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フォロ・ボアリオ マルケルス劇場界隈3

フォロ・ボアリオ(イタリア語: Foro Boario / ラテン語:  Forum Boarium)

真実の口広場に面しテヴェレ川のほとりに位置するフォロ・ボアリオ。ここには共和政ローマ時代の古い二つの小さな神殿が残された、静かで小さなフォロです。

パラティノ、カピトリーノ、アヴェンティーノの3つの丘に挟まれたこの場所は古くから人が集まる場所、交通の要衝、商業の街として発展します。

元々王政期には、ここは牛市場でした。

6世紀にローマが共和制に移行すると、テヴェレ川に面したこの場所にはローマ最初の港ポルトゥス・ティヴェリウム(Portus Tiberium)ができました。また紀元前264年、この場所でローマで最初の剣闘士の試合が行われました。当時は葬儀の儀式として剣闘試合が行われたそうで、この時父を亡くした家族が3組の剣闘士による試合をおこなったという記録がある。

この場所は長い時間の流れの中でとても重要な役割を果たしてきました。現在の様子はとても地味なのだけど、地勢的な観点からも、そういう人が集まり活発な交流が生まれ、何かが生まれる場所になるべくしてなったと言えます。

そんな場所に今も建つのはヘラクレス・ヴィクトル(フォルトゥナ・ヴィリリス)、ポルトゥヌスの二つの神殿。

手前の円形の神殿はヘラクレス神殿。その形から何世紀もの間「ヴェスタ神殿」と呼ばれていました。

紀元前2世紀に建てられたペリスタイル建築で、ぐるりと周囲をめぐる20本のコリント式円柱のうち19本が当時そのまま残っています。まだローマが大理石の街へ変貌するずいぶん前、既に大理石で建てられている事から、とても重要な神殿に位置付けられていたことが想像されますが、正確な記録が残っておらず、誰が何のために建てたのかわかりません。これだけしっかりと文字で記録が残っているローマにおいては、珍しいことかもしれません。ローマに現存する最古の大理石建築としても知られます。

丸く円柱を周囲に巡らせる様式はとても柔らかく女性的な印象を受けます。街の景観に対する柔らかなアクセントとしても重要な役割を果たします。

 

そして奥にあるイオニア式円柱をあしらった小さな神殿は川と港の神を祀るポルトゥヌス神殿。紀元前100年頃に建てられた、長方形の土台に正面に4本の自立するイオニア式円柱、壁に埋め込まれる形でさらに10本の円柱があしらわれています。 こちらも何世紀にもわたってフォルトゥナ・ヴィリリス神殿と呼ばれていました。

どちらも古代ままほぼ完全な形で残ると言われる数少ない遺跡。西ローマ帝国の末期に二つの神殿共にキリスト教会に改築されたおかげで昔のままの姿を止めることができたといいます。

このフォロ・ボアリオを背にして立つとあの観光名所が道を挟んだ向こう側にあります。こちらの静寂とは真逆の喧騒が遠くからもわかりました。。。

あそこには朝早く行くことにします。

 

 

 

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