カエサル=シーザー(Caesar)、ロメオ=ロミオ(Romeo)、ジュリエッタ=ジュリエット(Juliet)。
イタリア語、ラテン語が起源のもので、英語になって日本に入ってくるものが今までもいろいろありますが、シェイクスピアによる「ロミオとジュリエット」はイタリアでは「ロメオとジュリエッタ」となります。前置きが長くなりましたが、ヴェローナは「ロミオとジュリエット」の物語の舞台なのです。ヴェローナを舞台にした悲恋の物語がシェイクスピアによって戯曲の傑作となり、英語名「ロミオとジュリエット」として世界に広まった。
そしてエルベ広場の程近く、ヴェローナには「ジュリエッタの家(Casa di Giulietta)」があります。
「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)」
1595年頃初演といわれるシェイクスピアの戯曲は、13~14世紀にヴェローナを舞台に実際に起こった出来事に着想を得て書かれた物語をベースに戯曲化されました。
モンタギュー家(実際はモンテッチMontecchi家)の息子ロメオと、対立する政敵キャプレット家(実際はカプレティCapuleti家)の娘ジュリエッタ。二つの反目する家に生まれ、社会の混乱に翻弄されながら運命に争いながら最後は悲しくも成就する悲恋の物語は想像による産物。
シェイクスピアが戯曲化して大成功を収め、その後も世界各地で演劇、オペラ、ミュージカル、バレエ、テレビドラマ、映画として表現され続けている誰もが知る名作中の名作。。。。
さて、
この家はキャプレット家のジュリエッタが住んでいた家で「ジュリエッタの家」として多くの観光客、とくに「ロミオとジュリエット」を知る人が足を運びます。
建物の古めかしさといい、ツタのからみ具合といい、その雰囲気は十分。シェイクスピアの世界で「おお、ロミオ、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの?」とつぶやいたバルコニーも実際にここにあるのです。そしてこの中庭にはジュリエッタの像が立っており、あの有名なジュリエッタがここで過ごしたことを示している。
ヴェローナには他にも「ロメオとジュリエッタ」に関する史跡(?)が多く点在します。ロメオの家(個人宅のため見学不可)、ジュリエッタの墓・・
ジュリエッタもロメオも想像上の人物で実在はしない。実はこのジュリエッタの家も、シェイクスピアにあやかってそれらしく再現して作ったものであるわけだし、そもそもシェイクスピアがイギリスで英語で発表したのは「ロミオとジュリエット」で。。。でも、そんなことはどうでもいいのです。
ロメオもジュリエッタもこの物語が好きな人にとっては間違いなく「いた」のであって、このバルコニーでジュリエッタが有名なセリフを呟き、ロメオがこのバルコニーによじ登ってジュリエッタに愛を囁いた、これも事実なのです。
以前、ロンドンを旅行した時、シャーロック・ホームズについて触れました。「世紀の名探偵」実在しない人物をあたかも実在したかのように街ぐるみで 。。。そうではないのですよ。
シャーロック・ホームズは実在した。ロンドンの221b Baker stに彼の下宿が残っている。ネッシーもいる。
それでいいんです。
cmn.hatenablog.com
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