cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

2021-01-01から1年間の記事一覧

シエナ10 小史

トスカーナのこの一帯はどこの街もほぼエトルリア人の集落が起源といえるようです。シエナも同じでやはり最初にこの場所に集落を開き、街に発展させていったのはエトルリア人であることは、どうも間違いない。でも、古代エジプトやギリシア、ローマの人々と…

シエナ9 小話〜パリオの話

パリオ(Palio di Siena)の話 毎年7月と8月、このカンポ広場で「パリオ」が開催される。 パリオとはシエナの地区対抗で行われるの伝統的競馬のこと。開催日7月は聖母マリアがシエナに現れたとされる7月2日、8月は聖母昇天の次の日8月16日。この二日はカンポ…

Merry Christmas!

ちょっと遅れましたが。。。。今年はほとんどクリスマス気分を味わえず。 でも子供たちが書いてくれた「サンタへの手紙」が少しほんわかした気持ちにしてくれました。 世界中に良いクリスマスが訪れますように。そして奇跡があちこちで起こりますように。 cm…

シエナ8 風景〜街を切り取る

誇り高き美しい古都シエナを切り取ります カンポ広場のマンジャの塔を見上げる 太陽を背にして聳えるマンジャの塔 プッブリコ宮殿の中庭から空を見上げる。箱庭ならぬ箱空。 シエナのドゥオモから白い筋が空に走る 街角の何気ない街灯。 シエナの街は近隣の…

シエナ6 風景〜路地とマンジャの塔

シエナの風景。路地から顔を出すマンジャの塔を。 カンポ広場のマンジャの塔を中心にしていくつもの路地が放射状に配置されています。なので、カンポ広場周辺を歩いていると、いろいろな角度からマンジャの塔のあのひょろっと高い姿を路地の先に垣間見ること…

シエナ7 風景〜カンポ広場の子供たち

カンポ広場は優しい。誰にでも、老若男女に優しい広場。 緩やかな傾斜を持った柔らかな煉瓦の床は子供達にも優しい。 同じ何かに釘付け。 今後の人生について相談中。 拝啓、孤独について ちっちゃな子がハイハイの特訓中。 見慣れない東洋人を見つけて愛想…

シエナ 5 シエナのドゥオモ 内部

白と深緑の大理石が織りなす装飾はトスカーナ地方独特のもの。 シエナのドゥオモはそれがさらに強調されているように思えます。前にも書いたように白と黒(深緑)の色はシエナの歴史の中で生まれてきた希望と苦悩だと言われています。シエナのドゥオモに代表さ…

シエナ 4 シエナのドゥオモ

シエナのドゥオモ(Duomo di Siena)はシエナでもっとも高い丘の上にたっている。それもあってシエナのくすんだオレンジ色の街にあって、白いドゥオモはとてもよく目立ちます。 マンジャの塔から眺めた時は白亜の聖堂に見えたのだけど、近くで見るドゥオモは白…

シエナ 3 マンジャの塔

マンジャの塔 (Torre del Mangia) 1348年に完成した、高さ102mの鐘撞塔。初代鐘撞男ジョバンニ・ディ・バルヅッキオ(Giovanni di Balduccio)のあだ名「マンジャグァダーニ(Mangiaguadagni)」のマンジャがそのままこの塔の名前となってしまいました。ちな…

シエナ 2 世界で一番美しい広場

カンポ広場(Il Campo / Piazza del Campo) シエナの路地を歩いてゆくと、突然ひょろ高い塔が現れ開かれた空間が広がります。 「世界でもっとも美しい」とされるカンポ広場です。 広場正面には、ちょっとコミカルな印象を受けるマンジャの塔(Torre del Mangia…

シエナ 1  街の起源

3つの丘の上に横たわるシエナの街は「荒れる海のように」といわれるほど起伏に富む地形の上にあります。外から丘に上がっていく時、街外れに立つ時にそのトスカーナの土地のうねり具合を実感することになります。 ■シエナの起源 その1 トスカーナの他の街…

シエナ 目次

「誇り高き街」 シエナ(Siena)人は自分達の街をこんな風に呼ぶそうです。 の街並みが広がるのです。 トスカーナの丘の上の古い街を目指して緑の街路樹をくぐり、ひたすら坂を上ると城壁と城門が現れます。それをくぐった時、世界で一番美しいと言われる「カ…

ピサ小話 ピサ回想

僕はピサを2度訪れました。最初は車で、2度目は鉄道で。 最初のピサは、イギリス在住の従兄弟家族と一緒に、というか僕が家族旅行に便乗する形で車でのヨーロッパ縦断の途中でした。車で直接「奇跡の広場」へ到着して、広場を歩き、斜塔を見て驚いて、そのま…

ピサ小史

ピサの歴史を簡単に辿ってみます。 ■なぞのはじまり ピサの街の起源はルッカと同じくエトルリア人と言われていますが、ほかにも諸説あり学術的に立証されていません。古代ローマの時代からすでに「古くから発展した街」として記述され存在していたといい、こ…

ピサとガリレオ

ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei) ピサに生まれ、ピサで育ち、ピサで学び、ピサで教鞭を振るった生粋のピサ人。 科学革命を起こした四人の科学者、コペルニクス、ケプラー、ニュートンと共に名を連ねる、だれもが名前を知っているピサの人、ガリレオ・ガ…

