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旅行の記憶と何気ない日常を

ロンドンとシャーロックホームズ

シャーロック・ホームズ

19世紀にイギリスで活躍した世界で最も有名な探偵。

天才的な頭脳による洞察力と推理能力と類稀なる行動力、そして創意工夫を駆使してスコットランドヤード(ロンドン警察)が手に負えない数々の難事件を解決。世の中の悪を嫌う一方で、運命に翻弄され止む無く犯してしまった罪に対しては寛容に接する。自分の能力が発揮できないことを極端に嫌い、金や名声ではなく、自分の能力を存分に発揮できる事件かどうかが仕事の依頼を引き受ける最大のポイント。能力発揮の欲望が満たされれば事件解決の手柄がどこかに取られようと全く気にしない。バイオリンを弾き、ボクシングに長け、事件がなく自分の力を活かせないストレスに対しては、時に当時は合法だったマリファナに手をだしてはワトスン博士に窘められる。

生涯独身を貫き、親友であり仕事のパートナーであり、ホームズの類稀な事件解決の記録者であるワトスン博士とともにベーカー街221bのハドソン夫人の下宿で生活する。

奇妙ながら愛すべき人物。

 

僕もさらっと、シャーロック・ホームズについて書いていると、頭の中で僕は彼を実在の人物として扱っていることに気づきます。

 

ご存知の通りシャーロック・ホームズは架空の人物。

スコットランドエディンバラ出身の、医師であり作家であるアーサー・コナンドイルが作り上げた想像上の人物。コナンドイルは1887年から1927年までの約40年間で長短60編ものシャーロックホームズの冒険と推理の物語を書き上げました。描写の細かさと正確さ、事件の背景から解決に至る道筋まで物語はとてもリアルで、この物語を読んだ人たちはいつの間にかシャーロックホームズが実際にいたように錯覚するのかもしれません。イギリスの人々もシャーロックホームズは実在した人物のように扱います。

 

ホームズが住んでいた街、ベーカー街。

ロンドン地下鉄のベーカー街の駅の壁にはホームズのシルエットがあちこちに描かれています。ホームズとワトスン博士が住んでいた(とされている)住所「ベーカー街221b」はコナンドイルがシャーロックホームズを書いていた頃には存在しない住所でした。当時のベーカー街は80番代までしか区画はなかったのですが、やがてロンドンが拡大して221bが現実の住所となった後、ホームズとワトスンが生活した場所として今はシャーロックホームズ博物館となっています。そこにはホームズたちの部屋が残っていたり、所縁の?服や小物、事件の証拠品?などが展示されていたりします。

このことはホームズを知らない人、読んだことがない人は何か大きな違和感を持つかもしれません。

しかし、イギリスの人々にとって、僕にとっても、シャーロックホームズは実在した人物なのです。

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直接の所縁はないけど、トラファルガー広場の近くにはPub Sherlock Holmesがあり、ここにもホームズの部屋があります。

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シャーロックホームズの魅力は、

ビクトリア朝時代のロンドンの様子が克明に背景として描かれるなか、奇怪な事件をホームズが解決していくプロセスもさることながら、事件の犯人を自ら罰することなく、その人の運命を憂いて自由にしてあげる事すらある、冷徹な天才でありながら、妙に人間っぽいところ。

 

シャーロックホームズは物語の中で、たくさんの役に立つ言葉を残しています。

僕もその言葉に導かれて、たくさんの修羅場をくぐり抜けてきました。

そんな僕の心に響いている、実生活で役立ってきたいくつかの言葉を。

 

*不可能なことを取り除いていって、残ったものがたとえどんなに奇妙なことであっても、それが真実なんだよ。

*事件の外見が奇怪に見えれば見えるほど、その本質は単純なものだ。

 ----この二つはエンジニアをやっていると、その通りな場面に何度も遭遇しました

 

*人は事実に合う論理的な説明を求めず、論理的な説明に合うように、事実の方を知らず知らずのうちに曲げがちになる。

----多くの人がはこれに当てはまります。かくいう自分も油断をすると、こうなります。 

  古代ローマの英雄ユリウス・カエサルも同じ意味の言葉を残していますね。

 

*失敗するのが人の常だが、失敗を悟って挽回できる者が偉大なのだよ。

----これを忘れず、失敗を悟ると偉大になれたかわかりませんが、問題の答えにはたどり着けるのです。

  こちらは古代ギリシアの政治家ペリクレスも同じことを言ってました。

 

*自分の考えが正しいと得心できるまで、口外せずに熟慮する。

----これは日頃から実践している事です。が、熟慮しすぎると話が前に進まなくなるので注意。。

 

シャーロックホームズは今までも、これからも僕の人生の先生の一人であり続ける。

 

P.S.

シャーロックホームズの熱狂的なファンのことを「シャーロキアン(Sherlockian)」「ホームジアン(Holmesian)」と呼び、世の中にはその協会が存在します。興味あればぜひのぞいてみて下さい。

 

・本家ロンドンのシャーロキアン協会--http://www.sherlock-holmes.org.uk

・日本のシャーロキアン協会---日本シャーロック・ホームズ・クラブ

・1934年設立、最古のシャーロキアン協会について

 The Baker Street Irregulars (society) - The Arthur Conan Doyle Encyclopedia

 

 

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