cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

イタリア

フォロ・ロマーノ 風景

フォロ・ロマーノの風景 ローマの景色はそれだけでも絵になりますが、カメラのファインダーから伝わってくる、長い長い歴史の深さは写す風景を一層深いものに仕上げてくれます。そんな気がします。 コロッセオからフォロ・ロマーノを眺める夫婦。 神殿の名残…

ローマ小話 ローマ建国の物語

紀元前753年4月21日、ローマが誕生しました(ということになっています)。 ローマ人のルーツはトロイの木馬の物語で知られるトロイア人(とローマ人が言っています)。あの有名な「トロイの木馬」として現代に伝わる物語がローマの始まり(ということになってい…

パラティノの丘 フォロ・ロマーノ界隈 5

パラティノの丘(Palatinus/Palatino) 古代ローマ7つの丘の中で、神聖なカピトリウムの丘と並んで重要な丘パラティノ。ここはローマ発祥の場所とされます。 フォロ・ロマーノの入り口あたりからはパラティノの丘は奥に緑に覆われた丘として見えます。この丘か…

フォロ・ロマーノ 神殿 フォロ・ロマーノ界隈4

フォロ・ロマーノにはたくさんの神殿や公共建造物があります。神殿やその他公共施設の円柱や基壇が残るほか、地面には円柱の一部や、柱頭、梁など実に様々な構造物が転がっています。ほとんどが原型をとどめておらず、今でもわずかに残る神殿の円柱が、無造…

フォロ・ロマーノ 聖なる道と凱旋門〜フォロ・ロマーノ界隈3

ローマの街でよく耳にする「フォロ」はラテン語で「フォルム(Forum)」と言い「公共広場」を意味します。そしてForumは「フォーラム」として現代日本でもよく使われる言葉です。ということでフォロ・ロマーノとは「ローマ市民の公共広場」を指すのです。 下は…

フォロ・ロマーノ 外縁 〜フォロ・ロマーノ界隈2

フォロ・ロマーノ/ Foro Romano カンピドリオ広場を抜けて、突然開けた視界に飛び込んできた僕がはじめて見たフォロ・ロマーノの姿。ローマ帝国の中心部、世界の首都(Caput Mundi)の姿です。 「レンガの街を受け継ぎ、大理石の街として残す」 初代皇帝アウグ…

カンピドリオの丘 〜フォロ・ロマーノ界隈1

カンピドリオ(カピトリーノ)の丘 (Monte Campidoglio / Capitorino)は僕がローマで最初に訪れた場所です。当時郊外のホテルから無料送迎バスに乗って最初に降りたのがカンピドリオ広場の下。ここから丘の頂上に向かう美しい階段のような坂道、コルドナータ(…

ローマ小話 ローマへ

アリタリア航空でミラノを経由してローマにはいると、フィウミチーノ空港に到着するのは夜の8時頃。そこから入国手続きをしてから電車でローマのテルミニ駅へ向かうともう外は真っ暗です。 空港からローマ市街の中心まで約30分ほどの電車の旅になるのだけど…

ユリウス・カエサル 目次

ガイウス・ユリウス・カエサル(Gaius Iulius Caesar BC100-BC44) カエサルとはなんであったのか?をカエサルを知りたかった僕が、カエサルをこれから知りたい人のために、いやかつての自分に向けて、まとめてみたいと思います。 指導者の資質~イタリアの高…

ちょっとローマ史 目次

もしローマの歴史を深く知りたいと思えば、たくさんの本とインターネットの世界がその欲求を十分かなえてくれるでしょう。現代人が書いた本、ルネサンス期のイタリア人が書いた本、そして古代ローマ人が自分の国について書いた本。いろいろな時代のいろいろ…

ヴァチカン界隈 目次

世界最小の国家ヴァチカン市国。東京ディズニーランドより狭いこの不思議な国の生い立ちはなんなのか。 テヴェレ川が屈曲するこの一帯には、かつてネロ帝の庭園やカリグラ帝の競技場、そしてコンスタンティヌス帝の霊廟がありました。しかし今ではこのあたり…

スペイン広場界隈 目次

スペイン広場は映画「ローマの休日」でオードリーヘプバーンが階段にすわってジェラートを食べるシーンでとても有名になった場所。またこの界隈は高級ブランドのブティックが並ぶハイソな地域でもあります。なぜここが「スペイン広場」なのか。珍しい双子の…

テルミニ駅界隈 目次

現在のローマの鉄道の玄関口、とても近代的なデザインの「テルミニ駅」。その界隈にも古代ローマに繋がる歴史深い建物、遺跡がたくさんあります。 テルミニ駅 サンタ・マリア・マッジョーレ教会 共和国広場 など cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com

トレヴィの泉界隈 目次

ローマといえば思い浮かぶ観光名所「トレヴィの泉」。僕もローマを訪れると必ず足を運ぶスポットです。単なる観光名所と思われがちですが2000年前から存在している歴史の深い泉のです。そしてローマにあって地味な存在といえるかもしれませんがイタリア大統…

マルケルス劇場界隈  目次

マルチェロ劇場(Marccello)界隈のこの、フォロ・ロマーノとテヴェレ川の間に挟まれた地域も魅力的な遺跡・名所が並びます。 カンピドリオの丘をテヴェレ川の方へ抜けると、古代の劇場に競技場、神殿とテヴェレ川に浮かぶティヴェリーナ島、遺跡ではないけれ…

