僕がヨーロッパによく出かけていたのは1990年代。ベルリンの壁が崩れた後からEU誕生して通過がユーロに統合される直前までの10年ほどの間に、西ヨーロッパの国はほとんど出掛けました。
初めてのヨーロッパ旅行が1991年だから当時はインターネットはおろか、スマホもない、デジカメもない。なので今とは随分旅行事情が違う。そんな昔の旅事情をシリーズでいくつか。。
計画段階
きっかけは色々、ふと見た写真だったり、人から聞いた場所だったり。昔からの憧れやいつか行きたいと思っていた場所を軸に、行きたいところを付け加えていく。ここは今も昔もあまり変わらないと思う。
行きたい場所が大体決待ったらガイドブックを購入。当時の貧乏旅行の定番は「地球の歩き方」という黄色い表紙で紙質が悪い代わりに軽いので持ち歩くのに便利というガイドブック。ただ、情報が偏ってたり、少なかったり、間違ってたりということもあったりしたので、現地でよく地球の歩き方に騙されて路頭に迷うこともしばしば。。そんなわけで旅行者の間では「地球の迷い方」とも呼ばれていた。
もう一つの基本アイテムは「トーマスクック列車時刻表」。赤い表紙でヨーロッパ全土を網羅した旅行者の定番時刻表だった。今のようにインターネットで出発地と到着地を入力すれば、道順から乗り換え案内から全て出てくるものはないので、紙と鉛筆と時刻表を駆使してルートを作っていった。
ちなみにヨーロッパの鉄道の乗り換え案内サイトは1996〜97年頃、日本より5年ほど早くインターネットで運用されていたと思う。特にドイツ国鉄のサイトでは、当時からヨーロッパ全土をカバーしていて、当時その便利さに感動したのをよく覚えています。
今は、気になる場所があれば、家でも外でも即ググって調べる。気になる都市、観光地を検索して、浅くも深くも下調べができる。行ったらがっかり、ということも少ないだろう。行き先も、ルートも旅行前にほぼ全てがシミュレーションできて宿もすべて予約して、家を出て帰ってくるまでのほぼ全てが事前に、簡単に完成できてしまう。色々万全で安心感して出かけられる。限られた時間でたくさんお金をかけていくのだから、準備万端で行く方が良い。
昔の旅行は出たとこ勝負。予定通りにいかないことの方が多かったけど、だから楽しいということもたくさんあった。いつか、時間がたっぷり取れるようになったら、また昔のような旅行をしたい。
飛行機予約から乗るまで
今はインターネットでたくさんの選択肢から選んで予約ができる。
航空券の予約ができるとe-tiketが発行されて自分でプリントアウトして持ち歩く。e-tiketは無くしても別に問題なし。極端を言えば最初からなくても大丈夫かもしれない。実際、空港ではパスポートだけあれば事足りてしまう。そして事前にチェックインもできてしまう。事前に座席も指定することができる。今は事前にチェックインすれば、2時間以上前に空港に行かなくても大丈夫。インターネットはなんでも出来てしまう。
さてその昔は、飛行機の予約は、まず旅行会社の窓口に行くか、電話で依頼する。いくつか候補を提示してもらい、予約依頼をかける。予約が完了すると航空会社から5枚綴りくらいのペラペラなチケットが郵送されてくる。これを文字で説明するのは難しいのでやめるけど、紙のチケットが送られてきて、空港でチェックインする時に使う。帰りの便もこれなので、旅行中失くしたり、ボロボロになってしまっては大変と気が気じゃなかった。ただ、この見づらくて、ペラペラな5枚綴りのチケットが、「もうすぐ飛行機に乗る」という僕の期待感、ワクワク感をものすごく煽ってくれて旅行気分を最高潮にしてくれたのでした。
旅の移動編に続く
今はどんな人たちが使っているのだろう?
トーマスクックではないけれど、ノスタルジーを愛する人のために今でもあるんですね