いままで3回ホーエンシュバンガウに滞在して、毎回一度も欠かさなかったのがテーゲルベルクの山トレッキング。山歩きの途中で見るノイシュバンシュタイン城のながめが好きで、毎回必ず歩いています。
テーゲルベルクへのロープウェイ(Tegelberg bahn)乗り場まで、ホーエンシュバンガウの村から2kmほど、シュバンガウの平原をのんびり30分くらいの散策です。
とても良い天気のある年、朝一番に乗ろうとホテルを出てロープウェイ乗り場を目指します。
途中、最初暗かった山と平原に徐々に日の光が広がっていきます。
少しモヤがかかった景色は白く光に包まれ、徐々に色鮮やかになっていく様は心も体も洗われる思いです。
小鳥のさえずりを聞きながら、山の方を眺めればそこにはノイシュバンシュタイン城。
まだ、城のところには朝日が届いていません。
手前の、光あふれる平原と木々と、山の上の城のコントラストがとても心地よい。
ロープウェイで山の上に出る。
ここからはシュバンガウの平原の湖の向こう、遠くの方まで見渡せます。
この年は天気がよく、タンデムフライト(プロのおなかにくっついてのパラグライダー)がたくさん飛んでいました。出発前、プロに抱えられたお客はビデオカメラ片手にとてもうれしそうにしてた。
パラグライダーは走り出したと思ったら、あっという間に遥か彼方へ。
この年、たくさんのパラグライダーがノイシュバンシュタイン城の上を飛んでいたのが村からもよく見えました。
テーゲルベルクにはいくつかトレッキングコースが設定されています。ロープウェイを降りてすぐ、かなり大雑把な、でも味のある地図が示されていて、コースが色分けされている。
僕はおそらく一番楽であろう、青のコースを毎回辿ります。
スタートして間もなく、野生の鹿たちに遭遇。
しばらくは森の中、木々の間を進んでいきます。
そして、途中に獣道の入り口ようなものに偶然気がついた。なんだろうと身をかがめて恐る恐る入っていくと、絶壁の端に出た。そしてこんな景色が目の前に現れました。
はるか眼下にノイシュバンシュタイン城、ホーエンシュバンガウの村、アルプ湖から遠く雪をかぶったアルプスの山々まで見渡せる。でも、足元は切り立った崖。
このコースにはこんな隠れポイントがいくつか存在しました。
ところどころの獣道で絶景を堪能しながら徐々に山を下り、やがてホーエンシュバンガウでも最も好きな場所に。
ここが僕がホーエンシュバンガウで最も好きな場所。
ちょうど木々がきれ、崖と谷底を挟んでノイシュバンシュタインが近く、きれいに見える場所です。そして、ここは観光客でごった返す城内の混雑とも、マリエン橋の騒々しさとも無縁の別世界。僕の前は絶壁で、城と僕との間には空気以外に何も無い。
(写真の城の中庭に場内ツアーの長い列が見えます)
僕はいつもここの倒木に腰掛け、長いこと城を眺めてすごします。いつまでいても飽きることがありません。ここはノイシュバンシュタイン城を独り占めしているような気持ちになれる、そんな場所です。
後ろ髪を引かれる思いでここを去り、またひたすら道を進むと、先に紹介したマリエン橋に到着して、トレッキングコースは終わります。
観光客で溢れていても、ここの景色もやっぱり素晴らしいですね。
僕はこれらの景色が見たくて、ホーエンシュバンガウにくると必ずテーゲルベルクのロープウェイに乗り、青のトレッキングコースを歩きました。
次にホーエンシュバンガウに行くチャンスがあれば、やはり必ず行くでしょう。
あの景色を見るために。