cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

フランス

シャンゼリゼ界隈 目次

シャンゼリゼ(Champs Elysees)、「シャンゼリゼ」は私の人生ではじめて覚えた外国の道の名前。子供のころ、どこのなんだかは知らなかったけど、その響きだけはよく耳に残っていた。 コンコルド広場から凱旋門までの、緑に彩られた心地よい大通りは、17世紀、…

セーヌ川 景色

パリを流れるセーヌ川。 とても静かにゆっくりと流れる川は、パリの長い歴史がそうさせているのでないかと思う。そして川の流れはセーヌの周りをいく車や人に、何をそんなに慌てているのか?と問いかけているようです。 そして河岸を囲む建物や橋、人がセー…

パリ小話 〜朝散歩4

カルーゼル凱旋門からコンコルド広場、エトワールの凱旋門、そしてグランアルシュ までは一直線上にならんでいます。観覧車ができてしまって、ちょっと邪魔なのだけど、この「抜け」はとても気持良い。 カルーゼルのアーチがあって、コンコルド広場のオベリ…

パリ小話 〜朝散歩3

僕はシテ島をあとにして、セーヌ沿いをルーブル方面へ。 パリで一番好きな芸術の橋「ポン・デ・ザール(Pont des'Art)」へ。 ここも朝一番は誰もいなくてとても気持ち良い。 車は通れない「人のため」の橋。床は木で覆われていて、ここを渡る時は足から伝わっ…

パリ小話 〜朝散歩2

レ・アル地区からセーヌ川へ抜ける。 パリの整然とした建物の上の青空がはっきり見えてきた。まだ太陽の光は街に落ちてこない。 ついこの街灯の写真をとってしまいます。この時は朝日に輝く空の光を、街灯が取り込んでいる見たいです。 パリ最古の、当時の技…

パリ小話 〜朝散歩1

この年のパリは、親子3世代の旅行で、なかなか自分のペースで街歩きができなかったこともあって、ある朝早く一人でパリの街を闊歩することにした。 まだ薄暗いうちにサン・ドニのアパルトマンを出発、人も車も少しだけという静かな街に出ました。建物を出て…

パリ小話 オルセー ラトゥールという画家

フランスには二人のラトゥールという画家がいます。一人はジョルジュ・ド・ラ・トゥール(Georges de La Tour 1593-1653)。光と影を見事に描き出す17世期に活躍した画家で、その作風から「夜の画家」と呼ばれます。僕の父は「大工の聖ヨセフ」という絵が好き…

パリ小話 オルセー閉館間際の至福

僕は2018年に約20年ぶりにオルセーを訪ねた。そんな20年ぶりに行ったので、ゆっくりじっくりとオルセーを堪能したかったのだけど、その時はなんと入場受付締め切り直前、僕たちの後ろ一組が「本日最後の入場者」という状態でした。 「近年のパリは」、「この…

パリ小話 オルセーとゴッホ

ゴッホは一般的に後期印象派に分類されます。でも僕は昔からゴッホの絵を見るたびに思うことがありました。 この人を後期「印象派」という名前でくくるのは適切なのだろうか、と。。 確かに2年ほどのパリ時代にゴッホは印象派の画家たちと過ごして、彼らから…

パリ小話 オルセーとルノワール

印象派の画家で、僕の中でもっとも早くブレイクした画家、ピエール・オーギュスト・ルノアール(1841-1919)。 光と空気の揺らぎを描いたのがモネ、自らの心のゆらぎを通して日常世界を描いたのがゴッホならば、ルノアールは「人々の幸せの空気を描いた」画家…

パリ小話 オルセーとモネと印象派

86年の生涯で2000点もの絵画を製作したモネ(Cloude Monet 1840-1926)。 印象派の歴史の中で、その名前の由来となる絵「印象、日の出(1872)」を描き、最後まで生き残り絵を描き続けたモネは印象派そのもの。 ここではオルセーにあるモネの作品を通して、モネ…

ルーブル界隈 オルセー美術館

オルセー美術館(Muse d'Orsey)パリ万博に合わせて1900年に開業したオルセー駅。駅として機能したのはわずか30年ほどでした。それから約半世紀後の1986年にその駅舎は改装され、オルセー駅はオルセー美術館として生まれ変わったのでした。 フランス美術の黄金…

ルーブル界隈 風景

ルーブル周辺はこれまた綺麗な景色が多いのです。 朝のセーヌ川。ポン・デ・ザール(Pont des Art 芸術橋)越しに見るポン・ヌフ(Pont Neuf 新橋)。静かな水面、細い鉄骨の橋の向こうに、石でできた古くて新しい橋を臨みます。 ポン・デ・ザールでの朝。。 朝…

パリ小話 パリ小史

パリの街をちょっと一休みして、ここで少しパリの歴史を、簡単に辿ってみましょう。 紀元前3世紀■パリの始まり ガリア人の一部族パリシイ族がシテ島に集落を作ったことがパリのはじまり。 紀元前1世紀■先進都市への変貌 古代ローマのユリウス・カエサルがガ…

ルーブル界隈  オランジェリー美術館

ルイ16世やマリー・アントワネットがこよなく愛したチュイルリー庭園。そのセーヌ川に面した一角に緑の木々の囲まれてひっそり建つのが、オランジュリー美術館(Musee de l'Orangerie)です。木々に隠れてうっかり通り過ぎそうになってしまうこの建物は、かつ…

