cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

何気ない日常

小話 行ってきます

「行ってきます」「行ってくるね」「行ってくるよ」子供の頃から何気なく使っていた出かけるときに使うこの言葉。うちの子達もこう言って出かけていきます。 「行ってらっしゃい」こちらも何気なく使っていた「行ってくるね」に返すこの言葉。 それぞれ当た…

80年目の広島

今日は人類史上初めて、核兵器が使用された日。 80年前の8月6日午前8時15分、広島上空で核兵器が、実験ではなく無差別殺戮のために使用された。 爆心地付近、唯一残った構造物である原爆ドームは「広島県物産陳列館」が元々の名前でした。チェコ人の建築家に…

熊本小話 夏色

熊本も夏本番です。この日は朝早起きして、山の方へ行きました。 朝日が稲がまだ小さな田んぼのを照らします。関東の田んぼは今頃水面が見えないほど大きくなっていますが、ここはまだ田植えしたばかり。 ガードレールも街灯も電柱もない田んぼの中のこんな…

空と雲と 小さな丸窓

今日のフライトは非常扉の横の席。窓はあれど、席から少し離れているので、シートベルトしていると覗き込むこともできないし、そもそもとても小さな丸窓なので、外の景色を楽しむなど到底無理と思っていました。ところが、この丸窓から覗く小さな景色はこれ…

小話 梅雨入り

世の中梅雨に入ったらしい。梅雨に入ったってさーって話題になった頃は、確かに雨音が梅雨の音に変わってきた。梅雨の雨音というのは柔らかく優しい。僕は雨の日は雨の日で好きですし、少しくらいなら雨に濡れながら歩くのも好きです。 うちの紫陽花は今年は…

熊本小話 天草紀行5 天草瞬景

天草で切り取った瞬く景色を。。。 ここは天空の神社にて。誰かのいくつかの石積みが残されていました。 途中で出会った河童の像。ここは河童の里らしい。 崎津の集落にあった、昭和の時計屋さん。とても味がある。 これは崎津のお店で食べた、いちじく揚げ…

熊本小話 天草紀行4 ラピュタの木

崎津を後にした僕は、少しずつ寄り道しながら戻ります。 海のこんな景色が見える場所にある西平椿公園。 そこにあるアコウの木。 この木は「ラピュタの木」と呼ばれています。説明するまでもなく、宮崎駿監督による映画「天空の城 ラピュタ」の木。映画ラス…

熊本小話 天草紀行3 崎津教会と隠れキリシタンの話

最初の崎津教会は1888年に旧修道院の場所に建てられました。その最初の教会の老朽化に伴い、ハルブ神父と崎津の住民の寄付によって、1934年(昭和9年)に新しい崎津教会が現在の場所に建てられました。ハルブ神父は、キリシタン弾圧で踏み絵が行われたこの場…

熊本小話 天草紀行2 世界遺産の漁村

小さな崎津の漁村につきました。「隠れキリシタンの集落がある」くらいの予備知識で天草諸島の端っこまで来てしまいました。 「静かな漁村の中に佇む教会」の景色は、なんというのか今まで感じたことのない新鮮な感覚でした。集落の外から、もうこの景色が見…

熊本小話 天草紀行1

週末を熊本で過ごすことになり、体も頭もへとへとだったのだけど、エネルギー充填とリフレッシュのため小旅行そすることにしました。 昔から、どんなに疲れていようと知らない土地にいるとじっとしてられない質の僕は、前回の山(阿蘇山方面)に対して、今回…

小話 雨の中の涙のように

僕は落ち込んだ時や、どうにも気持ちが前向きになれない時、映画「ブレードランナー」を観ます。なんだかそういう気分のときにこの映画を見ると、なんだか落ち着くのです。 ブレードランナーとは ハリソン・フォード主演、リドリー・スコット監督で1982年に…

空と雲と 春夕景色

すっかり春、というか夏混じりの季節に体がおかしくなりそうです。 この時期に見られるのがこの巻雲(Cirrus)。春先と秋ごろ、人には心地よい季節に現れる雲です。 夕方、こんな空に遭いました。 お日様が山の向こうに隠れた直後。 富士山もこんな風に良く…

空と雲と 空の上より

今回のフライトは窓側席でした。今回も機窓からの景色が楽しみです。 離陸直前、アクアラインの風の塔とその向こうに海ほたる。 離陸直後、東京の街の向こうに富士山が。 東京上空、中央にレインボーブリッジ、その右上にはスカイツリー、そして左側には東京…

小話 今年のバラの祭り

今年も僕の街のバラ祭りがありました。公園のバラは色とりどり、さまざまな品種のバラが咲き誇っていました。薔薇の花々をご堪能ください。 赤い薔薇と 白い薔薇。 たくさんの品種があって、どれもみんな綺麗なのですが、でもやはりシンプルに赤い薔薇、白い…

熊本小話 熊本城

熊本シリーズの続きです。 僕は十二年ぶりに熊本城のこの姿を見ることができました。 加藤神社から見ることができるこの天守の姿はとても美しいのです。熊本城に出かけたのは1ヶ月ほど前、ちょうど梅の花が咲いて「もうすぐ春」というタイミングでした。 僕…

