cafe mare nostrum

旅行の記憶と何気ない日常を

小話

エジプト小話 〜クレオパトラについて

エジプト王朝の最後の王、クレオパトラ(7世)。 「世界3大美女のひとり」「絶世の美女」と称されるこの人物は、実際どんな女性だったのだろう? クレオパトラが生きた当時は、エジプトは地中海に面したアレクサンドリアを首都としていました。アレクサンドロ…

エジプト小話 〜古代エジプト人

エジプトの人たちはどんな人々だったのだろう。 豪華絢爛のファラオの副葬品、ラムセス2世の巨像、ピラミッド。。。どれも桁違いの遺跡や遺物に目が行きがちになるけれど、所々でなんというかエジプト人の本質が垣間見られるような気がするんです。 心が和む…

エジプト小話 〜ハワード・カーター

1922年にイギリスの考古学者ハワード・カーターによってツタンカーメンの王墓が見つかりました。 王家の谷の他のファラオの墓と違い、盗掘者による被害が皆無に等しい、ほぼ手付かずのままの状態の王墓が唯一奇跡的に発見されたわけです。カーターはファラオ…

エジプト小話 〜ミイラと死生観

上野でミイラを見た。 小学生低学年の頃、父に連れられて上野の国立科学博物館へ恐竜の化石を見に行った時に、僕は初めてミイラに出会った。あの時の衝撃は強烈だった。初めてみたミイラの姿はちょっと刺激的すぎてしばらく頭から離れることがなかった。当時…

エジプト小話 〜墓造り職人

その昔、古代文明の遺跡は奴隷による強制労働で作られた物だというのが通説でした。 でも色々な考古学上の発見によって、ピラミッドもテーベの墓も強制労働によるものではないことがわかっています。エジプトに限らず、どこの国でも古代の一般市民の生活に関…

欧州列車の小話 〜クシェット

ヨーロッパ旅行で安く効率的に移動するために、いつも夜行列車を多用した。そして大抵の場合「クシェット」という簡易寝台を利用した。寝てる間にたくさん移動して、朝起きると次の国の次の街へ、確か一晩2〜3000円と安く手軽に利用できたので、貧乏旅行には…

ロンドン小話 〜ダブルデッカー

ロンドンといえばロンドンバス。ロンドンバスといえば二階建て、ダブルデッカー。の中でもルートマスターという1959年に登場したのがこのバス。 とてもレトロで味があるデザインはロンドンの街の風景にとても良くなじみます。 僕はロンドンに滞在している間…

ロンドン小話 〜イギリス人の不思議

伝統と格式を重んずる紳士の国。古代ローマを標榜して大英帝国を築き上げた国。ビートルズが生まれた国、グラムロック、パンクロックの生まれた国、たくさんの世界的なアーティストが生まれた国。そしてサッカー、テニス、ラグビーと言った近代スポーツの生…

ロンドンとシャーロックホームズ

シャーロック・ホームズ。 19世紀にイギリスで活躍した世界で最も有名な探偵。 天才的な頭脳による洞察力と推理能力と類稀なる行動力、そして創意工夫を駆使してスコットランドヤード(ロンドン警察)が手に負えない数々の難事件を解決。世の中の悪を嫌う一…

ロンドン小話 〜マーキー

ロンドンを訪れた当時、僕はバンド小僧の端くれだった。アパートの部屋で毎日ギターを弾いて、自己満足の世界に浸っていた。正直、腕前は大したことない。とても人様に聞いてもらえるようなレベルではないけれど、バンドマンの端くれとして、ロンドンに行っ…

ロンドン小話 〜憩いの場所

ロンドンにはのべ1週間ほど過ごしました。 そのくらい過ごしていると、なんだか居心地が良いお気に入りの場所ができます。 その1:トラファルガー広場 当時イギリスでの僕の食事事情はといえば、朝は宿B&Bでたっぷりの朝食。昼はフィッシュ&チップス、重た…

ロンドン小話 〜憧れのウィンブルドン

ロンドンでどうしても行きたい場所があった。それはウィンブルドン。 イギリスはテニス発祥の国。 ウィンブルドンは1877年から続くグランドスラム大会The championships Wimbledon(いわゆる全英オープン)の開催地。そこは4大大会の中で唯一天然芝のコートで…

ロンドン小話 〜憧れの大英博物館

大英博物館 ヨーロッパはもちろん、アジアから中近東、アフリカまで古今東西の美術品と書籍、考古学的な遺物や硬貨、工芸品に至るまで800万点を収蔵して、常時15万点ほどを無料で公開している世界有数の博物館。 もともと医師であるハンス・スローン氏が生涯…

イギリス小話 〜B&B

イギリスの旅行といえば、B&B。 ベッド&ブレックファスト(ベッドと朝ごはん)。いわゆる民泊です。 自宅の部屋を旅行者に貸す。イギリスの家は日本人からするとどこも大体小洒落たこじんまりした作りが多い。そしてイギリスのB&Bの最大の特徴は「イングリ…

