cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

欧州列車の小話 〜バルセロナへ

僕は南仏ニースから夜行に乗りスペインのバルセロナへ向かった。雨のニースからバルセロナへ向けて出発したのは夜10時過ぎだった。 南フランスからバルセロナに向かうときは地中海沿いをひた走り、国境の街ポル・ボウでSNCF(フランス国鉄)からRENFE(スペイン…

パリのノートルダム寺院(火災の後に)

昨日、パリのノートルダム寺院が焼けるニュースを見てとても辛かった。 僕にとって一番綺麗で心惹かれたノートルダム。フランス人にとっては心のような教会だろう。そのノートルダムが激しく焼け、屋根部分が完全に焼け落ちてしまった。 20年前何度もパリを…

欧州列車の小話 〜フランス人と言葉

夜行列車で南フランスへ行くときのこと。 安く効率的に移動するために、いつものように「クシェット」という簡易寝台を使う。クシェットは一つのコンパートメントに両脇に3段、六人分の簡易ベッドがあり、シーツとぺったんこの枕だけ貸してくれる。一応ベッ…

ゴッホの小話 〜ゴッホと僕

子供の頃から絵を描くのが好きで、学校では図工の授業が一番好きだった。そしていつの頃からか気がつけば絵を観ることも好きになっていて、美術展があれば出かけたり、旅行先では美術館に足を運ぶ、むしろ美術館に行くために旅行するような感じ。 記憶を辿れ…

ゴッホとオーヴェル 〜ラヴー亭

あの年の夏、僕はスイスを周りパリに入りました。あの年はスイスでもとても暑く少し歩いただけで汗が噴き出す、そんな夏でした。スイスでそんな感じなので、フランスはもっと暑い。 僕はオルセーでゴッホの作品を見てから、ゴッホ終焉の地であるオーヴェルに…

ゴッホとオーヴェル 〜ゴッホの足跡

ゴッホ終焉の村、オーヴェル・シュル・オワース。 パリの北西約30km、セーヌ川に続くオワース川のほとりにこの小さな村はあります。オーヴェル・シュル・オワース(Auvers-sur-Oise)はオワース川沿いのオーヴェル村という意味。細長い形をした村から発するよ…

南仏の小話 〜大きく彷徨う

あの年、ヨーロッパ入りした次の日にベルギーのブリュッセルから夜行列車で南フランスに入った。時差ボケと移動の疲れが残ったまま夜行に乗り、睡眠不足早朝、まだ人が動き出す前のアルルに到着してニーム、ポン・デュ・ガール、アヴィニヨンを回る予定を立…

南仏の小話 〜ニースの紺碧の海

僕は丘の上のシャガールを見た後、もう一度ニースの海岸に戻ってきた。 もう夕方、徐々にあたりが暗くなり始めていたその時に偶然見ることのできた地中海の姿が忘れられない。 暗く立ち込める雲の向こうに明るい空があり、海は手前のエメラルドから奥にとて…

ローマと南フランス

アルルを訪れた年、南フランスの街をいくつか回った。 当時はまだそれほど知らなかったのだけど、実は南フランスはローマの足跡がとても多いところだった。 都市国家として生まれたローマがイタリア半島を統一した後、ガリア(現フランス)に勢力を拡大して…