジェロの神の如き仕事を見ることができました。でも、システィーナ礼拝堂にミケランジェロがこの作品を生み出してから約500年、礼拝堂…

ヴァチカン美術館5 最後の審判

祭壇画「最後の審判」 そして天地創造が生まれて30年後、61歳の老齢となったミケランジェロが絵筆を奮い描ききったのが、システィーナ礼拝堂の祭壇画「最後の審判」です。 最後の審判(1536~41年) 「最後の審判」の主題は新約聖書の「マタイの福音書」や「…

ヴァチカン美術館4 天地創造

システィーナ礼拝堂のこの小さいはずの空間はミケランジェロのフレスコ画によって無限の広がりが与えられた。ここに入ると、時間も、首が痛いのもわすれ、ミケランジェロが描いた世界に飲み込まれてしまう。そして、あとになって驚くのだ。あのすべては「ミ…

ヴァチカン美術館3 システィーナ礼拝堂

Cappella Sistina / システィーナ礼拝堂 教皇専用の祈りの場所として、またコンクラーヴェと呼ばれる次期教皇を選出する神儀が行われる場所として、システィーナ礼拝堂は神聖なヴァチカンの中でもさらに神聖な場所です。1470年頃、教皇シクストゥス4世(シス…

ヴァチカン美術館2 ラファエロの間

Stanze di Raffaello / ラファエロの間 ローマ教皇ユリウス2世により、教皇の4つの居室の壁画を描くことを依頼されたのは1509年、ラファエロが25歳のときでした。「コンスタンティヌスの間」「ヘリオドロスの間」「署名の間」「ボルゴ火災の間」の4つの空…

ヴァチカン美術館1

Musei Vaticani / バチカン美術館 歴代ローマ教皇のコレクションやバチカン宮殿やキリスト教関連施設に時代の巨匠たちに描かせた壁画など、ヴァチカン宮殿に散らばった作品を24の美術館として一般に公開し、それらを総称して「ヴァチカン美術館」と呼びます…

小話 感覚する構造 後期

先日仕事を早めに切り上げて、近所の寺田倉庫でやってる企画展「感覚する構造展 後期 法隆寺から宇宙まで」をみてきました。今年1月にみた「感覚する構造展」の続編です。 最初に高さ4m近い法隆寺の構造再現模型がどーんと迎えてくれます。 その向こうに奈…

小話 無言館

3月10日は僕の父の命日。今年はそれが日曜日だったこともあり、母と二人でお墓参りに、父母の実家のある長野県上田市へ行ってきました。コロナが終わり、人の移動が以前のように戻ってきたこともあって、移動の新幹線にはたくさんの旅行者が乗っていました。…

小話 感覚する構造展

仕事が一区切りしたので、近所の美術館(寺田倉庫)で前から見たかった企画展を見に行ってきました(先日のゴッホとほぼ同じ場所で以前、建築模型展を見に来たエリア)。 その名も「感覚する構造」。 あまり興味のない人には何を言ってるやらわからないと思い…

小話 Van Gogh Alive(ゴッホ展)

僕の会社は天王洲、寺田倉庫(美術館)から歩いて5分。寺田倉庫は以前は「スターウォーズ模型展」や「ジブリ展」といったメジャーどころから、「建築模型展」というとても渋い展覧会など、とても僕の好みにマッチした企画展を提供してくれます。この日は昼食…

建築模型ー美術展小話

実は昨日、こんな展覧会を見てきました。天王洲の寺田倉庫WHAT MUSEUMでやってるのは知っていたのですが、忙しくてなかなか行けず、もうこの週末で会期終了。今年の春から職場が寺田倉庫まで歩いて8分の距離にあるため、最後のチャンス、先週末に思い切って…

フィレンツェ12 ピッティ宮殿とパラティナ絵画館

ピッティ宮殿とピッティ美術館、別名パラティナ絵画館 / Galleria Palatina メディチ家に対抗したピッティ家の大宮殿として1457年に着工。最初の建築家はブルネレスキでした。しかしメディチ家を意識しすぎてピッティ家は破産してしまいます。宮殿完成を待た…

フィレンツェ8 ウフィツィ美術館

ウフィツィ美術館 (Galleria degli Uffizi) 1559年、ここはトスカーナ大公国の事務所(オフィス=Uffizi)としてヴァザーリにより建設されました。コジモ1世はこの事務所にトスカーナ大公国の行政機関を全て集めるつもりだったようです。 1581年、コジモ1世…

ミラノ 最後の晩餐(サンタ・マリア・デッレグラツィエ教会)

最後の晩餐(L'Ultima Cena)はキリスト教の中でもとても重要な出来事として、古くからたくさんの「絵」がイコンや芸術作品として残されています。レオナルド以外にも、たくさんの著名な画家たちがこの「キリスト処刑前夜に弟子たちと供した夕食」の場面を描い…