イギリス小話 〜北海沿いにエディンバラへ

インバネスを後にスコットランドを行きます。 こんなローカル線に乗って、ゆっくりと。 海はひとつづきなのに、いろいろに名前がついている。 僕はこの時初めて北海という名前のついた海を見た。ひとつづきなのに、それでも「北海を見た」とか、「地中海を見…

イギリス小話 〜ネッシーに会いに

違和感とともに過ごしたオックスフォードを後に、僕はネッシーに会うために、ロンドンから夜行列車でスコットランドのインバネスまで行くことにした。 海外で初めての夜行列車。週末だったこともあってか、駅の窓口で寝台のチケットを買おうと思ったのだけど…

イギリス小話 〜オックスフォードの違和感

僕は初めての海外旅行でイギリスに行った。EU誕生前のこと。 当時従兄弟一家がウェールズのカーディフにいたので、僕は大学の夏休みの間、いとこのところへ遊びに行ったのでした。でも、イギリスに入国してカーディフについてから、2日過ごしてすぐに、イギ…

ガウディ小話 〜見る、触る、呼吸する

バルセロナでガウディの作品を探訪してきた。 もう25年も前のことだけど、今でも鮮明な記憶として昨日のことのように脳みそに刻み込まれている。 実際に目の前にするということは、やはり本で読むとも違うし、写真を見るだけとも違う、TVが進化して高精細に…

バルセロナ小話 〜テレビ事情

下にあるのはもう25年も前のバルセロナでの話。ガウディの作品は何十年、何百年時を経ても褪せることはない。当時のバルセロナの様子も、それはそれで日本との違い、日本との関わりを知る上で面白いと思うのでここに載せることにしました。さあ行ってみよう…

ガウディ小話 〜老人とサグラダファミリア

バルセロナを去る日、僕は最後に一目見ようとサグラダファミリアを訪ねた。その日、夜行列車でバルセロナを発つぎりぎりまで、ただサグラダファミリアを眺めていたかったので、バルセロナ滞在の4日間いつもと同じようにサグラダファミリアを一周したあと、…

ガウディ小話 〜サグラダファミリア建設の是非について

ガウディは詳細な設計図を残していなかった。また石膏模型を使ってギリギリまで変更をかけながら形を決めていくという手法で言わば設計と工事を同時に進めていました。これはサグラダファミリアに限らずガウディの仕事はこのスタイルで進められたものが多い…

小話 目次

小話のリンクを集めました。 cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn.hatenablog.com cmn…

ガウディ小話 〜サグラダファミリアへの道

「バルセロナの象徴」とバルセロナ市民から讃えられるサグラダファミリア(聖家族教会)はカタルーニャの天才建築家アントニ・ガウディによる作品。1882年の着工から130年以上経っている今も建設は続いており、少し前までは完成までにはあと数百年かかると言…

バルセロナ小話 〜サルダーナ

週末、旧市街カテドラル前の広場、どこからともなく楽団が現れ演奏を始めると、さっきまでは人でごちゃごちゃだった広場にはいくつもの輪ができて、老若男女が手をつないで軽やかにステップを踏んでいる。 それぞれ買い物かごなど自分の荷物を輪の中心にまと…

ガウディ小話 〜その生涯

ガウディに関しての資料は書籍でもネットでも、著名な建築家のものから個人のものまで星の数ほどある。どの資料にもほとんど共通して言えるのが、色々な立場のガウディファンが綴ったものであるということ。 その生涯についてもたくさんの色々な人が色々にま…

ガウディ小話 〜僕にとってのガウディ

「ガウディ」 一度耳にしたら忘れられない、不思議な響きのある名前。 ガウディと出会ったのは1本のTVCM。あれは中学生の時。 海をバックにサンドアートの塔が4本、山のようにも見えるし建物とも見える。それはやがて波に崩されて消えて無くなるというもの…

欧州列車の小話 〜バルセロナへ

僕は南仏ニースから夜行に乗りスペインのバルセロナへ向かった。雨のニースからバルセロナへ向けて出発したのは夜10時過ぎだった。 南フランスからバルセロナに向かうときは地中海沿いをひた走り、国境の街ポル・ボウでSNCF(フランス国鉄)からRENFE(スペイン…

パリのノートルダム寺院(火災の後に)

昨日、パリのノートルダム寺院が焼けるニュースを見てとても辛かった。 僕にとって一番綺麗で心惹かれたノートルダム。フランス人にとっては心のような教会だろう。そのノートルダムが激しく焼け、屋根部分が完全に焼け落ちてしまった。 20年前何度もパリを…

欧州列車の小話 〜フランス人と言葉

夜行列車で南フランスへ行くときのこと。 安く効率的に移動するために、いつものように「クシェット」という簡易寝台を使う。クシェットは一つのコンパートメントに両脇に3段、六人分の簡易ベッドがあり、シーツとぺったんこの枕だけ貸してくれる。一応ベッ…

ゴッホの小話 〜ゴッホと僕

子供の頃から絵を描くのが好きで、学校では図工の授業が一番好きだった。そしていつの頃からか気がつけば絵を観ることも好きになっていて、美術展があれば出かけたり、旅行先では美術館に足を運ぶ、むしろ美術館に行くために旅行するような感じ。 記憶を辿れ…