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シテ島小話 パリとスズランの花

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5月1日はフランスでは「スズランの日」

スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる(le retour de bonheur)」

 

16世紀、ヨーロッパでスズランの栽培が始まって間もないころ、1561年5月1日にフランス王シャルル9世がスズランの花束をプレゼントされました。幸せをもたらすスズランの花束にシャルル9世はとても感激して、それ以降、毎年5月1日に宮廷の女性たちにスズランの花をプレゼントするようになった。これがスズランの日の始まりだそうです。

 

今ではスズランの日には、愛する人、家族、お世話になった人に幸せをもたらしてくれるスズランを送ると言うのが習慣になっているそうです。

 

この老夫婦とても素敵でした。奥さんがスズランを持ってます。

 

 

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5月1日、朝方にはパリの街のあちこちに、こんな即席スズランスタンドが現れます。

そしてお昼頃にはほとんどなくなるんです。

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 1束2ユーロ。とても控えめだけど、きれいなスズランです。

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この日はあちこちお店にもスズランが溢れます。

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16世期に生まれたイベントを、あまり商業化せずにさりげなく楽しむのがとても良いな、と思います。これが日本だったら。。と想像せずにはいられない。

うちも冒頭の老夫婦のようになれるように、この先も過ごしたい。

 

さて、5月1日はスズランの日であるとともに、メーデー(労働者の日)でもあります。

愛する人へスズランを送るのと、労働者がデモ行進や集会で雄叫びを上げるのが同じ日だと言うのがちょっと不思議。

2000年に僕はメーデー真っ盛りのパリにいました。この時は、ルーブルはじめ美術館から何からほとんどが休日で、街はゴーストタウンのようにとても静かで、何もすることができなかった。清掃工事中のオペラ座前では、メーデーの集会が行われていて何か異様な雰囲気(下の写真)。

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静かな「スズランの日」と熱い「メーデー」、このコントラストがとても不思議。

こういうパリも中々味わえない貴重な体験だった。

 

時は流れて2018年も5月1日。この時のパリは、前のようなゴーストタウンな感じはなく、メーデーのイベントもとても少なくおとなしかったように感じた。街も店も美術館なんかもあまり閉まってて困ると言うこともなく普通ににすごせたように思う。

 

メーデーは様々な環境が変化して、様変わりしたようだ。

スズランの日は、心地よく変わらずに存在してた。500年続いたイベントだもの、これから先も変わらず続いていくのだろう。大切な人に幸せが訪れるようにと、毎年パリの街はスズランの花で溢れるんだろうな。

 

 

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