パンテオン界隈 目次

パンテオン界隈では三つの重要な広場を中心に回ります。 いかにもローマらしい「全ての神々に捧げられた神殿」パンテオン2000年前の姿そのままに存在します。古代ローマでは戦車競技場だった美しいナボナ広場、ローマの領土を最大にして平和な帝国を築き上げ…

フォロ・ロマーノ界隈 目次

フォロ・ロマーノ(Foro Romano)は古代ローマの時代、千年にわたり地中海世界の中心だった場所です。政治・経済・宗教といったいわばローマ世界のすべての中心。そしてローマが生まれた場所。 この界隈には歴史の教科書に出てくる重要な遺跡群とルネサンスの…

ローマ 目次

「いずこの地もそれぞれ思い出深く、どこがもっとも心に残ったかを決めるのは難しく・・・・ローマです。何といってもローマです。」 映画「ローマの休日」のラストシーン、オードリー・ヘプバーン扮するアン王女は記者団にこう答えました。 「永遠の都」ロ…

ローマ小話 初めての古代のコイン

随分前のことになりますが、ゴールデンウィークに豪勢な長期休暇をとってヨーロッパに旅行に行く友達に、ちょっとお願い事をしてみました。「古代ローマのコインを買ってきて」と。 当時聞いた話では「古代ローマのコインは遺跡からザックザック出てくるので…

小話 ユリウス・カエサル

これから"cafe mare nostrum"は「ローマ」へ進んでいくのだけど、そこで触れたい人物がいます。それは、 ユリウス・カエサル(Gaius Iulius Caesar)。 古代ローマ(ヨーロッパ世界)の英雄であると同時に、歴史的にも地勢的にも広く長く人類史に影響を及ぼし…

小話 地中海について

僕は「地中海」という場所そのものと、その言葉の響きがとても、たまらなく好きなのです。 日本語でいう「地中海」を表す各国語は "Mediterranean Sea(英語)" "Mar Mediterraneo(イタリア語)" "Mer Méditerranée(フランス語)" "Μεσόγειος Θάλασσα(ギリシア語…

オルヴィエト小話 雨と光と

この日は朝から雨が降ったりやんだりでした。それもかなりの大粒の雨がザーっと降ったかと思うと、スカッと日が差す。 傘を差すとまもなく雨が過ぎ、たたむとすぐに次の雨が落ちる、それを何度も繰り返すとても気まぐれ空でした。僕はこの日一日、雨と傘と格…

オルヴィエト 風景

オルヴィエトの風景を。 颯爽と行く老紳士も 泣きながら走る子供も ドゥオモは静かに見守っている。 古い細い路地は古の趣を残し 雨に濡れ 輝く街は遥か昔からこの場所に 古から、なだらかに続く丘陵によってこの街は潤ってきました。 昔も今も変わることな…

オルヴィエトのドゥオモ

オルヴィエトのドゥオモ(Duomo di Orvieto; Cattedrale di Santa Maria Assunta)。Santa Mariaの名前にあるように、フランスで言えばノートルダム(Notre-dame)=聖母マリアを讃える聖堂です。 建立のきっかけは1263年に起きた「ボルセーナの奇跡」でした。ロ…

オルヴィエト

ローマからフィレンツェへ向かう途中、ウンブリアからトスカーナにかけての起伏に富んだ丘陵地隊には小高い丘に築かれた街がいくつも現れます。そしてここオルヴィエト(Orvieto)は、日本ではあまり知られていませんがヨーロッパでは「世界で一番美しい丘上都…

オルヴィエト 目次

ローマからトスカーナ地方へ向かうとその途中には、なだらかな丘の連続と小高い丘に築かれた街の姿をいくつも目にすることになります。ローマから北へ100kmあまりの場所にオルヴィエトはあります。 小さくも歴史深く由緒ある街オルヴィエトを訪ねてみます。 …

イタリア小話 長い時間

もう随分前のことになりますが、初めてイタリアを旅行したときのこと。 ローマの街やミラノの大聖堂、素朴な小さな街と初めてのイタリアに感銘受けつつ、僕もまだ10代だったこともあってか「イタリア人のいい加減さったら酷い」と辟易したことをよく覚えてい…

フィレンツェ小史

フィレンツェの歴史を振り返ってみます。 B.C. 5世紀 エトルリア人の集落誕生 ■ローマ都市の時代 B.C.59年 古代ローマ、ユリウス・カエサルにより入植地となる 花の女神フローラの街として「フロレンティア」と名付けられる 4世紀−9世紀 ローマ衰退によって…

フィレンツェ小話 普通の日

昨夜ゆったりと贅沢に夜を過ごして、この年フィレンツェはこのまま綺麗に終わる予定でした。でも昼前にヴェネツィアへの列車が出発するまでの時間、ひさしぶりに明るいフィレンツェを散策することにしたのです。今回滞在中は早朝と夜以外は別の街で過ごして…

フィレンツェ小話 最後の夜

僕にとってこの年のフィレンツェ最後の夜は、これといって特別な出来事があったわけではなく、淡々と、しかしとても贅沢に過ぎていきました。自由気ままにすごしたあの時間をのんびりつづります。 ☆ 最後の夜の始まり ☆ その日、朝から一日シエナを歩きまわ…