cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

ローマ小話 朝のローマ散歩

ミラノ経由の飛行機でローマ入りした時、ローマのホテルに到着したのは夜の10時頃。この年は雨と雷と時差ボケとローマについた期待感と興奮でなかなか眠れず、その夜は一睡もできませんでした。

ずーっと続いていた雷と雨音の轟音が徐々に収まってきて、静けさに誘われるように、僕はじっとしてられずローマの街へ出かける準備を始めました。

まだ真っ暗なローマの街へと外に出ると、冷んやりと重たい空気が街を充満していて、全然寝てないのにさっぱり眠くない僕の頭は益々冴えてきました。

ホテルを出るとすぐの共和国広場は淡い照明に照らされ、雨を含んだ石畳の地面は気をつけて歩かないと滑って転びそうです。

だあれもいない夜明け前のローマ。オレンジ色に照らされる道に導かれて、向こうの方向を目指します。

オレンジに照らされる道を歩くとだんだんと空が明るくなってくる。分厚い雲が風に流されて、空の表情がころころ変わっていきます。

途中ひょいと右に入ると、最初のお目当てクィリナーレ(ラテン語:Quirinalis)の丘の広場に到着。ここはローマ7丘の一つ。

現在ここにはイタリア共和国大統領官邸があり、広場の中央にはエジプトのオベリスクが立ちます。ここはかつてローマが建国当初サビニ族が移住してきた場所とされていて、サビニ族が信仰した神クィリナリス(Quirinalis)にちなんでこの名前が付けられました。

サビニ族といえば、ローマがまだならず者の集まりだった時に妻を娶るためにサビニ族を襲撃した「サビニ女たちの略奪」、そしてそれが元ではじまった戦争を止めようとローマ軍とサビニ軍の間に命懸けでわって入ったローマの妻となったサビニ女たちの話を思い出します。サビニ人はこの戦いの後、クィリナーレの丘に定住することになるのでした。

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そんなクィリナーレを過ぎて僕は、朝のトレヴィの泉へ行くのです。この時、珍しい泉の姿を見ました。それは「清掃中」。

まだ観光客が動き出さない早朝に、泉の水を全て抜いて、清掃してるんです。トレヴィの泉は「ローマ」と聞いたらおそらく誰もが思い浮かべる定番観光地。そして泉を背にコインを投げ入れるのがお決まりの儀式です。そうやって投げられた大量のコインを掃除をしながら回収している作業に出くわしました。水を抜かれたトレヴィの泉も新鮮でしたが、この大量のコインはこの後どこへ行くんだろう?そして、願いを込めて投げ入れられたコインがこんなふうに処理されているとは、、、何か見てはいけないものを見てしまったような気持ちになってしまいました。。。いまならiPhoneでその様子の写真を撮りまくるのですが、このときは貴重なフィルムを使わないように、この手の写真は撮らなかったんです。今思えばとても勿体無い。。。

トレヴィの泉からカピトリーノの丘を目指します。

朝のコルドナータを登っていき、マリウスの戦勝記念碑の像を横目にミケランジェロがデザインした広場に入ります。セナトリオ宮殿の脇を抜けていき、目的の場所へ。

この時間のお目当てはこれ。

朝のフォロ・ロマーノの景色。昨夜の雨に濡れた古代ローマの首都の遺跡は、朝日を反射して透き通るようです。こんな姿には言葉もありません。

 

 

円形闘技場コロッセオも静かに朝日を受けています。今は周りはほとんど崩れた廃墟となっているのですが、きっとこの季節の朝の光とコロッセオの景色は2000年前から変わらずあったのでしょう。そして同じようにこの景色を見て心動かされたローマ人がきっといたでしょう。

 

この続きはまた後ほど。

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