標高1035mのシャモニの街から、2つのロープウェイを乗り継いで一気に3842mの富士山より高いところまで僕たち観光客を引き上げてくれる。
ほかのアルプスリゾートと同じく、本当なら重装備で何時間もかけて登っていかないとお目にかかれない絶景が、軽装で、足の悪い人も老若男女だれでもが眺めることができるのです。
*小さな塔が見えるところが展望台です
シャモニの街からエギュイーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi/ ミディ針峰)の山頂に作られた展望台まで標高差3000m近くを10分あまりで登ります。全体的に引っぱり上げられる感じのこのロープウェイはかなりスリリングです。
途中1000mほど上ったところのプラン・ド・エギュイーユで乗り換えます。このプラン・ド・エギュイーユ到着直前には無重力体験が待ってます。大きなゴンドラがふわっと浮かび揺れる。その瞬間、乗客みんなで声をあげる。この荒っぽさはスイスにはありません。
そしてエギュイーユ・デュ・ミディまで、これは「登る」というより「引っこ抜かれる」といった感覚なのです。特に山頂近くはまるでエレベータのように絶壁の岩壁に沿って、岩壁にぶつかるんじゃないかと思うくらいの距離で、ほとんど垂直にロープウェイは登ってゆくのです。
無事ロープウェイを降りるとそこは、北峯。ここにも展望台がありますが最も高い中央峰の頂上展望台へ更にエレベータで登ります。
標高3842m、ヨーロッパで一番高い場所にある展望台に到着です。
ここからはモンブランが間近に見られます。ここから眺めるモンブラン山群はとにかく雄大。
僕はこの時、ここ3842mで朝食をとりました。もちろんモンブランを眺めながら、用意していたパンやハムをかじった。
1817年、詩人バイロンはこう残しています。
「モンブランは山々の王である。岩の王座の上、雲の衣を纏い、雪の王冠を飾るのだ」
*シャモニで買った絵葉書
中央峰の展望台から北峰の展望台(ロープウェイの駅のあるところ)を眺める。遙か下の方にシャモニの街が見える。
バレ・ブランシュ(Vallée Blanche / 広大な雪原)
中央の切り立ったとても目立つ山はヨーロッパ3大北壁の一つ「グランド・ジョラス(Grandes jorasses 4208m)」
エギュイーユ・デュ・ミディはすぐ下に広がるバレ・ブランシュへの玄関口。冬はスキーヤーで、夏は雪山散歩を楽しむ人たちでにぎわいます。なので、エギュイーユ・デュ・ミディは僕のような軽装の観光客と重装のクライマー達とが混在する不思議な所となります。
モンブランからシャモニの方へ急勾配を流れ落ちるボソン氷河。
下から見ても上から見てもこれでどうしてシャモニの街が無事なのか不思議に思うくらい迫力のある氷河です。