ピサ小話 気持ちはわかるけど

Capisco i tuoi sentimenti, però.... この奇跡の広場には、奇跡の斜塔を見るために国籍年齢問わず大勢の人が来る。大抵の人は節度を持って奇跡の広場保護のためのルールは守るのですが、中にはそのルールを無視する人たちがいるのです。 この広場の特徴の一…

ピサ4 風景

ピサで切り取った風景を この日、青空と雲がとても綺麗で、白亜の斜塔がとてもよく映えました。 ここを訪れる人は、大抵こうして手を腰に斜塔を見上げるんです。 当時もっとも美しいと讃えられたピサ・ロマネスクの建築美。そしてドゥオモの垂直な壁面と斜塔…

ピサ3 ピサの斜塔

ピサの斜塔(Torre di Pisa, Campanile del Duomo ) この広場の「奇跡」を決定づけた建物です。 斜塔自体は、鐘楼として作られた、Duomo広場の重要な建物の一つ。Duomo広場はピサ・ロマネスク様式の建築群が有機的には配置された特別な空間である、というだけ…

ピサ 2 ドゥオモ広場

ドゥオモ広場(P.za del Duomo) 「なんてきれいなところだろう・・」 斜塔を目当てに訪ねたドゥオモ広場だったのだけど、初めてこの広場に足を踏み入れた瞬間、緑の芝生に白い建物が点在するこの空間の虜になってしまいました。 ピサ・ロマネスク様式の粋と、…

ピサ1 ピサの街

ピサの街の起源はルッカと同じくエトルリア人と言われていますが、ほかにも諸説あり学術的にはちゃんと立証はされていないようです。起源はさておき、この街を飛躍的に発展させたのはローマ人。紀元前180年には植民地ポルトゥス・ピサヌス(Portus Pisanus)と…

ピサ 目次

ピサ(Pisa)といえばなんと言っても斜塔。この世にも不思議な鐘楼のおかげでピサの街には大勢の観光客が訪れます。そこで斜塔を目当てに訪れた人々はドゥオモ広場の「奇跡」と言われる美しさに目を奪われるのです。 また、ガリレオ・ガリレイが学生として、そ…

ルッカ小話 ルッカ会談を求めて

僕はルッカ会談の痕跡を求めてこの街に来たわけだけど、結局カエサルもポンペイウスもクラッススも誰の痕跡も見つけられなかった。ルッカ会談のルッカは別のところにあるのではないかと疑いたくなるくらい、何もなかった。 その代わりに知らなかったことをい…

ルッカ小話 ルッカ会談

実しやかに語り継がれる伝説によれば、ローマは紀元前753年4月21日に狼に育てられた双子の兄弟の兄ロムルスによって王国として現在のローマのパラティノの丘の上に誕生しました。そんな一部落のような小さな国だったローマが徐々に拡大、王国から共和国に代…

ルッカ3 グイニジの塔

グイニジの塔(TORRE GUINIGI)。なぜか写真が残ってないのですが、古都ルッカにあってなかなかインパクトのある建物です。 14世紀に建てられたルッカ・ロマネスクの館"Case dei Guinigi"の塔で、その屋上には柊(ひいらぎ)の木が繁る。街を歩くと狭い路地の…

ルッカ小話 名画修復

名画の修復といえば以前、ミラノでレオナルドの最後の晩餐の修復現場を見たけど、その時絵は櫓に隠されて、修復作業そのものは見ることできなかった。 有名な修復といえばこの「最後の晩餐」やバチカンのシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの「天地創造」「…

ルッカ2 古い寺院

ルッカはエトルリアを起源に持つ歴史の深い街。その歴史と共に古い3つの寺院を辿ってみます。 ルッカは西ローマ帝国が滅びた後は、東ローマ帝国、ランゴバルド、神聖ローマ帝国と次々と支配者を変えていきます。西ローマが滅びたすぐ後には、キリスト教が広…

ルッカ1 市壁

ルッカはもともと技術力に長けたエトルリア人の街として誕生。紀元前180年頃にローマの植民都市となりますが、ローマ人はエトルリア人の技術力を吸収して大きく発展していくことになるのです。 このルッカの市壁はこのローマの植民都市になったころから、存…

ルッカ 目次

斜塔で有名なピサから電車で30分、ルッカ(Lucca)という街があります。 ここはフィレンツェから流れるアルノ川のほど近く、市壁に囲まれた、中世のたたずまいを残すとてもきれいな街。ガイドブックには「トスカーナの古都、中世にタイムスリップ」と謳われ、…

空と雲と 雲の向こうの名月

2021年、中秋の名月 雲の向こうにある満月の様子。雲が月の光に照らされて輝く様子は、ハッブル宇宙望遠鏡で撮った、遥か彼方の宇宙の姿みたいです。 cmn.hatenablog.com

小話ダークサイド 目次

cafe mare nostrumは地中海世界を中心に、街の文化の魅力や歴史を伝えることをコンセプトに、言ってみれば良いところばかりを紹介してきました。 でも、旅行経験者であれば、旅とは決して、そんな良いことばかりではないし、綺麗なことばかりでもない現実を…