ミラノ スフォルツェスコ城

ミラノの長い変化の歴史で何度も破壊と撤去の危機に遭いながら、奇跡的にその姿を現在に伝えることができた建物で、非宗教建築の中でもっとも貴重なものがこのスフォルツェスコ城です。「混沌のミラノ」その地勢ゆえに歴史に翻弄されたミラノにあって、激動…

パリ小話 オルセー閉館間際の至福

僕は2018年に約20年ぶりにオルセーを訪ねた。そんな20年ぶりに行ったので、ゆっくりじっくりとオルセーを堪能したかったのだけど、その時はなんと入場受付締め切り直前、僕たちの後ろ一組が「本日最後の入場者」という状態でした。 「近年のパリは」、「この…

パリ小話 オルセーとゴッホ

ゴッホは一般的に後期印象派に分類されます。でも僕は昔からゴッホの絵を見るたびに思うことがありました。 この人を後期「印象派」という名前でくくるのは適切なのだろうか、と。。 確かに2年ほどのパリ時代にゴッホは印象派の画家たちと過ごして、彼らから…

パリ小話 オルセーとルノワール

印象派の画家で、僕の中でもっとも早くブレイクした画家、ピエール・オーギュスト・ルノアール(1841-1919)。 光と空気の揺らぎを描いたのがモネ、自らの心のゆらぎを通して日常世界を描いたのがゴッホならば、ルノアールは「人々の幸せの空気を描いた」画家…

パリ小話 オルセーとモネと印象派

86年の生涯で2000点もの絵画を製作したモネ(Cloude Monet 1840-1926)。 印象派の歴史の中で、その名前の由来となる絵「印象、日の出(1872)」を描き、最後まで生き残り絵を描き続けたモネは印象派そのもの。 ここではオルセーにあるモネの作品を通して、モネ…

ルーブル界隈 オルセー美術館

オルセー美術館(Muse d'Orsey)パリ万博に合わせて1900年に開業したオルセー駅。駅として機能したのはわずか30年ほどでした。それから約半世紀後の1986年にその駅舎は改装され、オルセー駅はオルセー美術館として生まれ変わったのでした。 フランス美術の黄金…

目次 美術館・博物館

日本語では「美術館」と「博物館」と分けて使いますが、欧米ではMuseum、Muse、Museiといった一つの言葉をつかいます。各地の美術館・博物館を紹介したものをまとめます。 cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn…

ルーブル界隈  オランジェリー美術館

ルイ16世やマリー・アントワネットがこよなく愛したチュイルリー庭園。そのセーヌ川に面した一角に緑の木々の囲まれてひっそり建つのが、オランジュリー美術館(Musee de l'Orangerie)です。木々に隠れてうっかり通り過ぎそうになってしまうこの建物は、かつ…

ルーブル美術館10 ルーブルのレオナルド

16世紀初頭、神聖ローマ帝国との争いでイタリアに攻め込んだフランス軍が目にしたルネサンス芸術の数々。武力で攻め込んだはずのフランス人は圧倒的なイタリア・ルネサンスの芸術に触れ、虜になり、ここからイタリア絵画の収集(略奪含む)が始まることにな…

ルーブル美術館9 ルーブルのミケランジェロ

レオナルドと違い、ミケランジェロはフランスとは特に親交があった訳ではなく、ミケランジェロがフランスに何かを成した形跡はありません。そもそも生前から「神の如き」と称されたミケランジェロはバチカン、フィレンツェ、ローマを中心にイタリアの諸国で…

ルーブル美術館8 ルーブル小話〜センスを育む

ルーブルの3つの至宝のうち、サモトラケのニケは1863年にギリシアはエーゲ海のサモトラケ島で、当時のフランス領事が発見したときは118ものカケラに過ぎなかったといいます。それを持ち帰り、復元、いまのような姿となってルーブルの至宝として大切に展示さ…

空と雲と ニケのつばさ

サモトラケのニケを連想させる、風になびく翼を思わせる雲でした。 「サモトラケのニケ」 紀元前190年ころの作者不詳の作品。 ギリシアはエーゲ海のサモトラケ島で発見され、現在フランスはパリのルーブル美術館に収蔵されています。 船のへさきで風をうけな…

ルーブル美術館7 三つの至宝 ミロのヴィーナス

ルーブルの至宝 3つ目は「ミロのヴィーナス(La Vénus de Milo)」。 「アフロディーテ(Aphrodite)」がこの彫刻のルーブルにおける正式名です。「アフロディーテ」はギリシア神話の美を司る女神のことで、ローマではラテン語でVenus(ウェヌス)とよばれました…