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ローマ小話 コンクラーヴェ

最近ニュースで話題になった「コンクラーヴェ」。

たまたま偶然なのだけど、先ほどまでこのコンクラーヴェの会場となったヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の記事を書いていたので、キリスト教徒ではない僕も今回のコンクラーヴェはより一層興味を持って見ていました。

◾️教皇選挙 コンクラーヴェ

コンクラーヴェとは教皇が退位または崩御した後に次の教皇を決める「教皇選挙」です。世界人口の約1/3に相当する現約23億人のキリスト教徒のリーダーを決めるとても神聖で重要なイベント。前回は2013年に行われたので、12年振りのコンクラーヴェとなります。

コンクラーヴェ(Conclave)はそのまま「教皇選挙」という意味で使われるのだけど、元々は「鍵がかかった部屋」という意味の古代ローマのラテン語がその由来となっていると言います。その会場であるシスティーナ礼拝堂に、全世界から集まった赤い法衣を羽織った枢機卿全員が入ると、入り口にゴツい鍵がかけられ、枢機卿たちを缶詰状態にし、古式に沿って教皇選挙が行われます。コンクラーヴェ(鍵のかかった部屋)でコンクラーヴェ(教皇選挙)が行われるのです。現在ではコンクラーヴェの期間、枢機卿たちはスマホなどの通信手段はすべて没収され外部との連絡や情報入手は完全に遮断されます。さらにヴァチカン周辺は通信妨害がかけられるといった念の入り様で、外からは教皇選挙に関わることができないようにするのです。

◾️コンクラーヴェの起源

なぜ教皇選挙がこのような形で行われるようになったのかというと、13世紀いろいろなしがらみから3年もの間新教皇が決まらないという時期があり、それに我慢ならなかった市民信者たちが、枢機卿たちを一つの部屋に閉じ込め、新教皇が決まるまで外から鍵をかけ出て来させなかった。この出来事が現在に続くコンクラーヴェの始まりだとか。

そして教皇が決まるためには全枢機卿の2/3の票が必要で、コンクラーヴェが始まると初日の夜に1回、以降は午前と午後に1回ずつ投票が行われ、2/3以上の票が得られた人物が出るまで選挙は繰り返し続けられることになり、過去最長のコンクラーヴェは5日間だったそうです。

◾️白い煙

システィーナ礼拝堂の中で密閉されて行われるコンクラーヴェのその日の結果は、システィーナ礼拝堂の煙突から出る煙によって外の人たちに知らされます。新教皇決定なら白い煙、決まらなければ黒い煙が、その日の結果を知らせてくれる。

今回コンクラーヴェは全世界から133人の枢機卿が集まりその中から一人を新教皇として選びます。また多くの信者が世界中からサン・ピエトロ広場に押し寄せ、その結果を固唾を飲んで待ち侘びて、システィーナ礼拝堂の煙突から出る煙の色に集中し、その結果に一喜一憂する。

今回コンクラーヴェは4月7日の夜に始まり、初日は黒い煙がたちのぼり、その瞬間、ヴァチカン中、いやキリスト教世界全体がため息を漏らしました。その後、三日目の午前中に行われた4回目の投票の後に煙突からの白い煙が確認できると、大歓声が起こり新しい教皇の誕生にヴァチカンが、ローマ中がキリスト教世界中が湧き立った、足掛け3日間のコンクラーヴェでした。

過去にはハプニングでグレーの煙が出てしまったり、その時の空や光の関係でどっちか分からないという事態があったそうで、今回から白い煙と同時に鐘を鳴らすことで新教皇決定を知らせるようにしたとのこと。

◾️レオの系譜

新しい教皇様はアメリカ出身の枢機卿、アメリカ人が教皇に選出されたのは歴史上初めてらしい。教皇となられてからはレオ14世と名乗ることになったそうです。

ちなみにその系譜の祖となるレオ1世どんな人物だったかというと、歴代教皇の中で二人だけに与えられた「大教皇」の称号をもつ偉大な教皇。ローマ帝国がまだ健在だった頃の4世紀末にピサで生まれ、教皇在位は440年〜461年の約21年間。当時カトリックとローマ教会の権威を高め、外敵からローマを守ったことで「大教皇」と称されました。

またレオ10世は1513年〜1521年教皇を務めた、フィレンツェのメディチ家出身として初めての教皇で、先ごろまで記述してきたサン・ピエトロ大聖堂の建設を推し進めたり、ミケランジェロやラファエロのパトロンとしてたくさんの作品を制作させるなどして、ローマのルネサンス最盛期を作り上げた文化事業に多くの功績を残した教皇。

新しい教皇はこの「レオ」の名を継ぎます。どうか世界を平和に導いて欲しいものです。

 

◾️僕の視点

もし僕が枢機卿の一人だったとしたら、と妄想してしまいます。

ミケランジェロが作り上げたあの荘厳な空間に、全世界から集まった正式な法衣を纏った枢機卿、その様子はさぞ厳かで威厳に満ちたものだろう。そして丸一日中、選挙が終わらなければ何日でもこの空間に閉じ込められることはつまり、ミケランジェロの天井画や最後の審判の世界にどっぷりひたることができる、最高です。神聖な儀式について、大変不謹慎ではありますが僕なら喜んでシスティーナ礼拝堂に閉じ込められます。

そして、帝政初期に芽吹いた新興宗教で、当時は迫害の対象ですらあったキリスト教が、今や世界最大の宗教になり、多くの人々に救いとさまざまな影響をもたらしている、と思うとなんだか、勝手ながら感慨深いものがあります。

 

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