ルーブル界隈  パレ・ロワイヤル

ルイ13世の宰相リシュリューがルーブルに住む王のすぐそばに居たいと、建てさせた家がいまのパレロワイヤルの前身「パレ・カルディナル」。17世紀、宰相の死後に太陽王ルイ14世が幼少期にここに移り住み、過ごしたことから「パレ・ロワイヤルPalais Rayal(王…

ルーブル界隈 チュイルリー宮殿と庭園

ルーブルからシャンゼリゼの起点であるコンコルド広場までの間、とても綺麗な空間があります。今回はその、チュイルリー庭園と今は存在しない宮殿について。 チュイルリー宮殿(Palace des Tuileriers) 1563年、当時摂政として活躍したフランス王アンリ2世の…

ルーブル美術館10 ルーブルのレオナルド

16世紀初頭、神聖ローマ帝国との争いでイタリアに攻め込んだフランス軍が目にしたルネサンス芸術の数々。武力で攻め込んだはずのフランス人は圧倒的なイタリア・ルネサンスの芸術に触れ、虜になり、ここからイタリア絵画の収集(略奪含む)が始まることにな…

ルーブル美術館9 ルーブルのミケランジェロ

レオナルドと違い、ミケランジェロはフランスとは特に親交があった訳ではなく、ミケランジェロがフランスに何かを成した形跡はありません。そもそも生前から「神の如き」と称されたミケランジェロはバチカン、フィレンツェ、ローマを中心にイタリアの諸国で…

ルーブル美術館8 ルーブル小話〜センスを育む

ルーブルの3つの至宝のうち、サモトラケのニケは1863年にギリシアはエーゲ海のサモトラケ島で、当時のフランス領事が発見したときは118ものカケラに過ぎなかったといいます。それを持ち帰り、復元、いまのような姿となってルーブルの至宝として大切に展示さ…

ルーブル美術館7 三つの至宝 ミロのヴィーナス

ルーブルの至宝 3つ目は「ミロのヴィーナス(La Vénus de Milo)」。 「アフロディーテ(Aphrodite)」がこの彫刻のルーブルにおける正式名です。「アフロディーテ」はギリシア神話の美を司る女神のことで、ローマではラテン語でVenus(ウェヌス)とよばれました…

ルーブル美術館6 3つの至宝 サモトラケのニケ

僕がルーブルの中で一番好きな作品。 ルーブルの気品あふれるダリュ階段の踊り場に展示される勝利の女神「ニケ」の像、「サモトラケのニケ(Victoire de Samothrace)」。 このサモトラケのニケは、制作年が紀元前3世紀とも紀元前2世紀とも言われ、作者は不明…

ルーブル美術館5 3つの至宝 モナ・リザ

フランス絵画部門を抜けていくと、広い部屋が現れます。背後にはベネツィアの巨匠ヴェロネーゼによるルーブル最大の絵「カナの婚礼」。とても有名な絵なのだけど、部屋に集まるほとんどの人がその反対側を向いているのがわかるでしょうか?この部屋にはイタ…

ルーブル美術館4 紅いルーブル

僕はルーブルの中で絵画のエリアを勝手に「紅いルーブル」と呼んでいます。 「サモトラケのニケ」のダリュの階段の向かいに広がっているフランス絵画エリアの壁が紅で、ここは作品数も大作も多く空間的に印象に残っているせいか、僕の中では「ルーブルの絵画…

ルーブル美術館3 白いルーブル

僕の中で、「ルーブルの彫刻群が展示されているスペースは白い」というイメージがある。そんなわけで、彫刻展示スペースを僕は勝手に「白いルーブル(Blanc Louvre)」と呼んでいる。 彫刻そのもののほとんどが白なので勝手に「白い」でくくってるけど、ルーブ…

ルーブル美術館 目次

ルーブル美術館(Musee du Louvre) いろいろ書き進めてきたら内容が増えてきたので、目次のページを作りました。 cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.comcmn.hatenablog.comcmn…

ルーブル美術館2 展示部門のはなし

ルーブル美術館の展示は、古代オリエント、古代エジプト、古代ギリシア・エトルリア・ローマ、彫刻、絵画、工芸美術、素描・版画の7つの部門に分かれています。 時代やその背景に従って、部門の繋がりもあり、それぞれが工夫して魅力的な展示を見せてくれて…

ルーブル美術館1 ガラスのピラミッド

ルネサンス様式の建物に囲まれたナポレオン広場。その中心に近代的なガラスのピラミッドがあります。「近代的なガラスの」なんですが、その形が古代の「ピラミッド」であるために不思議なほどの調和が生まれています。 1981年「グラン・ルーブル(Grand Louvr…

ルーブル美術館0 宮殿から美術館へ

1200年にパリ防衛上もっとも弱いところに築かれた砦がルーブルの建物の始まりです。最初の建物は現在のルーブルの東端クールカレと呼ばれる正方形の部分(シテ島側のポン・デ・ザールと繋がるところ)で、当時ラテン語で「ルブラ(Rubras)」と呼ばれていました…

ルーブル界隈 芸術橋 Pont des Arts

ポン・デ・ザール セーヌ川にかかる橋で、数少ない車の通れない人のための橋。木の床は優しく、歩いてとても心地よい橋。 この華奢な鉄のアーチの連続が見た目のとても繊細な印象を作ります。セーヌにかかる橋の中で最も美しく、絵になる橋だと僕は思うので…