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旅行の記憶と何気ない日常を

熊本小話 阿蘇山

熊本の自然のシンボル阿蘇山。富士山のような山と比べて遠くから見たときに、一見特徴がなくどれが阿蘇山なのかわかりづらい。車で徐々に近づいて行っても、あれが阿蘇山だ、とは随分近くまでいかないと確信が持てません。

まだかなり離れていますが、この辺もおそらく阿蘇山の噴火でできた溶岩の大地と思われる。車で阿蘇に向かうとところどころでこんな展望ポイントが出てきます。

黒くなっているのは、人為的に焼いたものと思われますが、黒い平原は終末というか地獄の様相を呈して、なんだか異世界に入り込んだような気分になります。

左の煙が出ているところが阿蘇山の火口です。

山頂へ向かうところで渡される冊子は、観光ガイドかと思ったら「阿蘇火山ガス警告」。こりゃ本物だ。

車を降りて、火口を覗き込みます。逆さ円錐状の地形のその下から、もくもくと噴煙が立ち込める。阿蘇にはこの4kmくらいの範囲に7つの火口があるそうです。ここは第一火口と呼ばれる現役の火口。

もくもくと絶えず湧き上がり、広がっては散っていく噴煙の様子は見ててまるで飽きることがありません。噴煙が流されたときに見える、火口の底には瑠璃色の水が溜まっています。乳白色というかエメラルドな色の水は、猛毒なんでしょうね。

絶壁に近いその周囲の岩肌の様子はさまざまな地層が現れ変化に富む。

 

前の記事でも紹介した飛行機から見る阿蘇山はこんな感じで、噴煙がなければどれが阿蘇かわからないかもしれません。

第一火口から第7火口までがある周辺の地形は地層が丸出しになっていて、その模様や色がとても多彩です。

オレンジの層に黒、モスグリーンの地層とが印象的。

かつてはここも山の斜面だったんでしょう。白い台座のような地層に山状に堆積する地層が見えます。噴火によって崩れ落ちた様子がありありと。。。

第一火口の岩肌。ピンクの波打つ地層と黄色い地層とが入り乱れ、火山活動の、地殻変動の強烈さが窺い知れます。地球の活動ってすごいですね。

火口の噴煙の向こうに見える無数の筋。灰色の柔らかそうな地層を雨水が流れてできたんでしょうか。そこから顔をだすピンクの岩肌がいいアクセントになってます。

自然の造形というのはまたすごい。人間はこういう自然の造形からさまざまなインスピレーションを得られるおかげで、さまざまな作品が生み出せるんだろうな。。。

 

終末的、地獄的な景色がこの火口周辺には広がります。周囲の山々も一味違う荒々しさが感じられます。

 

火口を離れ、山頂を後にして、だいぶ下に下がりましたが、

まだまだ終末的景色が続きます。

阿蘇山が形は特徴がなく、どれが阿蘇だかわからないとしても、「火の国」熊本のシンボルとされる意味が、実際に行ってみてよくわかりました。人間の力など到底及ばない自然の力を目の前にした、初めての阿蘇山はそういう体験でした。

 

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