アトリエ洗濯船(Le Bateau Lavoir)
エミール・グドー広場(Place Émile-Goudeau)の一角に立つ「洗濯船」と呼ばれるこの建物は、かつてバルセロナからパリに来たばかりの19歳のピカソ、ジョルジュ・ブラック、モディリアーニはじめ、20世紀初頭に若く情熱はあるが、金はない画家や詩人、芸術家が集まる安アパートでした。
オリジナルのアトリエ洗濯船は1970年に焼失。現在建つのは復元された建物です。
ショーウィンドウにはかつてここで活躍した芸術家たちが紹介される。
美術史においては「キュビズムがここで誕生した」というとても重要な場所。
1907年にピカソがここアトリエ洗濯船でキュビズムの誕生を示す「アビニヨンの娘たち」を描きました。洗濯船のショーウィンドウには「アビニヨンの娘たち」、若き日のピカソの写真が飾られています。
僕はこのときアトリエ洗濯船のとなりに宿をとった。これはそのホテルの部屋からのアトリエ洗濯船の景色。
エミール・グドー広場はモンマルトルへ続く斜面の途中にあるとても小さな広場。
アトリエ洗濯船に画家や詩人たちが暮らしていたときは、この広場の片隅で激論かわす彼らがよく見かけられたといいます。
ある時期、この小さな広場に、小さな安アパートに新しい芸術の息吹が凝縮され、時が来て一気に世の中へそのエネルギーが放出された。ここでは「キュビズム」という新しい表現が生まれた。
パリにはこんな場所がたくさんあるのです。