cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

ロマンティック街道〜 ローテンブルク1

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ローテンブルクは”タウバー川そばのローテンブルク”が正式名。”中世の宝珠”とも呼ばれるこの街はその名前が示すとおりタウバー川を見下ろす丘の上に10世紀に誕生しました。以来、これまで何度かの破壊の憂き目にあいながらも現在にその宝珠の姿を伝えています。

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■レーダー門

ここは市壁に囲まれたとても小さな街。鉄道の駅から一番近いのが、このレーダー門。ここをくぐるとその向こうには中世ドイツの世界がそのままの姿で広がっています。

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門をくぐってそのまままっすぐ行くと「これぞローテンブルク」という街角風景、

マルクス塔とレーダーアーチに出会います。

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着いたその日は日曜日だったのもあって、大勢の、本当に大勢の人が小さな街に溢れていました。主立った道は人の洪水。僕は人混みを泳ぐように街の隅々まで歩き回りました。 

 

■マルクト広場とマイスタートゥルンク

マルクス塔をそのまま抜けて進むと、街の中心マルクト広場に到着。

大勢の人が市庁舎につながる建物を見上げていました。何だろうと思ったら、市参事会宴会場のカラクリ時計”マイスタートゥルンク(大酒飲みの長)”をみんなで眺めていました。

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”マイスタートゥルンク”とはローテンブルクの史実に基づいた伝説とされています。

17世紀の宗教戦争(30年戦争)時にローテンブルクの街は、敵軍の将ブラバント公伯爵ヨハン・セルクラエスによって破壊の危機にさらされていました。ローテンブルクを攻略したセルクラエスは、街を焼き払うと宣言しました。でも、ローテンブルクの市民から歓迎のワインを差し出された時こう言ったのでした。

”もし大杯(3.25リットル)のワインを一気に飲み干す者がいたら街は破壊しない”

その時、当時の市長であった老ヌッシュ氏が進み出たのでした。市長はゆっくり苦しみながらも見事3.25リットルを一気に飲み干した。これを見たローテンブルクの市民も、セルクラエスも驚いた。

このお陰で街は助かったけど市長ヌッシュ氏はこの後3日3晩眠り続けたとさ。というのが伝説のマイスタートゥルンクのお話。

 

写真は仕掛け時計で、マイスタートゥルンクのクライマックス3.25リットルのワインを飲む場面が再現されているところ。

小さくて見えないけれど、時計の両脇の窓にそれぞれ敵将セルクラエスと市長ヌッシュ氏が現れ(もちろん人形)、苦しそうに一気飲みするヌッシュ氏を反対側の窓ではセルクラエスがうんうん頷きながら見ている姿はなかなかユーモラス。

その姿を大勢の人が見上げているところもまたおもしろい。

 

マイスタートゥルンクは演劇にもなっていて街の祭の時に上演されるそうだ。

それにしてもワインの一気飲みをする者がいたら軍事作戦をやめてやるという将軍とそれを本当にやってのける市長と面白くて粋な話だけど、どこまでが事実かはわからない。

 

■プレーンラインとジーバーストゥルム

ジーバーストゥルムとは日本語で”ふるい職人の塔”。13世紀建造。中世の宝珠と呼ばれるローテンブルクの景色中でも最もロマンティックな場所といわれている。日本でもマルクス塔とレーダーアーチの風景とともに写真でよく目にする風景です。

さっきのマルクト広場からマイスタートゥルンクの建物を背にまっすぐ歩くとここにたどり着きます。時計塔に続く道と右に降りていく坂道、その周りを囲む素朴な家々の並びがとても良い。

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とにかく、この日はとても人が多く、中でもこのマルクと広場からの通りが最も人出が激しかった。

 

この木組の見事な建物も、ローテンブルクでよく見かけた様式。イギリスのチューダー様式と少し似てる。こんな風に建物の様式も多彩で、この街はとても楽しい。

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■ゲルラッハ・シュミーデ(鍛冶職ゲルラッハ宅)

市壁脇に建つゲルラッハ・シュミーデは屋根が特徴的。きれいな建物が多いこの街の中でも強い個性を放っていて、ふらっと歩いて偶然見つけて、ついこの建物の前で立ち止まってしまいました。

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ローテンブルクは想像していた以上にきれいな街でした。そして、思った以上に人だらけ。。

僕はこの日、人混みに疲れて、マルクト広場から近い坂の上の安宿に泊まることにしたのでした。

 

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