ムーラン・ド・ラ・ギャレット / Moulin de la Galette
もともとモンマルトル一帯は葡萄畑や小麦畑といった田園が広がっていました。丘の所々に小麦粉を作るための風車が点在していたといいます。この風車(ムーラン/ Moulin)は今となっては数少ない名残でかなり修復されているけど13世紀当時の姿をとどめています。
ムーラン・ド・ラ・ギャレットは直訳すれば「焼き菓子(ガレット)の風車」となる。
19世紀半ばにここは、ギャンゲット(野外酒場)として、当時パリ市の外側で酒税のかからない安いワインを提供する庶民の酒場となり、また田舎風のダンスホールとして労働者や貧乏芸術家たちが集まる活気ある場所でした。
そしてここを題材に画家たちが多くの作品を製作しています。
僕にとって絵画ムーラン・ド・ラ・ギャレットと言ったらこれ。
庶民の舞踏会の様子を描いたルノワールの大作「ムーラン・ド・ラ・ギャレット(の舞踏会 1876)」。木漏れ日の下で踊る人々。人の数だけ幸せが描かれている、そういう絵です。
でも実は、多くの画家によって色々な表現でムーラン・ド・ラ・ギャレットが描かれている。
ロートレックによるムーラン・ド・ラ・ギャレット(1891)
コローによるムーラン・ド・ラ・ギャレット。
モンマルトルの画家、ユトリロによるムーラン・ド・ラ・ギャレット(裏側)。
表側
これは19歳のピカソがバルセロナからパリに来てまもない頃に描いたムーラン・ド・ラ・ギャレット(1900)。
そして、この絵は誰の絵かわかるでしょうか?
これはゴッホによるムーラン・ド・ラ・ギャレット。オランダからパリに出てきて、まだギラギラする前のゴッホが描いた一枚です。万人が知るゴッホとはまるで別人な画風です。
たくさんの画家が描いたムーラン・ド・ラ・ギャレット。今はフレンチレストランとして営業中。