cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

2023-01-01から1年間の記事一覧

カエサル19 首都の変化

ガリア戦役開始当初は密かに、秘密裏に行われた三頭政治も戦役3年目あたりからは周知の事実となりました。元老院派の議員たちはいつの間にやら自分たちの知らないところで国政が動いていたことに怒りと焦りを覚えたでしょう。そしてガリア戦役が終わるまでロ…

小話 上田墓参

うちの家系は代々ここ上田に居を構えてきた(らしい)。父の墓参りにきたのだけど、そこには父だけではない親戚一同、そして先祖代々のお墓が並ぶのです。 下の写真はお墓群を背中から写したもので、中央の黒い高い墓石が現在の一族のお墓。その後ろに並ぶた…

小話 上田映劇

僕の両親は長野県上田市出身。父の命日にちなんでお墓参りに行ってきました。コロナで自粛をしていたのでかれこれ3年ぶりだろうか?次の日朝から仕事があるので無理はせず、母と二人で新幹線で行ってきました。電車で行くのはさらに久しぶりで10年ぶり?さ…

カエサル小話 今年の3月15日

今年も3月15日がやってきた。今日は8年前他界した父の葬儀を行った日であり、西洋世界の英雄で、僕にとっても、とても身近な存在であるユリウス・カエサルが暗殺された日です。ヨーロッパ人ならほとんどの人が3月15日と聞いたらカエサルが暗殺された日と認識…

カエサル 18 「ガリア戦記」

その見事な文章から、現代においても「文学作品」として普通に本屋に並ぶ、カエサル著「ガリア戦記(Commentarii de Bello Gallico)」。 紀元前58年から8年間に及ぶカエサルのガリア遠征、その最中に本国ローマに対して、戦役の報告書として書き送られたのが…

カエサル17 ガリア戦役 ヴェルチンジェトリクス

ガリア戦役7年目のドラマは、後の時代に生きる人にとってはローマの勝利という結末のわかっている話であり、ワクワクして歴史を辿りながらも知っている結末に向かってその叙述もできるわけだけど、当時その現場にいた当事者でるローマの軍団兵は薄氷をふむ思…

空と雲と 月と惑星

2月22日は月と木星と金星が同時に見ることができる日でした。 夕暮れ時、西の空に徐々に細くて素敵な三日月が現れました。そして空が暗くなるにつれて、まず遠くに金星が、やがて月と金星の間に木星が現れる。 夕焼け残る空に月と木星と金星が一直線に並ぶ姿…

空と雲と 幻の日

今日は面白い空を見ることができました。 太陽を中心に幻想的な光の輪。そして横に若干の虹色を帯びた光の鏃(やじり)。 これは太陽の前に雲のような層がある時に起こる現象で、 光の輪は「22度Halo」、光の輝点は「幻日」という名前が付けられています。22度…

カエサル16 ガリア戦役 暗転

紀元前54年の冬 例年戦闘のできない冬の時期、軍団は一箇所の冬営地に集まりガリアの地で越冬します。その間カエサル自身は南仏属州あたりの、本国との境目付近にもどって首都ローマに対して様々な指示をだしていたのでした。ところがB.C.54年の冬に差し掛か…

空と雲 となりの朝の空

ヨーロッパの素晴らしい街や遺跡、自然の絶景は現地に行かないと見ることはできないんですが、空の景色に関しては遠くに行かずとも、気付きさえすれば、その素晴らしい景色を堪能することができるんです。 ただ、僕の住んでいる場所は住宅街で、電柱・電線が…

カエサル15 母の死、娘の死

B.C.55年7月ガリア戦役の最中にカエサルは母を亡くし、翌B.C.54年8月に娘を亡くします。ガリア戦役の最中、カエサルはローマに戻ることもできず、カエサルは二人の死に目に遭うことも、弔ってあげることもできなかった。公私を明確に切り分けていたカエサル…

カエサル14 ガリア戦役 イギリス〜ドーヴァー海峡横断

B.C.55年、カエサルがもう一つ行った大事業とは、ドーヴァー海峡を渡りブリタニア(イギリス)に上陸したこと。これもまたローマ人初の出来事でした。 ゲルマンの地でゲルマン人や北部ガリアの諸部族に反ローマの支援を行っているのがブリタニアにいる民族であ…

カエサル13 ガリア戦役 ドイツ 〜ライン渡河

ガリア戦役4年目(B.C.55年 カエサル45歳) カエサルはこの年、二つの大きな仕事を成します。 一つは対ゲルマンでの出来事。 前年のルッカ会談で合意したであろう通りに首都ローマでポンペイウスとクラッススが執政官になり、それぞれのプロコンスルとしての任…

古代ローマ小話 人質の話

ローマは周辺諸国との戦争に勝利すると、敗者である国や部族から人質(ラテン語 obses)をとってきました。人質というのは奴隷と違い、国のトップ、有力者の子息である必要があります。一般的な意味合いとしては敗者の有力者の子供達を勝者の地に置くことで、…

カエサル12 ガリア戦役 フランス大西洋岸

ガリア戦役3年目(B.C.56年 カエサル44歳) 現フランス北西部ブルターニュ地方にはヴェネティ族がいました。ヴェネティ族は大西洋岸一帯では最も勢力のあるガリア部族で、優れた海軍をもち、ブリタニアとの親交もあった。一度ローマに対して恭順の意を示したも…

カエサル11 ガリア戦役 ベルギー

ヘルヴェティ族(スイス人)の移動による混乱を防いだあと、ガリアの部族長によってゲルマン問題の詳細を知ったカエサルはB.C.58年に冬営に入る前にゲルマン人と対峙して、現在のライン河をローマ世界とゲルマン人の境界とすることに決めます。 ガリア戦役2年…

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます 2023年、平和に安心して生きていける世界になりますように。 cmn.hatenablog.com