ヴェネツィアは細く複雑に入り組んだ路地がいっぱいです。
歩いてヴェネツィア本島を移動するとき、二度と同じ道は辿れまません。ヴェネツィアを歩くには地図は必要ない。「地図は用をなさない」と言ったほうがいいかもしれない。人ひとりがやっと歩ける路地、複雑に組合わさったたくさんの小さな道を歩くには、地図はかえってじゃまになるようです。
どの方角になにがあるかを頭に入れ、あとはひたすらそっちの方角へ歩く。迷ったと思ったらちょっと大きな運河に出れば方向修正できるので、道はわからなくとも目的地にはたどり着く。ヴェネツィアの路地とはそんなもの。
塩野七生、「イタリアからの手紙」の一説によれば。。。
「ヴェネツィアをわかりたいと思ったら、夜、人のいない街を歩きたまえ。自分の靴音だけを聞きながら、運河に沿って、建物の壁に沿って歩くのだ。」
ふらふら歩いているとひょこっと「サンマルコ広場、リアルト橋、こっち」という看板に出逢います。本当か?と疑いながらその矢印に従っていくと突然視界が開け、広場に到着する。
運河にかかる小さな橋と家並み。ここには「ヴァポレットはこっち」とある。
運河には橋と共に洗濯物もかかる。一般の民家は漆喰が剥がれてレンガ剥き出し。その風合いがまた良いです。ヴェネツィアの日常を垣間見た気がします。
路地が細いから、陽の刺すところと刺さないところのコントラストがくっきり。光と影。ヴェネツィアという街をよく表す一枚です。
光と影、運河にかかる橋。これもヴェネツィアを暗示するような一枚。そして建物の微妙な傾き具合も。。。
ヴェネツィアの街歩きは新鮮な驚きや、発見の連続です。当てもなく歩いていると、突然こんな小さな運河に出逢います。ゴンドラが休んでいます。
小さな路地から小さな運河。
真っ直ぐ伸びる路地というのがほとんどない。真っ直ぐのようでも緩やかにカーブしてる。
そういう路地、意図したものかどうかはわからねど。それがヴェネツィア。
ここは露骨にカーブしてる。レンガ剥き出しの建物がいい風情を醸し出している。
ヴェネツィア工事中。
ヴェネツィアらしいというより、イタリアらしい一コマ
これもイタリア。渋い建物と鮮やかな花。そしてカラフルな洗濯物。
細い路地を颯爽と歩く。路地の細さと建物の壁が躍動している一枚。
僕が見つけた中でヴェネツィアで最も細い路地。
今ならスマホでナビもできるし、軌跡も辿れる。写真を取ればGPSで位置情報が記録されるから「2度とたどれない」ということはまずないでしょう。でも、辿れないことの尊さというのがあって、僕はこっちを大切にしたいんだなあ。