熊本小話 五老ヶ滝

熊本の続きです。 通潤橋の裏手にはこんな立派な竹が群生しています。 この竹林はとても気持ちが良い。 遠くに聞こえる水の音を聞きながら、この竹林の中を谷へぐんぐんと降りていくと、パッと開けたこの空間、五老ヶ滝が現れます。 崖の上から滔々と水が落…

小話 さくらさく

今年も桜が咲きました。 ちょうどこの週末、僕の街の桜は満開でした。 毎年桜を見ると、「品格があって、華やかで綺麗だな」という思いと、この時期とても短い間に咲き誇り、散っていく姿が切なく、潔い。日本の武士のようでとてもかっこいい、僕もこういう…

熊本小話 建築家冥利

何気なく見かけた風景写真が忘れられなくて、どこの何かはわからねど、いつか行ってみたいと思う、そんな場所が僕にはいくつかありました。ドイツのノイシュバンシュタイン城、パリのモンマルトルの情緒ある階段、モン・サン・ミシェル。。。今日紹介する通…

小話 今年の3月15日

3月15日は欧米人なら誰もが知っている「カエサルが暗殺された日」。紀元前44年3月15日(Idus Martiae)、カエサルは元老院議会場で、トーガの下に短剣を隠し持った14人の反カエサルの元老院議員によって暗殺されたのでした。カエサルは55歳の年に、誕生日を4ヶ…

小話 10回目の命日

父が亡くなってから、今日で10年になる。時間が経つのがなんと早いことか。当時8歳、6歳のチビだった娘たちも、長女は今年大学生、次女は高校2年生になる。二人ともすっかり大人の様相で、子供達が無事に成長できたのはおじいちゃんが見守ってくれてるから…

熊本小話 阿蘇山

熊本の自然のシンボル阿蘇山。富士山のような山と比べて遠くから見たときに、一見特徴がなくどれが阿蘇山なのかわかりづらい。車で徐々に近づいて行っても、あれが阿蘇山だ、とは随分近くまでいかないと確信が持てません。 まだかなり離れていますが、この辺…

小話 ヨーロッパ最高の怠け者

先日「ベルギー人がヨーロッパ一の怠け者である」という話題を紹介しました。これはヨーロッパでは事実のようによく言われ、実際にベルギーに在住の姉や姪甥も、「ヨーロッパ怠け者No.1はベルギー」というのはものすごく同感するらしい。 僕がヨーロッパへよ…

小話 外国から見た日本

僕の姉はたまたま国際結婚をしてかれこれもう30年以上ベルギーのアントワープに住んでいます。また僕にとっての姪と甥もいて、生まれた時からの付き合いで、よく遊んであげた(遊んでもらった?)ものだったけど、その姪も甥も二人とももうすっかり立派な大…

空と雲と 2024の空 後半

今年の夏も暑かった。新たな場所も加わって、夏から冬へ色々な空の景色を収めることができました。 ◾️7月 7月初旬、まだスカッとしない空を引きずっている。でも多様な雲が空の複雑な景色を作り上げています。 夏本番、のどかな田園風景です。田植えしたばか…

空と雲と 2024の空 前半

2024年もたくさんの空の写真を撮りました。その中で印象に残った空の姿を振り返ってみます。 今日は1月〜6月の空を。 ◾️1月 夜明け直前、月が水面にゆらゆら姿を写しています。 夕陽が沈んだ直後、富士山の肩を太陽の残照が帯を作ります。 ◾️2月 空を見上げ…

愛すべき仕事人 クマ殺しのジム

「クマ殺し」の異名を持つ空手家をご存知でしょうか? ウィリー・ウィリアムス(1951年生まれのアメリカ人)という極真空手の達人が映画で大きなクマとの戦いを披露した(らしい)。1980年には最強の格闘技は何なのか?を決するためにプロレスのアントニオ猪木…

小話 わすれもの

これは20年以上前に書いた、当時のcafe mare nostrumに載せていた随筆を、今ちょっと手直しして復刻してみました。 * * * * * 僕の両親の田舎は長野県上田市にある。 母親の実家は山の中腹、とても頑丈な岩盤の上に建ち、すぐ裏に山がそびえ、横は絶壁…

空と雲と 星月夜

雲が漂う夜空にカメラを向けたら、こんな写真が撮れました。 月の光と共に無数の星々が輝く星月夜。 浮世のことは全て忘れていつまでも眺めていたくなる、そんな空でした。 ゴッホは「星月夜」という絵を描きました。おんなじような空を見ていたのかもしれな…

愛すべき仕事人 パン職人になったKb

今回は僕の同期でエンジニアからパン職人に転身したKbのお話し。 Kbは同期入社で新入社員の時から顔と名前は知ってる仲だった。でも彼は元々生産技術という別の部門にいて当時ほとんど交流はなかった。これから話すKbとの関係ですっかり忘れてしまっていまし…

あの日のスペイン広場 2

あの日のローマは朝からとっても不安定な空模様。ざあーっと豪雨になって雷がゴロゴロ鳴ったかと思えば、パーっと日が刺して虹ができる、そしてまたゴーっと雨が降る。あの日のローマ周辺はほぼ一日そんな天気でした。なのであの日、1日中傘を出したりしまっ…