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ヴェネツィア小話 ムラーノ島ガラス工房

f:id:fukarinka:20210717192410j:plainムラーノ島でふと立ち寄ったガラス工房兼ヴェネツィアン・ガラス屋。

 ここではお客を前にルームライトの傘や、イルカの置物をジャンジャン作っていました。そのふいご捌き、細工の素早さは、それはもう見事でした。どこの世界も職人はすごいです。

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坩堝でどろどろにしたガラスを吹子の先に巻き付けぷーっと息を吹き、ガラスのタネを膨らまして、少しずついじくっては炉に入れてを繰り返し、段々と形を作り上げていきます。職人の手仕事はまるで魔法のようです。

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坩堝の中は1000度以上の高温。

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ガラスのイルカはお土産用として、お手軽な値段で購入できるお土産の定番です。たくさん売れるだけあって制作も比較的簡単。

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溶けたガラスを専用ペンチで引っ張って、重力で体をしならせて、ひょいひょいとあっという間に出来上がります。簡単とはいえその職人技をもって成せること。

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僕が見ていた短い間に何匹ものヴェネツィアン・ガラスのしかも「Murano」ブランドのイルカさんが出来上がっていくのです。電灯の傘もすごいけどイルカはイルカでシンプルでわかりやすく見てて、これまた楽しい。

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もう一つ、ヴェネツィアン・ガラスの工芸品。

これもいろいろな柄とカラフルなものがたくさんあって、とても楽しい。

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 太陽の光を透かしてみるとまた違った表情をみせてくれるのです。

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古代ローマですでにガラス工芸は発展していました。ヴェネツィアがガラス工芸を取り入れたのは7世紀とも8世紀とも言われるのだけど、本当のところははっきりしていないそうです。

その後、最先端の技術と職人をヴェネツィアに招き入れ、ヴェネツィアングラスは大きく発展します。ムラーノ島で職人たちは腕を磨き、地中海世界全体へ広がる貴重な工芸品へと進化していったわけです。

僕がここで見た職人の技は観光客向けで、真の職人技は島の奥深く、門外不出の技術として守られてきたのでしょう。

いつかまたムラーノを訪れたら、職人本気の作品を一つでいいから購入させていただきたい。。。

cmn.hatenablog.com
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