ロンドンといえばロンドンバス。ロンドンバスといえば二階建て、ダブルデッカー。の中でもルートマスターという1959年に登場したのがこのバス。
とてもレトロで味があるデザインはロンドンの街の風景にとても良くなじみます。
僕はロンドンに滞在している間、乗り放題パスを使ってたくさん利用した。
どこに行くにもわかりやすく、便利で手軽で、そして乗ってて楽しい。
初めて乗った時、せっかく2階建だから、2階に乗ろうと揺れるバスの狭い階段を上がって2階デッキの席に座った。でもこれが意外と感動なく、狭く、天井低く、窓小さく、乗りごごちも景色もあまり良くなかった、という記憶しかない。2階建バスの2階ってこんなものか。。とちょっと肩透かしな感じだった。
1階も中はそんなに感動的な要素はなかったように思う。そうかダブルデッカーはロンドンの街を走る姿を、外から愛でるものなのだろう。とても便利で使う機会は多いけど、まあ乗ってるとそんなに感動はないんだな。と。
でも、そろそろ降りようと、後ろのデッキに立った。古いルートマスターはドアがなくオープンデッキに一本、床と天井をつなぐポールがある。そのポールにつかまって、小気味良く走るバスの横Gと流れる風を感じながら街の景色が流れていくのを眺めていると、なんだかとても楽しくなってきて、降りようと思っていたところで、降りられなくなってしまった。
それから、僕はルートマスターのデッキにハマって、何度も何度もデッキに人のいないルートマスターを狙っては飛び乗り、ロンドンの街を走り回ったのでした。
ルートマスターの場合、入口がドアのないオープンデッキ状態なので、バス停でなくても、信号待ちで止まっている時に、ちょこんと乗り込むこともできる。同じようにどこでも降りることができる。完全に止まらなくても、ヒョイヒョイ降りてくロンドンっ子に混じって僕も、そんな乗り降りを楽しんだのでした。いや、本当に楽しかった。
ルートマスターは2004年に引退したらしい。ロンドンに一番似合うバスはもう走ってないようだ。
時々、観光用として上海や東京、ロンドンとは違う都市で見かけることがある。先日は新宿の街中を走っているのを見かけた。
いつかまたロンドンに行ったとしても、ルートマスターに飛び乗ることはもうできないのかな。古き良きものは、いつか消えてしまう。消えてしまうから古き良きなんだろうな。