cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

ロマンティック街道〜 ヴュルツブルク

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ロマンティック街道の北の出発点。僕のロマンティック街道の旅の終着点。

ここまで訪れたロマンティック街道の街に比べかなり都会的で新しい街と感じたけれど、この街の起源は紀元前1000年といいます。ガリア人の集落がこの街の起源です。

8世紀にはキリスト教の司教座がおかれ、キリスト教世界の重要な役割を果たすようになる。その後も暗黒の中世を通して司教座を廻る権力闘争、宗教改革魔女狩りと言ったキリスト教の歴史と近代に渡ってのユダヤ人迫害の舞台、第2次世界大戦の大規模空襲といった暗い側面を抱えた街。一方で古くから大学がおかれる文京都市でもあり、レントゲン博士がヴュルツブルク大学でX線を発見してノーベル物理学賞を受賞した、そんなドイツらしい側面もあります。

 

実際に街を歩くととても落ち着いた雰囲気で、いろいろな意味で先に訪れたローテンブルクとは対照的でした。

 

写真はマイン川とアルテマイン橋とマリエンブルクの要塞。丘の上の要塞は城か宮殿のように見えます。橋とマイン川の流れ、その向こうの丘の上に立つマリエンブルクの要塞の風景はとても絵になります。

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アルテマイン橋

両脇に聖職者の像が並びます。この背中向きの丘の上にマリーエンブルクの要塞がある。正面奥には聖キリアン大聖堂があります。ヴュルツブルクで最も古い聖堂で、落ち着いたロマネスク様式の外観です。その後18世期にバロック様式に改装されたと言います。

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■市庁舎の建物。

12世期に建てられた市庁舎。塔の中央の時計の下には日時計がある。

第2次世界大戦でヴュルツブルクは空襲に遭い、5000人が犠牲になり、街の90%が破壊された。その時にも、この市庁舎の時計塔だけは被害を免れたのでした。日時計も備えた時計塔だけは800年以上この場所に立っているのです。

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■マルクト広場のマリエンカペレ(聖母教会)です。

14-15世期にかけて建てられたゴシックの教会。

基本的にゴシック様式の教会ですが、純粋なゴシックというより何か混じりっけがありますね。

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■ノイミュンスター教会

街中にひょこっと現れるバロックの教会。普通の建物の隙間にハマっているような外観。1000年ほどの歴史ある教会のようですが、18世期にバロック様式に模様替えされたとか。ヴュルツブルクにあるの多くの教会・聖堂が18世紀にバロック様式に改装されている

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レジデンツ

ユネスコ世界遺産に登録されている、ドイツバロックの傑作。

18世紀に建築家ノイマンにより設計された司教の宮殿です。

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実際にここを歩いてみると、18世期の宮殿に共通する正面の造りはパリのベルサイユ宮殿をぎゅっと小さくした様な印象です。

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整然と構成された庭園はとてもコンパクトで心地よい。とてつもなく広いベルサイユのそれに比べるとこちらの方が落ち着きます。ベルサイユは何もかも大きすぎて、人間の空間じゃないところがある。それに比べてここはとても人間らしい場所でした。

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僕はヴュルツブルクを歩いてきれいな街並みや建物、風景をみたけれど、一番惹かれたものは、街の外側に緩やかに広がる丘、そこに広がる葡萄畑の姿でした。

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DBの駅の向こうすぐ丘が立ち上がっていて、そこに貼り付くように葡萄畑が続いているのです。

ローテンブルクとヴュルツブルクの街の違いは、大きさ規模ではなく「市民が作った」か「司教が作った」かにあるように思うんですね。同じような暗い歴史を潜り抜けながら、自由に市民が自分たちの街を作り守ったローテンブルクと、強大な権力を持つ司教が色々に作り替えてきたヴュルツブルク。ともに古代ローマに起源を持たず、独自に歴史を歩んできた。

最後に僕を魅了したのは、司教が作ってきた街や建物ではなく、丘に広がる葡萄畑でした。ロマンティック街道の旅の最後に、心洗われるとても癒される光景に出会えました。

 

 

ヴュルツブルクのHP

https://www.wuerzburg.de/en/visitors/index.html

 

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