下にあるのはもう25年も前のバルセロナでの話。ガウディの作品は何十年、何百年時を経ても褪せることはない。当時のバルセロナの様子も、それはそれで日本との違い、日本との関わりを知る上で面白いと思うのでここに載せることにしました。さあ行ってみよう、25年前のバルセロナへ!
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バルセロナでのホテルでのこと、到着してすぐ外へ出かける準備をする間、何気なくテレビをつけた。画面には闘牛が映し出された。闘牛をテレビ中継するとはさすがスペイン、とその時は特に気にもとめずにサグラダファミリアへ行くために外へ出た。
その日一日バルセロナを歩き回って帰ってきたのは午前0時をまわっていた。バルセロナは街そのものの夜が遅い。街は賑やかで午前0時は日本でいう夜8時くらいの感覚だろうか?夕食食べて、夜のサグラダファミリアを見て、カサミラの前を通って、カサバトリョを見て帰ってきた。
部屋に戻り再びテレビのスイッチを入れると、その画面には朝と同じくまた闘牛が現れた。もしやここは闘牛専門チャンネルというやつでは?と思いつつ、始めての闘牛中継にしばらく見入ってしまった。それまでの僕の闘牛知識といえば「赤いマントと剣を持った闘牛士と牛との1対1の勝負」程度だった。1対1といっても人間は武器とマントを持っているのだから"あまりフェアじゃない"というのが、僕の闘牛に対する勝手な印象だった。しかしその闘牛チャンネルに映し出される闘牛は、実に様々な種目に分かれて次から次へと競技が続いていった。
一般的によく知られる、赤(ピンクに近い)マントで牛を挑発するもの。
そして人間数人対牛一頭。素手の人間数人がチームで一頭牛を押さえ込むというもの。暴れる牛を人間が折り重なって取り押さえる様は闘牛とはいえスリリングと言うよりはコミカルだ。でもこれはまたフェアじゃないなあ。。。
そして、ついに人間と牛1対1で勝負の種目が登場した。
それも人間はヒラリ赤マントもなし、剣だけを持って牛に対峙する。興奮して前足で地面を掻いていた牛に、突然その牛に、人間が突進する。人間は牛の武器である角の攻撃を交わして剣を牛の背中に突き刺す。これが数回繰り返されどちらかがダウンするまで続く。と、いうもの。赤マントでひらひらと牛をかわしていく、よく知っている一般的な闘牛よりもこれなら、牛の角と人間の剣とでフェアな戦いと思えるし、ずっとスリリングでおもしろい。
といった具合にどうやらこのチャンネルでは1日中闘牛中継をしているようだ。もう一つ発見だったのだが、どの競技にも闘牛士が危険な状態になると数人のマントを持った男達が脇から出てきて牛の注意を闘牛士からそらすといった、サポート部隊が控えているということ。勇猛果敢な闘牛の世界でも"万が一"には備えているようだ。
さて、他のチャンネルも覗いてみた。
まずアニメチャンネル。放送されているのはほとんどが日本産のアニメ。スペインに限らずヨーロッパで日本のアニメが放送されることは別に珍しいことではない。イタリア語をしゃべるドラえもんやフランス語のドラゴンボール等、子供が好きなものは世界共通である。このときはドラえもんやのび太はスペイン語を話していた。
また、ここバルセロナのテレビでは、僕も再放送ですらみたことないようなとても古ーい番組が放送されていた。一見「巨人の星」の様な舞台設定(一昔前の戦後の日本?)で汚い、狭い畳敷きの部屋にちゃぶ台という家のシーン、木で作られた家の塀や電信柱のある戸外、そして鼻水垂らした子供たちがスペイン語をしゃべる。なんというミスマッチ。バルセロナの子供たちはこの作品を違和感なく見ているのだろうか?楽しんでいるのだろうか?と疑問に思いながら。。。。ほんの数分見ていただけなのでそれがなんというタイトルかは判らなかったけど、とにかくかなり古いものであることは画面に現れるノイズや絵からも間違いない。こんなものまで輸出しているとは日本のアニメ産業はすごい。
最後に見つけたのはスポーツチャンネル。
そこで中継していたのは"全日本プロレス"だった。今までもいろんな国で日本のアニメは見たけど、日本のプロレスが見られるとは。。。。バルセロナのテレビの中でジャイアント馬場の十六門キックが炸裂するのだ!ここはどこだ?と疑いたくなる。
次の日の朝、テレビをつけるとまた全日本プロレス中継だった。その日の夜も、次の朝も。。。ということは、ここは全日本プロレス専門チャンネルということだったのだろうか??日本のコンテンツおそるべし。
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