cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

ヴェネツィア小話 コーヒーの話

f:id:fukarinka:20210919210211j:plainヨーロッパに最初にコーヒーを持ち込んだのは17世紀ヴェネツィア商人と言われています。僕も日々愛飲してるコーヒーはヴェネツィアにもたらされ、やがて日本へと伝わりました。

そもそも、コーヒーの起源はエチオピアともアラビアとも言われていますがはっきりした記録は残っていないといいます。西暦900年ころにアラビアの医学書に記述されていたのがコーヒーの記録としては最古とか。コーヒーは眠気を追払い、活力を与える「魔法の薬」のような扱いだったようです。

■二つの伝説

いつのことか定かでないのだけれど、コーヒーには2つの伝説があります。

カルディ少年と不思議な赤い豆

エチオピアには「カルディ少年の伝説」としてコーヒーの起源が伝えられています。時期は不詳、羊飼いの少年カルディが、なぜか疲れを知らない興奮する羊がいる事を見つけた。その羊がなぞの赤い豆を食べているのを突き止め、自分でも試してみた。するとその効能に驚いたカルディ少年は修道士たちに教えると、その修道院は「眠らない修道院」として有名になるほど。気分爽快になり眠気を覚醒する魔法の実として、不思議な赤い豆が広まっていった。

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聖職者オマールの赤い豆スープの軌跡

もう一つ、イエメンのモカという街での事。聖職者オマールは王の娘に恋した結果、山に追放されてしまいます。洞窟に暮らし飢えに苦しむオマールでしたが、ある日山の中で美しい小鳥が食べる赤い実を見つけます。その赤い実を食べるととても気分が優れ飢えからも解放されました。オマールはその実を煮出してスープのようにして飲み、これをモカの街の人たちに広めると、たちまち評判になり、オマールは許され街に戻ることができたのでした。この時の「煮出してスープのように飲む」というのが現在に至る「コーヒー」のルーツと言われています。

 

■コーヒーの発展

そして1450年ごろペルシャ(現イエメンあたり)でコーヒー豆を焙煎して細かく砕き煮出すことで香りと風味が良くなることが発見され、一般市民にもコーヒーが広まります。

1510年にはエジプトのカイロでコーヒーを飲むための店が生まれ、1517年にはトルコに伝わり、1554年コンスタンティノープルに世界最古のカフェが登場します。

トルコではコーヒー豆を細かく擦り潰し、砂糖と一緒に煮出して飲むいわゆるトルココーヒーが誕生します。

 

■ヨーロッパへ

ヨーロッパにコーヒーを伝えたのはヴェネツィア商人で、1615年コンスタンティノープルからコーヒーを持ち帰ったところ大評判となりました。1645年ヴェネツィアに初めてのコーヒーハウスが誕生。現存する最も古いカフェ、1720年にサンマルコ広場の一角にカフェ・フローリアン(Florian)が誕生し、1775年にはカフェ・クアドリ(Quadri)が誕生するのでした。

コーヒーはオランダ、フランス、イギリスにも順次伝わりヨーロッパ全体へと広がっていきます。

 

■日本へ

日本にコーヒーが伝わったのは江戸時代初期、鎖国真っ只中の長崎出島。オランダ人が出島にコーヒーを持ち込んだと言われています。当時の日本人はあの真っ黒な飲み物を何だと思っただろう?

 

焙煎されたコーヒー豆、ミルで挽いたときのあの感触とあの香り、ドリップしてるときの風合いは本当に癒されます。やはりコーヒーは不思議な魔性の魅力がありますね。僕は普段、1日5杯くらい飲んでいるので、眠気覚ましとか脳みそ活性に効いているのかどうかどうか正直わかりませんが、その魅力はつきませんね。

 

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