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ピサ3 ピサの斜塔

f:id:fukarinka:20211030112525j:plainピサの斜塔(Torre di Pisa, Campanile del Duomo )

この広場の「奇跡」を決定づけた建物です。

斜塔自体は、鐘楼として作られた、Duomo広場の重要な建物の一つ。Duomo広場はピサ・ロマネスク様式の建築群が有機的には配置された特別な空間である、というだけでも、世界遺産、人類の遺産として十分すぎるほどの価値があるのだけど、「奇跡」と言われるまでにしたのは、この鐘楼の存在、ひいては「傾いた鐘楼」によるところが大きい。そしていろいろな奇跡がこの斜塔にはつまっているのです。

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■傾きの先の奇跡

1173年に工事が始まり、3層目ができた時点で南側の地盤沈下はじまり鐘楼は傾き始めました。その後、300年の歳月をかけ、といっても100年に約5年ずつ工事をすすめ、傾きを補正するように1372年になんとか完成しました。

なので、斜塔はよく見るとカーブしている。上に行くに従って床や列柱の角度が微妙に、できるだけ真っ直ぐになるように変化(努力)してるのがわかります。補正しながらの工事の結果が見てとれておもしろいのと、この角度の微妙なズレが「螺旋的な視覚効果」をもたらして、より美しく見えるようになっている、という説もあります。

ピサ・ロマネスクの調和の取れたアーチと円柱の連続。本当に綺麗です。

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ドゥオモの壁(左の縦のライン)と比較すると、斜塔の傾きの様子がよく分かります。

完成当時すでに「斜塔」だったこの鐘楼は、その後も年1mmのペースで傾き続け、とうとう倒壊が心配されるようになりました。

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■斜塔倒れる

約800年間傾き続けた斜塔は、いよいよ倒壊の危機に見舞われ、鐘楼といいながら鐘を鳴らす振動での傾き促進を危惧して鐘の音はスピーカに切り替え、以前は観光客がてっぺんまでのぼることができたのだけど、人の重量による傾き促進を危惧して、ついに1990年に斜塔は閉鎖され倒壊防止工事が本格的に始まりました。

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傾きの反対側に「おもり」をのせ(写真左側に見える)、内部にワイヤーを張り、北の外側からそれを引っ張り傾きを矯正。このときはまだ工事途中だったこともあったのだが、とても痛々しかった。

 

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1990年から10年続いた工事も完了して、2001年から斜塔は再び観光客を受け入れ始めた。当初5°以上の傾きがあった斜塔は工事の結果4°を切るところまで修正され、倒壊防止策も盛り込まれ他結果、あと300年は倒壊することはないと言われています。たかだか1°と思うなかれ、この1°がこの美しい姿を300年も守るのだから。

でも、300年たったらまた倒壊危機になるのか。。人類の遺産を守るというのは大変だ。

 

僕がピサを訪れたのはこの斜塔工事閉鎖の10年の間。なので、まだ一度も斜塔に登っていないのです。いつか、次にピサにいくときは、今度こそ斜塔に上ろう。

 

つぎはピサの斜塔と関わりの深い、ガリレオさんのお話を。

 

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